【1】ワイルドターキー8年がどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
本日は、バーボンの伝統的製法を重んじて製造された『ワイルドターキー8年』です。これぞ、バーボンの元祖といった銘柄です。それでは、見て飲んでいきましょう。
ワイルドターキー8年について
他のバーボンと比較して、原料のコーン割合を減らし、代わりにライ麦の比率を高めて製造された『ワイルドターキー8年』。ライ麦の割合が高ければ、ピリッとしたスパイシーさが増し、後味がすっきりする傾向にあります。本銘柄は、その通りコーンの甘さは控えめで、スパイシーさが楽しめるバーボンになります。
それ以外にも『ワイルドターキー』のこだわりは複数あります。その一つが、蒸留工程であり、香りと味わいを良くする為、蒸留時のアルコール度数は低めの約60%~65%に設定しています。(一般的には70%以上が多い) こうする事で、ボトリング時の加水量を最小限に抑える事ができ、ウイスキーの濃厚さが増すと言われています。その為、前述の通り、甘さは控えめなのですがバーボン樽由来のキャラメルやバニラ感の濃厚な味わいを感じる事ができます。
更に、バーボンの中でも良く内側を焦がした樽(アリゲーターチャー)を用いて熟成させる為、バーボンの特徴をギューッと凝縮した飲みごたえのある1杯になること間違いなしです。
ワイルドターキー蒸留所について
引用元:Great Drams Whisky - Age Verification - GreatDrams
本蒸留所はケンタッキー州のローレンスバーグ地区に位置する蒸留所になります。蒸留所の創業は1869年であり、当初はワイルドターキー蒸留所という名称ではなく、リピィ蒸留所という名でスタートしました。その後、オーナーは点々と変わっていきますが、1893年のシカゴ開催のワールドフェアで『ケンタッキーを代表するウイスキー』に選出され、大きく躍進していきます。
しかし、その後ウイスキーにとっては暗黒時代の、禁酒法に翻弄されることとなり、飲料としてのウイスキーの製造は中止せざるを得ない状況に追い込まれます。しかし、禁酒法時代が終焉を迎えると、バーボンとしての伝統を守り続ける事に特に重点を置いて再度製造を開始し、現在の地位を築き上げました。
本蒸留所が製造する『ワイルドターキー』シリーズは、伝統的なバーボンを知るには最適な銘柄であり、本蒸留所の責任者ジミー氏は『私がこのボトルに詰めたものは、バーボンの伝統だ』とおっしゃってられます。是非、伝統的なバーボンを楽しんでみて下さい。
テイスティング
是非、ロックで本銘柄のコクとスパイシーさと控えめですが甘さのコラボレーションを楽しんで頂きたいです。ハイボールにするとよりライの特徴が垣間見えてきます。
■ストレート
香りはしっかりと、バーボン樽の特徴を感じます。バニラ、キャラメル、オレンジ系がウッディーさと一緒にやってきます。アルコール度数が50%ですので、ある程度のアタックも感じます。
テイストも香りに近い感じで、アルコールによる押し出しと同時に、バニラとオレンジ系のテイストがやってきます。オイリーさも多少あり、オイリーさと合わせてビター感が押し寄せてくる感覚があります。そして最後はライのピリッと感。
万人受けする飲みやすさではないですが、個性豊かで良いウイスキーと思います。
■少量の加水
香り、テイストともにウッディーさが強調されました。その他の特徴が弱まった感覚があります。良くも悪くの、その他のバーボンウイスキーと共通したテイストに傾斜していく傾向にあります。
■トワイスアップ
酸っぱさと若干、苦味が増す傾向にあると思います。万人受けするような飲み方ではないのですが、バーボン特有の酸味が好きという方には良いかも知れないです。
■ロック
美味しいです。ストレートと比較して、舌触りはまったり。その他の要素も角が取れて楽しく味わえます。コク、甘さ、ビターさ、そしてライのキレの良さをバランス良く感じれます。
■ハイボール
最初は、バーボンを感じ、その後一気にキレ上がるハイボールです。スパッと切れ上がります。食事にも十分合わせられます。優秀です。
以上、本日は伝統のバーボンを重んじるワイルドターキー蒸留所が造る、『ワイルドターキー8年』を見て、飲んでみました。是非、伝統的なバーボンを味わってみて下さい。甘さ控えめで、食事とも合わせやすいですよ。