【1】ハイランドパーク12年 ヴァイキング・オナーがどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
本日は、スコットランド北端の蒸留所で造られる、スモーキ&ハニーな銘柄『ハイランドパーク12年 ヴァイキング・オナー』について見ていきます。ピートが効いたウイスキーの中でも、特にバランスに優れています。多くの方に好かれる銘柄です。
ハイランドパーク12年 ヴァイキング・オナーについて
シェリー樽に精通したハイランドパーク蒸留所が造る銘柄であり、スモーキ&ハニーな味わいを感じる事ができる、バランスの良さを持っています。
銘柄名にサブタイトル的な『ヴァイキング・オナー』とついておりますが、所謂12年表記のスタンダード商品となります。
本蒸留所はオークニー諸島に位置しますが、中世の頃はノルウェーの領土であり、ヴァイキングの影響を強く受けてきました。また、気候的に厳しい環境の為、育つ植物も限定的であり、ウイスキーにスモーキーフレーバーを付加するのに欠かすことのできない、ピートについても、ヘザーと呼ばれる植物の含有率が高くなります。このヘザーがピート香の中でも、甘みを含む味わいに繋がると言われています。
また、スパニッシュオークとアメリカンオークのシェリー樽を用いて、寒冷地にてゆったりと時間を掛けて熟成させています。
これらの要素により、深みのある味わいと、甘みあるスモーキさを感じるバランスの良い味わいに仕上がっています。かつての、ロシア皇帝やデンマーク王に愛され、現在では、女性を含む幅広い層に愛されています。ピート系ウイスキーの中でも、飲みやすいと思います。
ハイランドパーク蒸留所について
引用元:Highland Park Distillery | Highland Distillery Guide
スコットランドの北端にある蒸留所であり、島々が集まるオークニー諸島に位置しています。(詳細の位置は、以下地図参照)
創業は1798年であり、特徴の一つが、今では希少なフロアモルティングを実施している点にあります。フロアモルティングとは、ウイスキーの製造工程で、原材料の大麦を床に広げて発芽させる方法になります。かなりの重労働であり、また効率性の観点から、現在は機械に頼るケースが多い中、伝統的な製法を大切にしています。
二つ目の特徴は、スモーキーフレーバーをもたらす上で欠かせないピートへのこだわりです。ハイランドパークで使用されるピートには、ヘザーやヒースと呼ばれる植物を沢山含んでいます。その影響もあり、比較的甘いアロマを感じるピート香となります。
三つ目の特徴は、シェリー樽を使用した熟成に強みを持っている事です。本蒸留所で使用される樽の90%程がシェリー樽であり、本蒸留所が厳選した木材をスペインに輸送した後、数年かけて造られます。
テイスティング
バランスの良い銘柄ですので、どのような飲み方にも対応できます。個人的には、ロックが特に秀逸です。
■ストレート
上品で深みのある甘みと植物(ヘザー)を感じるピートとのバランスがとても良いです。香り自体は比較的軽やかであり、ハーブの様なすっきりしたニュアンスも持っています。
テイストについては、ビターチョコやオレンジピールを感じた後に、すかさず優しい甘さのピートが来ます。比較的ドライな味わいです。昔のボトルと比べて、シェリーの要素は薄くなり、ピートが少し強調されたように感じます。
■少量の加水
加水することで、香りについては甘さが増していく傾向にあります。一方、味わいについては、分かりやすくスモーキーさが強調されてきます。また、シェリーの味わいも濃くなってくるように感じます。
■トワイスアップ
スモーキーの中でも、泥のような味わいもより見えてきます。
■ロック
ボディに厚みが出て、甘みのバリエーションが広がります。また、ハイランドパークらしい、ヘザー由来のピートを堪能できます。美味しいです。
■ハイボール
バランスの良いハイボールです。ドライな味わいと甘みの両方を持っています。しかし、ストレートやロックと比較すると、個性は薄れてしまいます。