【1】ベル オリジナルがどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
本日は、ウイスキーの本場イギリスにて、圧倒的知名度を持ち、長く愛され続けている銘柄『ベル オリジナル』についてご紹介します。お手頃価格でありながら、しっかりとスコッチの味わいが楽しめます。
ベル オリジナルについて

引用元:Desvendando Whisky: Desvendando Nº 62: Bell's Original
『ベル オリジナル』は、イギリスで長年にわたり売上トップクラスを誇ってきた実績を持つ、国民的なブレンデッド・スコッチウイスキーです。その人気の秘密は、親しみやすい飲み口と、価格を超えた奥深い味わいのバランスにあります。
このウイスキーの骨格を成すのは、ハイランド地方に位置するブレアアソール蒸留所の原酒です。この核となる原酒が、フレッシュなりんごやハチミツを思わせる甘い香りと、まろやかな風味を創出します。しかし、ベルの魅力はブレアアソールだけではありません。
ブレンドには、他にも個性豊かなキーモルトが使用されています。スペイサイド地方のダフタウン蒸留所のナッツやフルーツの風味、同じくスペイサイドのインチガワー蒸留所のスモーキーでオイリーな香り、ローランド地方のグレンキンチー蒸留所の軽やかさ、さらにはアイラ島のカリラ蒸留所の穏やかなピート香等です。
これらの個性豊かなシングルモルトが巧みにブレンドされることで、ストレートでは甘みとわずかなスモーキーさが心地よく、スコッチらしい個性を感じられます。ハイボールにすると、青りんごのような爽やかな香りが際立ち、キレのある味わいへと変化します。
原則、2千円以内で購入できるという手頃な価格帯も魅力の一つであり、スコッチウイスキーの世界に初めて触れる方にとって、最適な選択肢となるでしょう。完成度の高い味わいから、ウイスキー愛好家にも高く評価されています。
ブレアアソール蒸留所について

引用元:Blair Athol Distillery (2025) - All You MUST Know Before You Go (w/ Reviews & Photos)
華やかなウイスキーで有名な、ハイランド地方に佇むブレアアソール蒸留所。1798年創業と、スコッチウイスキーの歴史を深く刻む場所です。蒸留所は「カワウソの小川」を意味するゲール語に由来する小川から仕込み水を引き、その美しい景観と共に訪れる人々を魅了しています。
本蒸留所で造られるウイスキーは、ブレンデッド・スコッチウイスキー『ベル オリジナル』の主要なキーモルトとして、その豊かな風味の土台を築いています。独特の濁った麦汁から生み出される原酒は、フレッシュでフルーティーな香りと、ナッツのような温かみのあるニュアンスも感じられます。
生産されるほとんどがブレンド用に使われるため、シングルモルトとして市場に出回ることは少なく、その希少性からウイスキー愛好家にとっては特別な存在となっています。歴史ある製法と、ブレンデッドを支える重要な役割を担うブレアアソールは、スコッチウイスキーの奥深さを感じさせてくれる蒸留所です。蒸留所自体も趣深く、多くの愛好家が訪問するスポットとなっています。
カワウソの描かれたラベル、かわいいですね。見た目も、中身も素敵な銘柄です。
テイスティング

ロック、ハイボールが美味しいかなと思います。特に、ハイボールでは、青りんご系のフルーティーな飲みやすさが中心になるので、多くの人が好む味わいです。
■ストレート
香りについては、ブレンデッドらしいグレーンウイスキーのパンケーキの様な甘みに加え、軽い青りんご、熟した赤いりんご、優しいレーズン等です。微かに、ピート香も感じます。
テイストについては、全体的にバランスが良く、何かの特徴に寄っているわけではないです。バニラの味わいの後、ビターさ、酸味、柔らかいスモーキーさが続きます。ストレートでも楽しめますが、日本人の味覚を考慮すると、アルコールの若いピリピリ感が、少し引っかかるかもしれません。とはいえ、価格を考慮すると、スコッチの入門としてお勧めできます。
■少量の加水
ほんの少し、甘さとスパイシーさのトーン高くなると感じます。
■トワイスアップ
後半に感じる、スパイシーさ、苦味、そしてピート感が強調されます。私の場合は、ピート感が特に強調されているように感じます。
■ロック
ストレートで感じられたバニラやハチミツのような甘さが落ち着き、代わりに苦味が少し目立つようになります。ビターチョコレートやカカオのような、ほろ苦さが特徴的です。十分美味しいと思います。
■ハイボール
ベルはやはり、ハイボールが栄えます。青りんごのフルーティーな甘酸っぱさが強調され、ストレートやロックで感じられるスモーキーさは控えめになります。炭酸の爽快感も加わり、すっきりとして飲みやすい味わいです。美味しい!
ベル オリジナルが好みの方には、『ホワイトホース12年』をお勧めします。ベル オリジナルと比較すると、少し購入価格は高くなりますが、ハイボールにした際の繊細かつ、しっかりした味わいが日本人の嗜好に合うと思います。心地よい具合でピートも効いています。(日本市場向けにリリースされている銘柄です)