【1】ジョニーウォーカー ブラックルビーがどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
世界中で愛されるジョニーウォーカーから、待望の通年作『ブラックルビー』が誕生!伝統の安定した味わいに、ワイン樽熟成による芳醇なベリーの甘さとスパイスが調和。このモダンで華やかな銘柄の魅力について、本日見ていきます。
ジョニーウォーカー ブラックルビーについて
世界で最も愛されるスコッチウイスキーブランド、ジョニーウォーカーが、2025年に通年商品として日本に導入した本銘柄は、宝石のような輝きと濃厚な甘味を持つブレンデッドスコッチです。約7年半ぶりとなるコアレンジの新作として、大きな注目を集めています。
味わいの核となるのは、女性マスターブレンダーのエマ・ウォーカー博士(Dr. Emma Walker)が厳選した原酒です。特に、環境技術の粋を集めたディアジオ社の最新鋭蒸留所であるローズアイル蒸留所で製造された、リッチで甘味のあるモルト原酒がブレンドの骨格を成しています。ローズアイルのモルトは、発酵工程の工夫により、ベリーや繊細な草木のニュアンスを持つ、ユニークなフルーティさを持ち合わせています。
ブラックラベルからの厳選モルトに加え、ファーストフィルの赤ワイン樽を主軸とし、ペドロ・ヒメネスシェリー樽、オロロソシェリー樽、バーボン樽という複数の樽が使用されています。このワイン樽の影響が、従来のジョニ黒にはない、鮮やかなベリー系の芳醇な甘味と、ルビーのような色調をもたらしています。
グラスに注ぐと、艶やかな色合いとともに、甘いフルーツ(完熟したベリー、プラム、チェリー)のノートが支配的で、濃厚な甘さと、微かなスパイス、そしてジョニーウォーカーの特徴である繊細なスモークが層を成します。
口に含むと滑らかでクリーミーな口当たりで、ブラウンシュガー、熟したベリーの果実味が前面に出ます。イチジクやプラムのような深みのあるドライフルーツのニュアンスも感じられ、その甘さに繊細なスモークと樽由来のスパイスが絶妙なバランスをもたらします。フィニッシュは、ワイン樽とバーボン樽による滑らかな甘さが長く続き、最後にほのかなスモーキーさが優しく消えていきます。
ストレートやロックもおすすめですが、特にハイボールで楽しむと良さが際立ちます。甘酸っぱい果実の風味が炭酸によって強調され、爽快でスタイリッシュな一杯となります。
ローズアイル蒸留所について

引用元:Roseisle Distillery - United Kingdom
ローズアイル蒸留所は、スコットランドのスペイサイド地方に位置する、ウイスキー製造の未来を体現する革新的な蒸留所です。2010年に大手飲料企業ディアジオ社によって創業され、その巨大な規模と環境への配慮から、業界内で一躍注目を集めました。
年間1,000万リットルを超える生産能力を誇り、これはスコッチウイスキー蒸留所の中でもトップクラスです。伝統的な製法と最先端の技術を融合させており、その近代的な外観は、従来の蒸留所のイメージとは一線を画しています。
特筆すべきは、その持続可能性への取り組みです。敷地内のバイオマスプラントなどを活用し、必要なエネルギーの多くを再生可能エネルギーで賄うことで、スコッチウイスキー蒸留所の中でも特に高い環境効率を実現しています。
本蒸留所が製造する原酒は、主に『ジョニーウォーカー』をはじめとするディアジオ社のブレンデッドウイスキーの品質を支える重要な役割を果たしています。ポットスチルの構造を工夫することで、軽快でフルーティーなものから、リッチでヘビーなものまで、多様な酒質を造り分ける柔軟性を持っています。
長らくブレンダー向けでしたが、2023年には初のシングルモルトとなる『ローズアイル 12年』が公式リリースされ、世界中のウイスキー愛好家から大きな関心を集めました。このシングルモルトは、クリーミーな甘さと繊細なスパイスが調和した、スペイサイドらしい滑らかで質の高いフレーバーが特徴です。
テイスティング

ゆったり甘味を楽しみたい方はロック。爽快感の中にシェリーを楽しみたい方はハイボールです。この2つの飲み方は特に優秀です。ストレートの場合、シェリー銘柄という観点では、賛否が分かれそうです。
■ストレート
香りについては、ハチミツ、黒糖、そして熟したベリーやプラムといった赤系フルーツの香りが際立ちます。少し酸味も感じ、全体としてはまとまっています。
一方、テイストについては香りから受ける印象と少しギャップがあるように感じます。具体的には、柔らかいスモーキーさがスッと始めから終わりまで通っているので、想像していたよりも全体的に落ち着いた味わいです。その中にチェリーやベリーのフルーティな甘さが広がり、その後に樽由来のビターさが複雑に絡み合っています。
今までのジョニーウォーカーシリーズにはない、シェリー感を楽しめる銘柄です。一方で、ジョニーウォーカーのDNAはしっかり踏襲しています。思いの他、ピートの存在感はあるので、ピートが苦手な方にとっては、少し厳しい味わいです。
■少量の加水
ストレートと比較し、ピート感が軽快になる味わいです。個人的にはカリラのピートが効いていて、良いですね。
■トワイスアップ
加水量が多いと、空中分解していきます。個々の味わいは悪くないのですが、全体的なまとまりが無くなり、ネガティブな要素も垣間見えます。
■ロック
冷やすと、香り・テイスト共に、甘味がしっかり現れてシェリー感をより楽しめます。甘みの厚みがでてきます。加えて程よいピートが全体の完成度を高めています。舌触りもまろやかであり、全体的な甘みと後味のビター感のコントラストも素敵です。
■ハイボール
その他の飲み方では、全体的に重めの印象でしたが、ハイボールにした途端、爽快感が溢れ出します。ブラックベリーの様な果実味も良いです。印象深い味わいですが、癖がなく飲みやすい。そんなハイボールです。
ジョニーウォーカーの中心的な銘柄は、『ジョニーウォーカー12年』です。本格的且つ安定した味わいであり、まさしくスコッチの王道です。
