【1】ジェムソン シングルポットスチルがどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
本日はジェムソンでもアイリッシュの伝統的な製法で造られた、『ジェムソン シングルポットスチル』を飲んでいきます。5種類の樽を使用しており、それぞれの樽の良さが活きているバランスが絶妙な銘柄です。
ジェムソン シングルポットスチルについて
アイリッシュにおいて圧倒的知名度を誇る、ジェムソンシリーズ。その中でも、アイリッシュの伝統的な製法で造られた銘柄、『ジェムソン シングルポットスチル』を見ていきます。
シングルポットスチルとは、一般的なウイスキーと比較して、原料と蒸留回数に違いがあります。まず、原料についてですが、通常のウイスキー造りで使用されるモルト(大麦麦芽)に加え、未発芽大麦が少なくとも使用されます。未発芽の大麦を使用することで、オイリーな仕上がりになる傾向にあります。
更に通常のウイスキーでは2回の蒸留が一般的ですが、アイリッシュの伝統では3回蒸留されます。3回蒸留する事で、酒質が軽くなるので、『オイリーで、飲みやすい』というのが、シングルポットスチルウイスキーの特徴になります。
本銘柄は、飲みやすい特徴のウイスキーに、5種類の異なる熟成樽を使用することで、複雑さと飲みやすさを両立させています。更に、5種類の樽が決して喧嘩することなく、それぞれの良さがバランス良く配置されているので、完成度が高いと思います。且つ、コンセプトが明確で、造り手の想いが良くわかる銘柄です。
最初はバーボン由来の甘さから、シェリーのタンニン、渋みやスパイシーさを感じ、最後はバージンオーク感が余韻と共に続きます。
本銘柄は、店頭での販売はなく、Eコマース限定販売製品の為、気になる方は以下リンクより、購入いただけます。ジェムソンスタンダードの価格と比較すると高価ですが、シングルポットスチルは、一般的に安くても6000円以上はする銘柄が大半の為、そういった意味では比較的リーズナブルで良い出会いがあると思います。
ミドルトン蒸留所について
引用元:Jameson Distillery Midleton - All You Need to Know BEFORE You Go (tripadvisor.com)
1966年にジェムソン社とその他2社が合併して造られたのが本蒸留所です。流石、アイリッシュのグローバルシェアが70%を超えているだけあり、非常に規模が大きいことでも有名です。
割りと最近に建てられた蒸留所なのかと思われるかもしれませんが、本蒸留所の前身は1825年に創業を開始した旧ミドルトン蒸留所であり、現在は博物館として使用されています。(上記の写真)また、周辺も観光地化しており楽しめる街並みとなっています。
本蒸留所はアイリッシュの伝統をどの蒸留所よりも大切にしており、アイリッシュ特有のオイリーさと酒質の軽さを追求した『シングルポットスチルウイスキー』を丁寧に製造しています。
本蒸留所が造るウイスキーとしては、今回の主題になっている『ジェムソン』はもちろんの事、『レッドブレスト』や『グリーンスポット』等があり、国内においては決して知名度は高くないですが、堅実で伝統的なウイスキーの製造をされています。以下、参考にリンクを添付します。
テイスティング
どの飲み方でも、それぞれに良さがあります。個人的には、ストレート、ロック、トワイスアップが特に美味しいなと思いました。
■ストレート
まず香りについては、アイリッシュのシングルポットスチルらしい、オイリーさがあります。また、バーボン樽の影響が強いように感じます。その中に、シナモンや生姜のようなスパイシーな要素を多分に含んでいる事を感じます。
テイストについては、バーボン、シェリー、バージンオーク(アイリッシュ、ヨーロピアン、アメリカン)の5種類のバランスが絶妙です!!最初はバーボン由来の甘さから、シェリーのタンニン、渋みやスパイシーさを感じ、最後はバージンオーク感が余韻と共に続きます。若干のオレンジピール感もありそう?
全体としては、スパイシーよりですが、オイリーさもあり飲みやすいです。流石ジェムソン。スパイシーなウイスキーに慣れていれば、出来の良さを感じて頂けると思います。
■少量の加水
バージンオーク感が強くなるので、フレッシュな印象も受けるようになります。
■トワイスアップ
果実感とシングルポットスチル由来のオイリーさと自然な甘さが出てくるように思います。
■ロック
ダークチョコのような要素が強くなり、コクも出てきます。オークの主張もしっかり出てくるので。飲みごたえが十分!といった印象です。
■ハイボール