ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【スコッチ】ブラックボトルを飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】ブラックボトルがどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 本日は、世界的なコンペで複数受賞し、一気に知名度を上げた銘柄『ブラックボトル』について見て飲んでいきます。ブラックボトルについては、昔からある銘柄ですが、中身が何度も刷新されてきた経緯があります。軌跡を含めて見ていきましょう。

 

ブラックボトルについて

ブラックボトル [ ウイスキー イギリス 700ml ]

 本ウイスキーは、スコッチブレンデッドウイスキーに分類され、キーモルトはアイラの中でも珍しく、ピートを焚いていないブナハーブンとなっています。

 ブラックボトル自体の歴史は長く、1879年に誕生しますが、今のテイストに変更されたのは2013年になります。それまでに、大きなテイスト変更が何度か実施されており、今のボトルと一世代前のボトルだけを比較しても同じ名前のウイスキーとは到底思えない変化があります。以下、一世代前のブラックボトルの写真になります。

 

引用元:Black Bottle Scotch Whiskey Bottle Sticker - ProSportStickers.com

 『ブラックボトル』の名前の由来は、当時では比較的珍しい黒いボトル(ドイツ生産)を使用していた事と、ブレンデッドですので、今で言う『何がブレンドされているかはお楽しみ!』的な意味合いに由来します。

 しかし、一世代前のボトルはブルーであり、『どこが、ブラックボトルやねん!』と言いたくなると思います。これは、当時、耐久性が高いドイツ製のボトルを使用していましたが、第一次世界大戦の中、ドイツから入手が困難となり、やむを得ずスコットランド製に切り替えた名残です。当時のスコットランドではブルーのボトルが主流でした。

 では、何故再度ブラックボトルを採用し、中身を刷新したのかというと、ブラックボトルの親会社は幾度となく変わっていき、特にスコットランドの方々が言うには、アメリカの親会社になったタイミングで、テイスト含む全てが台無しになったそうです。

 その為、再度元のブラックボトルに戻す為に、今回の刷新が行われました。キーモルトはアイラのブナハーブンですが、当時のレシピに近くなるようにスペイサイドのウイスキーも複数ブレンドされているようです。

 私、初期のブラックボトルを飲んだ事が無いですが、聞く話によると、良し悪しはさておき、当時のテイストとも大分違いがあるとかないとか。

 香りの特徴は、控えめですがブナハーブンらしい、黒糖や柔らかいハチミツ系の奥に泥っぽいスモーキーさを感じます。テイストに関しては、ブレンデッドの中では、かなりコンテンツが詰まっている感じで、満足度があります。ピート、ハチミツ、生姜系、シロップ、潮気等、長くはないですが余韻の甘さとスパイシーさも特徴的です。価格とテイストのバランスも取れており、とても良いウイスキーだと思います。

 

ブナハーブン蒸留所について(キーモルト)

引用元:Burn Stewart Distillers bought by Distell (thedrinksreport.com)

 アイラ島の蒸留所の中では、キルホーマン蒸留所に次いで新しい『ブナハーブン蒸留所』。創業は1881年であり、ノンピートをメインで造る方針が決まったのが第二次世界大戦後となります。当時のブナハーブン蒸留所は、ブレンド用の原酒を製造することに徹しており、カティーサークの原酒として軽い酒質、且つノンピートが求められていた為です。

 その後、モルトウイスキーブームの影響もあり、1998年頃からピート系のウイスキーの製造を開始します。その第一号が『モンニャ』と呼ばれる銘柄であり、その後の現在販売されている、ピート系の『ブナハーブン トチェック アガー』や『ブナハーブン クラックモナ』へと繋がっていきます。

 

引用元:Islay, Tag 5-7 - Franks gesammeltes Halbwissen (frankshalbwissen.de)

 ブナハーブン蒸留所のポットスチル形状が特徴的であり、よくポットスチルは玉ねぎ方等表現されますが、『玉ねぎを潰したような形状?』をしています。

 

テイスティング

 ブレンデッドですが、飲み方は少々選びそうです。私は、ストレート、または少量の加水、濃いめのハイボールがお勧めです。

■ストレート

 飲みやすいです。アルコールのアタックは弱めで、本銘柄の持ち味であるコンテンツの多彩さを楽しめます。ピート、ハチミツ、生姜系、シロップ、潮気、そして最後にスパイシー。特に潮気の感じる時間が長いです。

 香りは弱いので、香りメインでウイスキーを楽しまれる方には少々微妙かもしれません。しかし、意識してみると黒糖や柔らかいハチミツ系、奥に泥っぽいスモーキーさを感じます。

 

■少量の加水

 甘みとスモーキーがぐっと開いてきます。そして後半の潮気さでおさまりの良い味わいです。すごく、ポテンシャルを感じます。

 

■トワイスアップ

 ここまでいくと、ボディを保てていないです。ぼんやりしたブナハーブン12年って感じです。

 

■ロック

 一般的には、飲みにくいウイスキーになります。樽の渋みやタンニン系の渋みが前にでてきます。私は飲みにくいウイスキー結構好きなので、個人的には好きですが。

 

■ハイボール

 全体的にすっきりしたスタイリッシュな味わいですが、印象に残る味わいです。麦や、ハチミツといった複数の違う甘みと、それを取りまとめる若干の潮気とピート、上品で美味しいです。少し濃いめに作った方が楽しめるかもです。

 

 以上、本日は世界的コンペで受賞し、一気に有名になった銘柄、『ブラックボトル』について見て飲んでみました。飲みやすくで、でも印象に残るそんなウイスキーだと思います。