ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【ジャパニーズ】瀬戸内1年(ニューボーン)を飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】瀬戸内1年(ニューボーン)がどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 瀬戸内1年(ニューボーン)さん、ようこそ地球へ!これから、熟成が進んだウイスキーがリリースされるのを楽しみに待ちながら、本銘柄を飲んでいきます。

 筆者は5年程、広島、特に本蒸留所がある呉(くれ)に毎日通っていたので、街の魅力を交えながらご紹介します。

 

瀬戸内1年(ニューボーン)について

引用元:広島県呉市の蒸留所「SETOUCHI DISTILLERY」が手掛けるシングルカスクウイスキー『ニューボーン瀬戸内 AGED 1 YEAR』抽選申込を7月1日より受付開始!|株式会社三宅本店のプレスリリース (prtimes.jp)

 本銘柄は広島の呉(くれ)にある、瀬戸内蒸留所(SETOUCHI DISTILLERY)が造っている銘柄となります。瀬戸内蒸留所と言うと、聞きなれない方も多いと思いますが、本蒸留所は日本酒メーカーとして有名な株式会社三宅本店さんが保有する蒸留所であり、日本酒として『千福』ブランドは非常に有名です。

 2020年頃、ポートフォリオ拡大の為、蒸留酒の製造に着手されます。まず始めに、ジン、そして2021年からウイスキーの製造を開始され、今回1年以上熟成されたニューボーン(ウイスキー)がリリースされました。

 元々、広島県全体で日本酒の製造が盛んであり、その理由の一つとして、自然豊かな環境で生み出される上質な水が入手できる為です。本蒸留所で使用される水は、呉にある灰ヶ峰の水を使用されているとのことで、ミネラルを豊富に含んだ軟水となっています。(『この世界の片隅に』でも出てくる、呉の街が一望できる山です)

 注目すべき点は、初めてのウイスキー造りでありながら、技量が試され、且つコスト高になりやすい、オロロソシェリー樽での熟成を選択されたことです。しかもシングルカスクでリリースされる予定とのこと。温暖な瀬戸内の気候とかけ合わさって、どのようなウイスキーが今後リリースされるのか気になります。

 原料として、初期ロットはオーストラリア産のノンピート麦芽を使用されて製造されたそうですが、その他、熟成庫には、日本産やスコットランド産の原料で仕込んでいるものもあるとかないとか。

 一般的にウイスキーとしての味わいが出てくるのが熟成から3年位からと言われるので、2年後、ニューボーンからウイスキーへと名前を変えて、出てくる銘柄が待ち遠しい限りです。 ※2023年10月時点の情報、情報に間違いがございましたらご指摘下さい。

 

瀬戸内蒸留所HP:SETOUCHI DISTILLERY - 瀬戸内の気候が育んだジン・ウイスキー蒸溜所

 

広島呉(くれ)の魅力について

引用元:アレイからすこじま (kure-kankou.jp)

 広島の呉(くれ)と聞いて、皆さんどのようなイメージをお持ちでしょうか?おそらく多くの方にとっては、帝国海軍のかつての主要軍港、戦艦大和が造られた街等というイメージが強いのではないかと思います。

 確かに、かつての軍港や自衛隊の重要な拠点としての魅力がありますし、自衛隊基地の歴史ある建物や、敷地内で食べるカレーも美味しいです。筆者も5年程広島で暮らし、毎日のように呉に訪問する中で、それ以外の魅力も沢山見つけたので、少しだけご紹介します。(この街が好きすぎて書ききれないので、どこかのタイミングで、『呉の浜辺でウイスキーを飲む』みたいな記事を書きたいなと思います。)

 

■桂浜(のそばにある温泉もいい!)

引用元:倉橋・桂浜、白い砂浜と松原の歴史感じる施設 (tabetainjya.com)

 瀬戸内の穏やかな海と、素敵な倉橋の街並み。最高です。瀬戸内蒸留所のウイスキーがリリースされたら、この浜辺でゆっくり飲みたいです。近くに温泉施設があるのですが、そこで温泉入って、サウナ入って、桂浜でハイボール。最高です。これ以上望むものはなし!

 

■灰ヶ峰の夜景

引用元:新たな呉の夜の魅力「灰ヶ峰夜景ツアー」 – 呉地域観光日記 “くれまち”ダイアリー | 呉市観光情報サイト (kuremachidiary.jp)

 本蒸留所のウイスキー造りで使用されている水が作られる山になります。呉の美しい街並みが綺麗に見れます。原作:こうの史代さん『この世界の片隅に』にも出てくる場所です。

 

■御手洗の街並み(大崎下島)

引用元:御手洗町並み保存地区 | 【公式】広島の観光・旅行情報サイト Dive! Hiroshima (dive-hiroshima.com)

 江戸時代に港町として栄えた場所であり、小さい街ながら風情が詰まった街並みです。海も綺麗、街も歴史を感じれるこの場所は最高の隠れ家です。広島市や呉市から少し距離はありますが、車が積める船が数本出ているので、帰路では広島市にある宇品港まで船旅を楽しむのも醍醐味です。訪問した際に、いつもみかんをくれたおばあ、元気かなぁ。

 

■だし道楽のうどん屋さん

引用元:だし道楽のうどん(呉市) (tabibitogenki.com)

 呉市から、少し江田島方向に向かう道中にある、うどん屋さん。広島では有名な『だし道楽』のあごだしが使用されたうどんは絶品。そのだしで食べる卵掛けご飯もたまりません。食後も、ずっと口の中が美味しいです。最近では、全国でも、自動販売機でだしを売ってられたりもします。本当に購入して損は無し。お勧めです。

 

テイスティング

 熟成1年程(以上)位ですので、まだニューポットとしての要素は十分に残っています。その為、現段階で、将来の特徴の詳細を紹介するのは難しいです。こんな要素があるかもと、あくまでも参考程度にご覧ください。少量の加水が私は好みでした。

 

■ストレート

 まず、見た目としては、1年熟成にもかかわらず、しっかりとウイスキーの見た目をしています。おそらく着色はしていないのではないかと思いますので、シェリー樽(オロロソ)の影響かと思います。

 香りは、ニューポットに近いクリアさとアルコールの角があるコンテンツがメインです。しかし、後半にオロロソらしい、渋みと甘さもちゃんとあります。怒られるかもしれませんが、『カリカリ梅』を連想させる要素もあります。(おそらく熟成が進むとシェリーの要素へと変化するのだと思います)

 テイストについては、アルコール47%、熟成1年程度の為、刺激はもちろん強めにはあります。ただ、香り以上に熟成が始まっている事が分かります。軽く穀物の甘さがあった後に、オロロソらしいタンニンの渋みが出てきています。甘みの方にについては熟成の過程で今後もっとついてくるのかなと想像はします。

 

■少量の加水

 少量の加水をすることで、香りが一段広がりをみせ、且つテイストについては、甘みが広がるようになります。穀物の甘みと深みがこれからより、深まっていく期待が持てます。何となく、将来の本銘柄のイメージが湧いてきます。

 

■トワイスアップ

 まだ、熟成が進んでいるわけではないので、香りを楽しむには至らないです。(これは現段階では致し方ない)しかし、アルコール度数もしっかりあるので、熟成年数が深まったものがリリースされた際には、トワイスアップもお勧めの飲み方になる気はします。現段階では渋みが目立ちます。

 

■ロック

 熟成1年程度ですが、想像よりも、冷やすと飲みやすかったです。熟成の深みが出てきた際に、飲めるのを楽しみにしています。

 

■ハイボール

 現段階では、焼酎に近いハイボールな感じがします。(しかもカリカリ梅を入れたやつ!)

 

 以上、本日は瀬戸内蒸留所が造る『瀬戸内1年(ニューボーン)』を飲んで見ました。瀬戸内の穏やかな気候で、オロロソシェリー樽での熟成。どんなウイスキーがリリースされてくるのか、楽しみでなりません。