【1】フェイマスグラウス スモーキーブラックがどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
本日は、スコットランドで人気の高い、フェイマスグラウスシリーズの中でも、上品なピートを感じる銘柄『フェイマスグラウス スモーキーブラック』についてみていきます。マッカラン等をキーモルトとしており、滑らかで飲みやすい銘柄です。
フェイマスグラウス スモーキーブラックについて
フェイマスグラウスは、スコットランドで非常に人気が高いブレンデッドウイスキーです。キーモルトとしては、シェリーで有名な、マッカランやハイランドパークの他、約40種類程のウイスキーを組み合わせて造られているとの事です。フェイマスグラウスが持つ滑らかさと、程よいピートが心地よく、するすると飲めてしまいます。
もう少し特徴について記載すると、味わいのベースになっているのはマッカラン等のシェリー系であり、レーズンやプラムの様な味わいを感じます。そこに、グレンタレッド蒸留所のピートが効いたウイスキーが使用されていると言われています。
すごくピートが特徴的という訳ではないですが、優しくそして軽快に効いているので、フェイマスグラウスが持つシェリーの良さを邪魔せず、よいバランスです。
ストレートよし、ロックよし、ハイボールVery Gpood!な銘柄でありながら、購入価格は3千円程とコストパフォーマンスに優れた1本です。普段ティーチャーズ等の軽いピートが効いたウイスキーを好んで飲んでいて、ウイスキーの幅を広げたい方に特にお勧めかなと思います。
マッカラン蒸留所について
引用元:The Macallan new Scotch whisky distillery (usatoday.com)
『本当に、蒸留所?』と思われる方もおられるかも知れませんが、上記写真が2018年にオープンしたマッカラン蒸留所になります。マッカラン蒸留所のポットスチルはスペイサイドの中では最小のものですが、それでもこの蒸留所内に36基も設置され、日々稼働しています。
マッカランの蒸留方法は特徴的で、ウイスキーの多くは2回蒸留しますが、初留(1回目)は1基のポットスチルで行い、再留(2回目)は2基で行う、1:2方式を昔から採用しています。その為、他の蒸留所と比較しても多くのポットスチルが必要となり、手間もかかっています。
そして、なんと言ってもマッカラン蒸留所はシェリー樽に力を入れており、こだわりは他の蒸留所では真似できないレベル感となっています。スペインのガリシア地方で樽となる原木を自ら選定し、1年近く天日乾燥させます。そして乾燥させた原木を、シェリー酒造りが盛んな南スペインに運び込み、更に1年乾燥させるというコストと手間をシェリー樽に費やしています。そこから、シェリーを熟成させて、その後その樽を使用する訳ですから、ウイスキーの熟成年数も加味すると、樽の製造を始めてからウイスキーが完成するまで約20年近くを費やしていることとなります。マッカラン蒸留所以外では簡単に実現できないことです。
テイスティング
ストレートよし、ロックよし、ハイボールよし!です。特にロックとハイボールが美味しいです。バランスに優れています。
■ストレート
フェイマスグラウスらしい、シェリーとグレーンウイスキーの特徴を持っています。香りについては、レーズンやプラム等のシェリー系の香りを感じつつも、後半は軽快なピート香がある程度占めています。奥行きのある香りたちではないですが、価格を考えると十分楽しいです。
テイストについても香りとほぼイコールです。思いの他、香りよりも甘みを感じます。フェイマスグラウスらしいです。
■少量の加水
ストレートと比較して、キレが良くなる印象です。アルコール感をストレートよりも感じます。
■トワイスアップ
ストレートでは軽快なピートでしたが、加水する事でピートの泥感も感じるようになりました。土っぽいピートが好きな方には向いている飲み方かもしれません。
■ロック
Wow美味しい。相対的に、甘みをより感じつつ、ピートは落ち着きます。価格以上に楽しめるポテンシャルをもっています。
■ハイボール
滑らかで、甘みを感じつつ、軽いピート。バランスがとても良いです。アイラミスト(下記リンク参照)とかも同価格帯で高コスパなのですが、アイラミストはピートの個性を強めており、本銘柄はバランスと甘み重視です。どちらも良い銘柄です。