【1】シーバスリーガル アルティス20年がどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
本日は、シーバスリーガルシリーズの中でも、熟成表記20年の長期熟成銘柄『シーバスリーガル アルティス20年』について見ていきます。シーバスリーガルのブレンド技術でしか表現できない世界観を持った、高貴な銘柄です。
シーバスリーガル アルティス20年について
シーバスリーガルのラインアップは豊富ですが、その中でもハイエンドに位置づけられる銘柄であり、ブレンド原酒は全て20年以上熟成されたものが使用されています。
過去から、『シーバスリーガル アルティス』はラインアップとして存在しておりましたが、2022年に大きく刷新されてリリースされました。元々のアルティスは年数表記が無い、ブレンデッドモルトウイスキーでしたが、今回からは20年の年数表記と共に、ブレンデッドウイスキーとなっています。(グレーンウイスキーを含む)
近年はシングルモルトブームであり、世の話題はシングルモルトに焦点が当たっていますが、ブレンデッドウイスキーにも素晴らしい世界が広がっています。
シーバスリーガルが創り出すブレンデッドウイスキーの世界は、非常に華やかで多層的です。本銘柄はブレンデッドを代表する銘柄の一つであり、穏やかな口当たりの先に広がる、上品な世界に圧倒されることでしょう。まさに高貴です。
本銘柄を構成するウイスキーは、シングルモルトとしては、シーバスリーガルにとっては欠かすことのできないストラスアイラ蒸留所に加え、ロングモーン蒸留所、トーモア蒸留所、アルタベーン蒸留所、ブレイヴァル蒸留所になります。
どれも全体的に華やかなウイスキーであり、それぞれの個性としては、フルーティー、クリーミー、柑橘、若干のスパイシー等を持ち合わせています。グレーンウイスキーとしては、ストラスクライド蒸留所になり、複雑な甘さを持っていると言われています。このグレーンウイスキーが5つのそれぞれの個性を持つシングルモルトをつないで、一つの華やかな世界を創り上げます。
テイストの特徴については、前述の通り華やかで多層的です。上品な桃や、花、シトラスの甘い香りとテイストが中心で、その先にクリーミーで滑らかな余韻が続いていきます。是非、ストレートやロックで味わって頂きたい銘柄です。
ストラスアイラ蒸留所について
引用元:Strathisla Brennerei - Whisky.de
スコットランドに存在する蒸留所の中で、最も美しいと言われる『ストラスアイラ蒸留所』。風情があります。
創業は1786年であり、スペイサイドの中では最も歴史のある蒸留所となっています。元々は、『ミルトン蒸留所』と呼ばれていましたが、1950年代にシーバスブラザーズ社が本蒸留所を買収し、『ストラスアイラ蒸留所』と名称を変更しました。
本蒸留所で造られるウイスキーのほぼ全てがシーバスリーガル用であり、ほんの少しだけシングルモルトとして出荷されます。その為、チャンスと余裕があれば購入してみても良いかもです。
テイスティング
ストレートがお勧めです。シーバスリーガルシリーズは値段に比例して美味しさが分かりやすく増していくと私は感じます。18年表記までは、ストレートからハイボールまで幅広い飲み方に対応するのに対して、20年以上はストレート、またはロックに照準を絞り込んでポテンシャルを最大限に引き上げているように感じます。
■ストレート
香りは、赤い熟したリンゴ、花の蜜、桃やアプリコット、クローブの様なスパイシーさ、後半にはバニラ、クリーム、焦がした洋菓子等です。文字に起こすと、取り留めが無い印象ですが、これらの要素が絶妙なバランスで共存しており、多層的です。しかも、そこまで重すぎないフレッシュさを兼ね備えています。
テイストは、香りから受ける印象とほぼ同じですが、少しオレンジの皮やクローブのスパイシーさがあるので、華やか一辺倒ではなく、締まった味わいも醸し出しています。フィニッシュは、長く滑らかでクリーミーです。やはり、シーバルリーガルのブレンド技術の高さは随一です。
■少量の加水
ストレートから大きな変化は無いですが、ほんの少しピートを感じる気がします。ストレートか少量の加水かは、好みやシチュエーションで使い分けると良いかもしれません。
■トワイスアップ
この飲み方はあまりお勧めしません。グレーンが分離するように感じます。一体感が損なわれています。
■ロック
ストレートよりも、花の蜜等の甘みを感じるので、ストレートが苦手な方にはお勧めします。ただ、ストレートと比較すると多層感は損なわれるかもしれないですね。
■ハイボール
洋ナシ、赤いリンゴ等が香るフレッシュハイボールです。美味しいですが、本銘柄をハイボールにする場合は、お財布との相談になりそうです。別の銘柄、グレンリベット等で概ね代替できそうです。
本銘柄を既に飲んだ事があり、好みなのであれば、次のお勧めは25年です。人生一度きり。気になった銘柄を1本購入して、じっくり味わう。人生には、そんな余裕を持つことも必要なのではと思う今日この頃です。