ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【スコッチ】クライヌリュシュ14年を飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】クライヌリッシュ14年がどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 本日は、山猫がボトルに描かれている『クライヌリッシュ14年』をご紹介します。私が思う、最もバランスの取れた美しいウイスキーであり、スコッチウイスキーのテイストを全て含んだ銘柄と呼ばれることもあります。それでは見ていきましょう。

 ※本記事は、スポンサード記事となります。過去に蒸留所巡りで知り合った友人より、最も好んでいるスコッチウイスキーの紹介をと、本記事の枠を頂きました。Thank you, William!

 

クライヌリッシュ14年について

クライヌリッシュ 14年 箱入り [ ウイスキー イギリス 700ml ]

 『スコッチウイスキーの全ての要素が、この1本のボトルに詰め込まれている。』と表現される程、多彩な味わいで、完成度の高いシングルモルトウイスキーになります。

 パッケージを見て、『見慣れない』と思われる方も多いと思いますが、おそらくウイスキー好きの方であれば、形は違えど一度は口にしたことがあると思われます。その理由は、世界で最も飲まれている『ジョニーウォーカー』のキーモルトの一つであり、カーデュー(カードゥ)と本銘柄はジョニーウォーカーのテイストを決めるうえで、非常に重要な役割を果たしています。

 本銘柄はハイランドでも北ハイランドと呼ばれる自然豊かな地域で造られております。その為、ハイランド銘柄に多いフルーティー且つ、フローラルでモルト風味豊かな要素を多分に含んでいます。それだけでなく、海の近くに蒸留所は位置しており、海の潮っぽさもうっすら感じ、このバランスが完成度を高めているように思います。

 本蒸留所で造られるウイスキーの90%以上は、ジョニーウォーカーに使用され、シングルモルトとして販売されているのは10%未満となります。しかし、この完成度の高さから、欧米を中心に食前酒、食中酒、食後酒とあらゆる場面で支持され、シングルモルトの生産量を増やす設備投資等も過去行われました。

 殆どシングルモルトとして販売されていないことから、国内の知名度は高くないです。しかし、だからこそ、何の雑音にも縛られることなく、存分にそして自由に楽しめる銘柄だと思います。

 国内において、現在のレギュラー品は『クライヌリッシュ14年』となりますが、『クライヌリッシュ23年』、前身の既に閉鎖された蒸留所で造られた『ブローラ20年』、ボトラーズ銘柄等も工夫次第では入手可能です。ただ、完成度の高さと価格のバランスを考慮した際、『クライヌリッシュ14年』が最も素晴らしいと考えます。

 

クライヌリッシュ蒸留所について

引用元:Chemistry of the Cocktail: Whisky Review: Clynelish 14 (cocktailchem.blogspot.com)
 自然豊かな北ハイランドに位置する、本蒸留所は1819年に操業を開始します。創業者は、その地域で広大な土地を所有していた、サザーランド公爵であり、その土地で採れる大麦を使って密造酒対策で建設されました。

 操業開始当初は、ポットスチル1基のみの小規模なスタートでしたが、スコッチの人気の高まりから、他の蒸留所同様、本蒸留所も生産能力を上げるための設備投資を行います。その際に、ポットスチルを横に追加する等ではなく、同じ敷地内に別の蒸留所を建設する選択をします。(基本的な設備や作り方は同じ)

 新しい蒸留所は『クライヌリッシュA』と名付けられ、現在のクライヌリッシュ蒸留所に、今までの蒸留所は『クライヌリッシュB』と名付けられ、後にブローラ蒸留所として14年間稼働し、その後閉鎖します。その為、その間に作られたウイスキーは『幻のウイスキー』と言われています。

 そして、なんと2021年に再稼働され、現在それらのウイスキーが貯蔵庫で熟成されています。ブローラ蒸留所はピートが効いたウイスキーを操業期間の後半はメインで造っていたため、ピート系のウイスキーがリリースされるのではないかと思われます。

 現在のクライヌリッシュ蒸留所は、ノンピートの麦芽を使用しています。そして、大きな銅製のバジル型ポットスチルを使用することで、雑味の少ないスムーズなテイストとなるウイスキーを造っています。

引用元:Distillery Visit: Clynelish Is Back On Track – Words of Whisky

 


www.youtube.com

テイスティング

 流石、銘酒。どの様な飲み方でもそれぞれに良さがあります。ただ、クライヌリッシュ愛好家として、ストレートをおすすめします。華やかさの中にある複雑さは、食後にゆったり飲むにふさわしい味わいです。

 

■ストレート

 スコッチの幅広い要素を極限までに高めたリッチさと、複雑な奥深さを感じます。香り立ちは良く、且つ芯がある、花と洋ナシのフルーティーさ、オイリーさを感じるハチミツ、メープルの甘みが上品にやってきます。麦の要素もしっかりと残っています。

 テイストについては、口に含んだ瞬間からフルーティーさと蜜の甘みがふわっと広がり、スムーズに舌に馴染んでいきます。途中から、潮気とアルコールの刺激により引き締まりつつ、余韻は再度スイート&フルーティーで長く続き、完成度がとても高いです。ボディはミドル位ですが、それ以上に味わいはしっかりしており、コクもスコッチとしては有るように感じます。食後酒に最適。

 

■少量の加水

 アルコール度数の高さと熟成年数の長さにより、少量の加水で大きな変化は無いです。しかし、若干メープルの香りがより明確になり、テイストについてはミルク的要素が出てくるように感じます。ストレートとは好みの問題かもしれません。個人的にはストレートと比較して複雑さが減り、その分、分かりやすくなったように感じます。

 

■トワイスアップ

 トワイスアップでも、味わいはしっかりしています。フローラル、フルーティー、ハチミツの甘み、潮気の要素があることを理解しながら楽しめます。1つの飲み方として満足できるレベルです。

 

■ロック

 ストレートと比較して、甘さ(ハチミツと麦)と潮気が際立ってきますので、スレートとはまた違った楽しみがあります。この飲み方も良いです。少し複雑さは減衰する傾向にはありそうです。

 

■ハイボール

 爽やかで華やかなハイボールです。美味しいです。

 

 以上、本日はスコッチシングルモルトの幅広い要素を含み、且つ研ぎ澄まされた銘柄、『クライヌリッシュ14年』を見て、飲んで見ました。

 これからウイスキーを学び、楽しみたいと考えている方も、多くのウイスキーを飲んできた方にも、自分用にも、贈り物にも素敵で最適な1本になること、間違いない銘柄です。