ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【アメリカン】フォアローゼズ・プラチナ(スーパープレミアム)を飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】フォアローゼズ・プラチナがどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 本日は、ウイスキー界の中でも屈指の実力を持つ『フォアローゼズ蒸留所』の最高傑作、『フォアローゼズ・プラチナ』について見て、飲んでいきたいと思います。本銘柄の実力はとても高いので必見です。

 

フォアローゼズ・プラチナ(スーパープレミアム)について

【ウイスキー】フォアローゼズ プラチナ 700ml

 アメリカンウイスキー(バーボン)に分類される銘柄であり、バーボンの中でもかなり手間をかけて造られているプレミアムな銘柄になります。

 蒸留所があるケンタッキー州の創州200年を記念してリリースされた銘柄であり、海外では『スーパープレミアム』、国内においては『プラチナ』という名称で販売されています。

 フォアローゼズシリーズの、メジャー品は4種類になります。一般的なスーパーでも見かける、フルーティーな『イエローラベル』、スパイシーさも楽しめる『ブラックラベル』、スイート~スパイシーまでの幅広いテイストが楽しめる『シングルバレル』、そして超熟の原酒による更にまろやかさと優しさに包まれた本銘柄、『プラチナ』になります。

 その名の通り、『プラチナ』はこれらのシリーズの中でも最上位に位置し、10種類の異なる特徴を持った原酒の中でも、おそらく10年近い超熟したものをメインで組み合わせて造られます。

 バーボンは原則超熟には向かない(樽の苦味等が出やすい)為、10年以上熟成させるには高い技術力が必要になります。また、10種類もの原酒を組み合わせて最高品を安定的に作り出すには、高いブレンド力やテイスト力が必要となりますが、それを実現している本製品は間違いなくトップクラスのウイスキーです。

 本銘柄の最大の魅力は、驚くほどクリーミーでとても長く続く余韻であり、一度飲んでしまうと、この余韻を忘れる事はできません。是非、長く続く余韻と共に、大人な時間をお楽しみください。

 バーボンの力強い感じが大好きという方には、向かないかもしれません。一方で、まろやかなテイストの『I.Wハーパー』や『ウッドフォードリザーブ』を好まれる方は、間違いなく満足できる銘柄です。また、普段バーボンはあまり飲まないという方でも、トライする価値のある一品です。

 

フォアローゼズ蒸留所について

引用元:Four Roses Bourbon Is An Underrated And Beautiful Distillery In Kentucky (onlyinyourstate.com)

 創業は1888年付近になります。その100年程前に創業を開始した、『バッファロートレース蒸留所』等と比較すると年代は浅く、知名度はそこまでではないですが、独自の製法でウイスキー造りを行う、実力派の蒸留所になります。

 本蒸留所の最大の特徴は、特徴の異なる原酒を10種作り、これらの原酒を組み合わせてウイスキー造りを行っている点になります。

 まずは、材料の調合で2種類に分けており、甘めの味わいになるようにコーンの比率が多いマッシュビル(原料)とスパイシーな味わいになるようにライ麦の比率を高めたマッシュビル(原料)を使い分けます。更に、そこに5種類の異なる酵母を組み合わせる事で、(2種類の原料)×(5種類の酵母)=10種類の原酒、を製造します。これらの原酒は、スパイシーであったり、フルーティーであったり、バーボンらしい甘みを持っていたりとするので、ブレンド技術を活かして、多種多様な原酒を混ぜ合わせて、本蒸留所の銘柄が完成します。

 更に、原料を発酵させる工程では、木の発酵槽を使用しており、更にその発酵槽は100年近く川に沈んでいた木材を使用しているそうです。蒸留所のツアーでは、この木材を使用する事で、酵母の働きがよくなるとかならないとかそのようなアナウンスがされていました。

引用元:Four Roses Distillery - Whisky.com

 いずれにしても、原酒の違いを存分に味わえるように、惜しみなく努力を重ねている蒸留所であり、本蒸留所が生み出す銘柄達を飲めば理解できるはずです。

 

テイスティング

 私は、ストレートが好みです。一方で、ロックやハイボールも全く違う一面を見せてくれるので気分に合わせて飲み分けても楽しい銘柄と思います。是非、色々な飲み方で試してみて下さい。

 

■ストレート

 本銘柄のまろやかな甘みと、長く続くリッチな余韻を存分に楽しめる飲み方です。香りは、一般的なバーボンと同様の特徴であるバニラとハチミツの様な香りがメインとなりますが、他の銘柄と比較しても上品です。

 テイストは、ハチミツやコーンの自然の甘みの後、アルコールとスパイシーさによるケジメがあった後に、バーボンのクリーミーな余韻がとても長く続きます。とても幸せです。値段以上の価値を私は感じます。

 

■少量の加水

 少量の加水ではあまり変化は見られませんが、ほんの少し甘みがより上品な感じになるように思います。

 

■トワイスアップ

 香りも、甘みもゆったり楽しめます。トワイスアップでも十分耐えられる、しなやかさを兼ね備えています。

 

■ロック

 香りが大分抑えられて、木の香りが中心になります。テイストは本銘柄が持つ甘みも大分抑えられ、中心はスパイシーとなりますが、後半に甘みは感じ、他のバーボンと比較しても余韻も楽しめます。これは、好みが分かれそうです。

 

■ハイボール

 甘みと余韻が楽しめる1杯になります。爽やかなのに、心地よい甘みと余韻が口一杯に広がります。この飲み方が一番、酵母にこだわる本蒸留所の良さが分かるかもしれません。良い酵母と適切な時間を掛けて発酵している事をしっかり感じます。イメージとしては、同様に発酵工程を大切にしているスコッチの『アバフェルディ』と通じる所があると感じます。

 

 以上、本日はフォアローゼスシリーズの中でも、最高傑作シリーズ『フォアローゼズ・プラチナ』について、見てきました。値段はプレミアムですが、それ以上に満足できる1本と確信しています。