【1】ホワイト&マッカイ スペシャルがどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
手頃な価格帯で、満足できる新しいウイスキーに出会いたい。そんな悩みを解決するのが『ホワイト&マッカイ スペシャル』です。三段階熟成で、この価格とは思えない、まろやかさと甘さが楽しめます。キーモルトである高級ウイスキー『ダルモア』の存在も見逃せません。
ホワイト&マッカイ スペシャルについて
スコットランドのウイスキー業界において、1844年創業という長い歴史を持つ『ホワイト&マッカイ』社。そのスタンダードラインとして世界中で愛飲されているのが、『ホワイト&マッカイ スペシャル』です。このブレンデッド・スコッチウイスキーは、手頃な価格帯からは想像できないほどの、奥深く豊かな風味を持っています。
その秘密は、同社が誇る独自の『トリプル・マチュレーション(三段階熟成)』という、手間のかかる製法にあります。まず、個別に熟成させたモルトとグレーンをブレンド。その後、再びシェリー樽に戻して熟成させるというプロセスを経ています。この徹底した樽使いと再熟成の工程が、ウイスキー全体をまろやかで滑らかな口当たりへと昇華させています。
ブレンドの核となるキーモルトには、シェリー樽熟成のスペシャリストである『ダルモア』や、ライトな風味の『トミントール』など、タイプの異なる上質な原酒が選ばれています。
香りは、レーズン、プラムといった、シェリー樽由来の濃厚な甘さが特徴的です。口に含むと、その滑らかさと共に、ドライフルーツ、オレンジ・マーマレードのようなフルーティーでコクのある甘みが広がります。アルコールの刺激がストレートの飲み方以外では少なく、全体的なバランスが非常に優れているため、ウイスキー初心者の方にも抵抗なく楽しんでいただけます。
ストレートやロックはもちろん、芳醇な香りと甘さが炭酸に負けないため、ハイボールにしてもその魅力が際立ちます。日々の晩酌用としても、『手頃な値段で、高級なシェリー樽の風味を楽しめる』という、極めてコストパフォーマンスに優れた一本です。
ダルモア蒸留所について

引用元:Distillery Visit: The Dalmore | The Whisky Shop
スコットランドのハイランド地方、クロマーティ湾のほとりに佇むダルモア蒸留所は、1839年創業の歴史と伝統を誇る名門です。
ダルモアのボトルに描かれた『
この蒸留所の最大の特徴は、独自の伝統的製法と徹底したシェリー樽熟成へのこだわりです。大麦を乾燥させる際にピート(泥炭)を使わないノンピート製法により、クリーンな麦芽の風味を確保。さらに、特異な形状をした再留釜を用いることで、クリアでありながらも濃密なスピリッツを生成します。
そして、シェリー酒の名門『
ブレンデッド・スコッチウイスキー『ホワイト&マッカイ』のキーモルトとしても不可欠な存在であり、世界中の愛好家から品質の良い高級ウイスキーとして愛され続けています。
テイスティング

どの様な飲み方でも楽しめるのですが、やっぱりハイボールが美味しいです。
■ストレート
香りについては、シェリーらしい、ドライフルーツ系の濃厚な香りが中心です。加えて、キーモルトのダルモアの要素、オレンジピールやマーマレードを感じます。
テイストについては、香りから受ける印象と概ね同じですが、シナモンやジンジャーの様な味わいも加わっており、甘いだけでなく複雑さをしっかり持っています。人によっては、アルコールの刺激を感じる可能性はあり、ストレートでの評価はその点の感じ方に左右されそうです。
■少量の加水
適量の加水では、本銘柄が持つ、シェリーの甘みを引き出せます。加えて、飲み口も柔らかくなるので、飲みやすさも向上します。
■トワイスアップ
基本的に少量の加水と同様です。個人的には、加水量が多いとシェリー樽由来のスパイシーさもよりキャッチしやすくなります。
■ロック
濃厚なトロッとした甘みになるので、複雑さは減退しますが、全体的に飲みやすく美味しいです。少しグレーンの比率が高いように感じますが、コスパが良いと思います。
■ハイボール
全体的にライトで飲みやすいですが、個性もしっかり持っています。炭酸によってシェリー樽由来の甘い香りがグラスから立ち上ります。特にオレンジ・マーマレードやパイナップルといったフルーティーなニュアンスが強調され、明るい印象です。
