【1】フロム ザ バレルがどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
ウイスキー愛好家から絶大な支持を得る『フロム ザ バレル』。ハイボール人気ランキングで常に上位を誇るこのニッカウヰスキーの傑作は、なぜここまでウイスキー愛好家を魅了するのでしょうか。今回は本銘柄の魅力と特徴についてみていきます。
フロム ザ バレルについて
『フロム ザ バレル』は、その名の通り樽出しに近い状態で瓶詰めされた、ブレンデッドウイスキーになります。アルコール度数は約51%と高めですが、この骨太なパンチ力がハイボールにした際に、最高のパフォーマンスを発揮していきます。
宮城峡蒸留所で造られたウイスキーをベースに、余市蒸留所や海外ウイスキー等で構成されており、複数のウイスキーをブレンドした後、再度樽に戻して数ヶ月間熟成させるという、マリッジ製法が採用されています。この再熟成の期間に、それぞれの原酒の個性がより深く結びつき、調和の取れたまろやかな味わいが生まれます。
最近では、この製法は多くのウイスキー造りで採用されてはいますが、宮城峡蒸留所が創り出す、繊細で華やかなウイスキーの良さと、ウッディーさや、軽いピートの心地よさ、バニラの深みのある味わい等が綺麗に調和しています。そして、ハイボールにした際に、華やかな味わいが開花します。まさに「パーフェクトハイボール」と呼ぶにふさわしい一杯です。ロックでゆっくりと味わえば、甘さから始まり、心地よいビターまで幅広く楽しめます。
中身だけでなく、ボトルにも拘りが詰まっています。数々のパッケージやロゴをデザインされた、デザイナーの佐藤卓氏が手がけた洗練されたボトルは、どんな空間にも自然に溶け込み、空き瓶の再利用まで考慮されているなど、細部にまで職人技が光ります。(私のお気に入りの活用方法は、花瓶替わりにして、花を生けます)
宮城峡蒸留所について
引用元:Destilería de whisky Nikka en Miyagikyo | Travel Japan (Organización Nacional de Turismo de Japón)
創業は1969年であり、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴氏が、スコッチの中でも華やかなウイスキーが多い、ローランドやハイランド系のウイスキーを目指して造った蒸留所になります。
場所は宮城県仙台市に位置し、竹鶴氏が華やかで酒質の軽いウイスキー造りに適した水が確保できる場所として選定しました。既に稼働していた『余市蒸留所』は力強く、ピートの効いたウイスキーを目指して造った蒸留所に対して、宮城峡蒸留所は繊細なウイスキーを目指して造られた為、同じニッカウヰスキーが保有する蒸留所ですが、全くウイスキーの作り方が異なります。
余市蒸留所と比較して、酒質が軽くなるように大きめのポットスチルを採用しており、繊細な味わいになるように、ポットスチルを加熱する際には、直火で行う余市蒸留所と異なる形式である、スチームで熱する間接加熱法を採用しています。是非、余市蒸留所が造るウイスキーと飲み比べて、ゆったりと大人の時間を満喫してみてください。
引用元:Destilería de whisky Nikka en Miyagikyo | Travel Japan (Organización Nacional de Turismo de Japón)
テイスティング
ハイボールが特に美味しいなと感じます。ただ、どの様な飲み方でも良い点は沢山あります。加水することで、フルーティーさが増してきますのでお試しあれ!
■ストレート
香りについては、濃いコクのあるバニラを感じます。ずっしりと構えている印象です。
テイストについても、しっかりコクのあるバニラです。加えて、焼き菓子の様なテイストも感じます。ブレンデッド(グレーンウイスキー)の要素は少なく、しっかりと個性を持っています。良い甘さが余韻として残ります。
■少量の加水
加水していくと、ストレートでは感じなかったフルーティーさが開花してきます。そして、まろやかな口当たりになるので、非常に魅力とポテンシャルを感じます。
■トワイスアップ
基本、少量の加水と同様です。加水の量は好み次第かとおもいますので、お好きな加水量を探してみるのも、本銘柄の醍醐味ですね。
■ロック
まろやかな甘さの中に、ビターさも良い塩梅で出てくるので、美味しいです。ある程度ビターさに慣れている必要はありそうです。
■ハイボール
宮城峡が持つであろうフルーティーさがありつつ、ウッディーさ、そしてビターさがバランスよく楽しめます。何かに突出しているわけではなく、バランスがよく、上品でありつつ、飲みごたえもあるという、なんとも絶妙な味わいです。