【1】バランタイン17年がどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
本日は、スコッチウイスキー世界販売数量2位の有名ブランド銘柄『バランタイン17年』についてみていきます。究極のスコッチと呼ばれており、個性が異なるモルト原酒を40種類以上組み合わせて仕上げられています。
バランタイン17年について
バランタイン17年はスコッチブレンデッドウイスキーに分類され、華やかなモルトから個性あふれるモルトまで約40種類以上使用されて造られています。
代表的なキーモルトは、トロピカルのフルーティさを持つスキャパ、シトラスや少しの潮気を感じるオールドプルトニー、バニラや青リンゴを感じるバルブレア、洋ナシやナッツの様な香ばしさを持つグレンバーギー、フローラルな香りを持つミルトンダフ、個性的なピートを有するアードベック等になります。
上記のキーモルトだけ見ても、個性豊かであり、ブレンドする事が難しそうに感じてしまいますが、流石は歴史に裏打ちされたブランド。まろやかで上品、且つ印象に残るような味わいに仕上がっています。
テイストの傾向としては、万人受けしやすいように、甘くまろやかな味わいです。麦の甘さや、樽の甘み、トロピカルなフルーティーさに加え、チョコレートやトーストの様なニュアンスもあり、深みも十分あるので、飲むたびに新たな発見がありそうです。ピートも上品に効いているので、飲み疲れしないのも魅力です。
金額的には、決して安くはないですが、価格に十分見合った味わいを持っています。ブレンデッドの魅力が詰まった1本です。ようこそ、ブレンデッドの世界へ。
スキャパ蒸留所について
引用元:Kirkwall, Orkney Islands - Camel Travel
本蒸留所はオークニー諸島のメインランドに位置する蒸留所であり、蒸留所の名前の由来にもなっているスキャパ湾を見下ろせる高台にあります。
スキャパのオフィシャルな創業開始時期は1885年となりますが、オークニー諸島ではそれ以前から密造酒造りが盛んであり、実際は1700年代中盤頃にスキャパ蒸留所の前身となる蒸留所は存在していたようです。
本蒸留所の最大の特徴は、『ローモンドスチル』と言われる、特殊なポットスチルで1970年代から蒸留している点にあります。『ローモンドスチル』とは簡単には蒸留の具合を都度調整できる機能を持ったポットスチルになります。世界中で、現在もウイスキー用として稼働しているのは本蒸留所のみとなっています。
引用元:極北のエレガンス、スキャパから2つの贈り物 | WHISKY Magazine Japan
個人的には、パイナップルの様な味わいがする、SCAPA(スキャパ)が大好きです。飲みやすく、そして奥深い銘柄です。是非、お試しあれ。
テイスティング
ストレートかロックがお勧めです。個人的には、ロックが好きです。ロックで飲むと、各キーモルトの特徴を良く感じる事ができるので、楽しめると思います。
■ストレート
香りについては、全体的にまとまりのある印象です。その中に、樽の甘み、麦芽の甘み、酵母由来のフルーティさと甘み。チョコやトーストの様なニュアンスも感じます。最高のブレンダーにより、複数の銘柄をブレンドされているだけあり、上品で気品を感じます。
テイストについては、深みのあるフルーティーさと、重めのチョコレート系の甘味等です。最後に、奥深くにゆったりとしたスモーキーさが広がってきます。
■少量の加水
加水することで、爽やかさがアップしてきます。また、ストレートでは全体にまとまりがありましたが、加水により、各キーモルトの主張が垣間見えるようになります。個人的には、完成度の高い銘柄だけに、勿体なさを少なからず感じます。
■トワイスアップ
基本的には、少量の加水と同じ傾向です。
■ロック
銘柄の完成度の高さを尊重した飲み方です。まろやかな味わいを維持しつつ、各キーモルトが持つ華やかさ、フルーティーさ、ビターさ、ベリーの様なニュアンスまで広く感じる事ができます。
■ハイボール
良い飲み方です。スキャパのパイナップル系のフルーティーさを感じます。その他、チョコの重みや軽いピートがアクセントになっており、印象に残る、味わい深いハイボールです。
『バランタイン17年』を気に入った方は、エレガントの頂点に君臨する『バランタイン30年』はいかがでしょうか。人生は短い。時には背伸びをしてもいいんじゃなかろうか。