ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【アメリカン】ジェントルマンジャックを飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】ジェントルマンジャックがどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 ジャックダニエルの兄貴分の『ジェントルマンジャック』。製法的にジャックダニエルと比較して、より雑味が少なく洗練された味わいとなっています。それでは、見て飲んでいきましょう。ジャックダニエル好きは特に必見です。

 

ジェントルマンジャックについて

ジェントルマンジャック [ ウイスキー アメリカ 750ml ]

 ジャックダニエルシリーズはアメリカンウイスキーに分類されますが、バーボンではなく正確にはテネシーウイスキーという独立したカテゴリーとして区別されます。それを分かりやすく言い表す表現として、『It is not bourbon. It is JACK.』とよく言われます。テネシーウイスキーである条件は2点になります。

 

①テネシー州で製造されていること

②サトウカエデの炭でウイスキーが濾過されていること(チャコールメローイング製法)

 

 特に②のチャコールメローイング製法においては、他のバーボンとは明確に異なるテイストを生み出します。じっくり10日程かけて原酒を1滴ずつ濾過する為、雑味がとれたスムーズでまろやかな仕上がりになる傾向にあります。

引用元:Charcoal Mellowing | Jack Daniel's (jackdaniels.com)

 コンビニでも販売しているジャックダニエルを飲んだ事がある方なら、そのスムーズさとハーブの様なすっきりさに、満足される方も多いのではないかと思います。しかし、本銘柄は、この10時間もかかるチャコールメローイング製法を2回も実施したものをボトリングしています。

 その為、雑味がより無くなり、飲み口は更に柔らかい為、本銘柄の持つ甘さやすっきりさを存分に味わうことができます。2回のチャコールメローイングの効果は絶大であり、ジャックダニエルを好んで飲まれる方は、かなり好まれるのではないかと思います。若干の欠点としては、洗練されている分、香りを楽しみたい方には物足りなさを感じるかもしれません。しかし、それ以上に上品さと洗練具合が際立つ1本です。

 

ジャックダニエル蒸留所について

 ジャックダニエル蒸留所はアメリカのテネシー州ムーア群リンチバーグに位置しております。創業者のジェスパー・N・ダニエルは1850年に貧困な家庭に生まれ、7歳の時に家族の友人に預けられることとなります。そして教会の牧師であり、蒸留所のオーナーであったダン・コールに雇われ『チャコールメローイング』によるウイスキー造りを習得していきます。1866年に20歳になったジャックは、アメリカ政府登録第一号となるジャックダニエル蒸留所を設立します。

 1904年にはOld No.7をセントルイス万国博覧会で出品し、世界各国のウイスキーで唯一金賞獲得し、世に知れ渡る事となります。しかし、その後の禁酒法時代により事実上の閉鎖に追い込まれ、後にブラウン・フォーマン株式会社に買収され、再開されて現在に至ります。

 ちなみに、テネシー州ムーア群は禁酒法時代の影響を現在でも受けており、Dry County(禁酒群)、要は酒類の販売が禁止されている地域の一つです。その為、ジャックダニエルを飲みたければ、ムーア群外で購入する必要があります。禁酒法前から蒸留所は存在していたので仕方ないのでしょうが、なんとも不思議な状況です。※蒸留所内のお店では購入できます。

 

テイスティング

 人それぞれですが、ロックで飲む。これが一番美味しいです。まろやかスムーズです。

 

■ストレート

 香りはアルコールの刺激は殆どなく、ジャックダニエルの香りをベースに上品な木の香りと柔らかいバニラ香が加わった感じです。私は若干バナナの香りも感じます。

 飲み口はジャックダニエルよりも柔らかくなっており、すっと入ってきます。ウッディ感少し強めの弱いバニラテイストの後、ジャックダニエルらしい炭で濾過した独特な風味とすっきりさを感じます。

 

■少量の加水

 加水する事で、炭で濾過した後のハーブのようなすっきりしたテイストが強くなります。雑味を更に削ったジャックダニエルという感じで結構好きです。ストレートとは印象が大分変ります。

 

■トワイスアップ

 ウイスキーが負けるかなと思いましたが、爽やかで飲みやすいです。ハイボールが苦手な方は、夏に本銘柄をとワイスアップして、氷入れて飲むと楽しめるかもですね。

 

■ロック

 ロックでの飲み方が頭一つ抜ける美味しさです。まったり且つサラッと飲めて、その上甘さとすっきりさのバランスが絶妙です。他の飲み方では本銘柄の甘さが分かりにくいですが、ロックだとよくわかります。お勧め!

 

■ハイボール

 まあ、それなり。バーボンのハイボールと比較して雑味の目立ち具合は少ないですが、それでも若干の雑味と酸っぱさを感じます。可もなく不可もなく。

 

 以上、本日は洗練されたジャックダニエルを更に洗練させた『ジェントルマンジャック』について見て飲んで見ました。ジャックダニエルと同じ原料、製法、樽、貯蔵庫で造られた原酒ですが、違いは歴然で本蒸留所の銘柄毎に特徴を分かりやすく持たせるスキルの高さに驚かされます。