ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【アメリカン】ジャック ダニエル シングルバレルを飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】ジャック ダニエル シングルバレルがどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

  本日は、ジャックダニエルシリーズの傑作、『ジャック ダニエル シングルバレル』について見て、飲んでいきたいと思います。深いコクの中に、キャラメルとバニラの甘さが広がる絶品です。

 

ジャック ダニエル シングルバレルについて

ジャックダニエル シングルバレル 並行品 箱付き 47度 750ml

 バーボン樽から引き出された、上品なキャラメルとバニラの香りが口いっぱいに広がる、ジャックダニエル シリーズ上最高傑作というべき銘柄です。

 単に、キャラメルやバニラ香のウイスキーは他のバーボンでもありますが、本銘柄はテイストに言葉では表しにくいコクの深さがあり、このコクの深さが本銘柄を唯一無二な存在にしていると感じます。

 アメリカのバーボンの熟成には一般的に、『バレル』(約200㍑)と呼ばれる大きさの樽を使用します。通常のウイスキーはテイストを一定に保つために、複数バレルのウイスキーを合わせて、テイストを調整します。(ヴァッティング)

 一方、本銘柄は名前の通り、厳選された1つのバレルからのウイスキーをボトリングする為、樽ごとの個性を存分に楽しめ醍醐味があります。原則、本銘柄の香りや味の傾向は同じですが、買うボトルによって甘みが強かったり、若干スパイシーだったりと一期一会の出会いができます。

 また、ジャックダニエル蒸留所の熟成庫は高さがあり、高い位置で熟成された方が、気温の寒暖さが激しく熟成が早く進み、コクが出やすいと言われています。原則、本銘柄は最上階のバレルのものが使用される為、他シリーズと比較して深いコクを持っています。

 口に含むと、コーン由来の穀物の甘さの後、樽由来のキャラメルやバニラのテイストが深いコクと共にやってきます。そして最後はウッディーとスパイスさ。完成度の高さには驚かされます。

 

ジャックダニエル蒸留所について

 ジャックダニエル蒸留所はアメリカのテネシー州ムーア群リンチバーグに位置しております。創業者のジェスパー・N・ダニエルは1850年に貧困な家庭に生まれ、7歳の時に家族の友人に預けられることとなります。そして教会の牧師であり、蒸留所のオーナーであったダン・コールに雇われ『チャコールメローイング』によるウイスキー造りを習得していきます。1866年に20歳になったジャックは、アメリカ政府登録第一号となるジャックダニエル蒸留所を設立します。

 1904年にはOld No.7をセントルイス万国博覧会で出品し、世界各国のウイスキーで唯一金賞獲得し、世に知れ渡る事となります。しかし、その後の禁酒法時代により事実上の閉鎖に追い込まれ、後にブラウン・フォーマン株式会社に買収され、再開されて現在に至ります。

 ちなみに、テネシー州ムーア群は禁酒法時代の影響を現在でも受けており、Dry County(禁酒群)、要は酒類の販売が禁止されている地域の一つです。その為、ジャックダニエルを飲みたければ、ムーア群外で購入する必要があります。禁酒法前から蒸留所は存在していたので仕方ないのでしょうが、なんとも不思議な状況です。※蒸留所内のお店では購入できます。

 

テイスティング

 圧倒的にストレートがいいです!ナッツやチョコレートと共に、ちびちびやる。これがたまりません。

■ストレート

 香りはウッディーさが強めにやってきた後、奥に通常のジャックダニエルの面影を感じます。口に含むと、コーン由来の穀物の甘さの後、樽由来のキャラメルやバニラのテイストが深いコクと共にやってきます。そして最後はウッディーとスパイスさ。最後が辛い感じで終わるのが、飲み飽きなくてよりいいです。

 このコクが醍醐味なのですが、なんと表現すれば伝わるのかボキャブラリーに苦しんでいます。美味しい!!

 

■少量の加水

 これもありです。ビターさと甘さのコントラストが広がりを見せています。且つ、キャラメル感は気持ち前のめりになりました。

 

■トワイスアップ

 全体的に良さが半減します。どっちつかずなテイストです。飲み物としてはまずくはないです。

 

■ロック

 まったりして飲みやすいですし、美味しいんです。しかし、この銘柄じゃなくてもこの味は出せます。

 

■ハイボール

 甘さに加え、フルーティーな感じが表れてきて美味しいです。勿体ない気もしますが、楽しめます。

 

 以上、本日はジャック ダニエルシリーズの最高峰である『ジャックダニエル シングルバレル』について見て、飲んでみました。価格は決して安くないですが、完成度は非常に高く、一度は味わってみたい銘柄です。おそらくその後、バレルごとの違いを楽しみたく、無意識で定期的に購入してしまう罠が待ち構えているのですが...