ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【アイリッシュ】ザ・ボーグス シングルモルトを飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】ザ・ポーグス シングルモルトがどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 イギリスの有名ロックバンド『ザ・ポーグス』と、先進的な取り組みを行う『ウエストコーク蒸留所』が造った銘柄。今までのウイスキー造りに縛られず、独自路線を貫いた結果、非常に面白い銘柄が誕生しています。本日は、本蒸留所が造る唯一無二の『ザ・ポーグス シングルモルト』について、見て飲んでいきます。

 

ザ・ポーグス シングルモルトについて

ウイスキー 40度 ポーグス シングルモルト アイリッシュウイスキー 700ml 赤 瓶 1本 THE POGUES

 本銘柄はアイリッシュシングルモルトウイスキーに分類され、2019年のクリスマスにイギリスで発売され、近年国内でも流通している銘柄になります。2003年に稼働を開始した、ウエストコーク蒸留所で造らている銘柄であり、蒸留所が若い事もあり、年数表記の無い銘柄です。

 しかし、『そんな事は全く気にしない、独自のウイスキー造りを追求する』というスタンスの蒸留所であり、本銘柄に似た銘柄を挙げにくい位の、独自な特徴を保有しています。

 まず原材料等については、ウイスキー造りの原点の地で造られていることもあり、基本的にすべてがアイリッシュ産になり、麦芽造りにおいては自社で行っています。また、少量生産を重視して、ウイスキーのミドルカット率を他の蒸留所よりも高めており、雑味を極力取いて理想のウイスキーを追求しています。ちなみに、本銘柄はバーボン樽で熟成されています。

 公式の香りとテイストに関しては、『芳醇なナッツの香りとチョコレートで覆われたピーナッツの甘みと、炒った種の香ばしさ。そして3回蒸留によって滑らかな口当たりと深み。』と表現されており、確かに上記の内容がベースとなります。しかし、それ以外の要素も十分あると思われます。

 公式の説明に加えて、ラベンダーのような花の香りと、かすかなウッディーさ、若干きゅうりのような香りもします。シナモン系のスパイシーさもあります。相対的に大分フレッシュで軽やかに感じます。テイストに関しては、香り通りですが、若干メロン的な要素も加わり、後半に山椒のような痺れがやってきます。

 香り、テイスト共にしっかりしていて、且つ年数表記は無いですが3回蒸留している事もあり、アルコールの尖った感じが無くて飲みやすいです。面白いウイスキーに出会いました。

 本銘柄は特に、ロックかハイボールがお勧めです。ナッツとチョコレートのテイストが創り出す、テイストの奥行きをお楽しみ下さい。アイリッシュ好きはとても満足されると思います。

 

ウエストコーク蒸留所について

引用元:Our Story — West Cork Distillers

 2003年に製造を開始した比較的新しい蒸留所になります。アイリッシュでは近年、新しく且つ斬新な蒸留所が多数誕生してきていますが、その一つが本蒸留所になります。

 本蒸留所は、当初は小さな小屋から始まりましたが、現在ではアイルランドでも最大規模の蒸留所まで躍進を遂げています。ここまで躍進を遂げてきた理由は多数存在しますが、その一つが今までの型に縛られない自由なアイデアでウイスキー造りを行っている為であり、正に『ウイスキーは自由だ!』と教えてくれます。そして世の中にリリースされるウイスキーの質も高いです。

 自由で質の高いウイスキー造りができる背景には、本蒸留所はウイスキーだけでなくジンやウォッカの蒸留酒を製造しており、蒸留酒に対する知見が深い点にあります。その為、各蒸留酒の作り方を組み合わせる能力が非常に高い様です。また、質を担保する為、アドバイザーとして元スプリングバンクのマスターディスティラーの活躍があります。

 

テイスティング

 ロックかハイボールが圧倒的にお勧めです。ナッツとチョコレートのテイストが創り出す、テイストの奥行きをお楽しみ下さい。

 

■ストレート

 飲みやすく、キレもよくてすっきり楽しめます。前述の通り、ピーナッツ系の香りをベースにラベンダーと、ウリやメロンのような若干青い野菜や果実の香りもします。

 テイストは非常に滑らかで、アイリッシュの要素を多分に保有していますが、それでも前半のナッツやメロンの甘さと、後半の痺れのようなスパイスさの対比が面白く、特に後半の痺れは山椒的な感じで特徴的です。

 

■少量の加水

 ウリ系のテイストと何とも言い難い渋みが出てきます。少し不思議なことに粉っぽさも感じるような。。個人的には癖が強くて、好きとは言い難いです。

 

■トワイスアップ

 これも少量の加水と同様に、少し青臭いウイスキーになります。

 

■ロック

 冷やすと、公式の説明文通りになります。つまり、しっかり炒ったナッツと若干ビターなチョコレートのテイストになります。ここまで、変化することにも驚かされます。ほんとにチョコレートです。原料カカオ使ってると言われても驚かないです。

 

■ハイボール

 ロックのテイストがベースの爽やかなハイボールになります。キレは良いので、甘ったるい感じもないです。且つ、味の奥行きも十分あるので、満足感が高いです。

 

 以上、本日は新興蒸留所が造る、唯一無二の銘柄『ザ・ポーグス シングルモルト』について見て飲んでみました。是非、ロックとハイボールで、新しいウイスキーの体験を!