【1】ジュラ(JURA)12年がどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
島民わずか150人強の島で造られているウイスキー、『ジュラ(JURA)12年』。ジュラ島はアイラ島と目と鼻の先の距離に位置し、アイラモルトとは差別化を図る為に軽い酒質を目指して造られました。それでは、本日は『ジュラ(JURA)12年』について、見て飲んでいきたいと思います。
ジュラ(JURA)12年について
引用元:Jura 12 Year Old Arrives In The US - SpiritedZine
『ジュラ(JURA)12年』が製造されている、ジュラ島はアイランズに分類され、本銘柄はアイランズモルトウイスキーとなります。アイランズモルトウイスキーといえば、タリスカーやレダイグといったピーティーでスパイシーな、島らしい個性を持ったウイスキーが有名です。一方、本銘柄はどちらかというとハイランド系のソフトで飲みやすい特徴を持った銘柄となっています。アイランズモルトウイスキーの詳細については以下リンクを参照ください。
chikurya-whisky-tokidokiwasyoku.com
使用される麦芽はノンピートであり、本銘柄については所謂、スモーキーさやピーティーさといったテイストは強くは感じません。まず香りとしては、バニラやハチミツの甘い香りの中に花のような香りも感じます。上品であり贅沢です。銘柄名が伏せられていると、ハイランド系の銘柄を答えてしまいそうになります。しかし、注意深く味わっていくと、潮やピートの香りを微かに感じる事ができます。またスパイスのような刺激とオイリーさを感じ、ハイランドにはない、唯一無二の存在であると気づきます。昔よりも、個性がはっきりしており魅力度も増しています。
アイル・オブ・ジュラ蒸留所について
引用元:Jura: l'île aux 30 000 fûts | La Presse
『アイル・オブ・ジュラ蒸留所』は、その名の通り、ジュラ島に位置する蒸留所になります。ジュラ島は以下の写真の通り、アイラ島の北東に位置します。
人口は約150人強の小さな島であり、『アイル・オブ・ジュラ蒸留所』は島民にとって重要な雇用先となっています。創業は1810年であり、当時は『スモールアイズ蒸留所』と呼ばれていました。スモールアイズ蒸留所時代、当時のオーナーであったファーガソン社と蒸留所の土地を保有する地主との間で、地代等のトラブルで対立し閉鎖されます。
しかし、当時から蒸留所は島の重要な雇用源であり、蒸留所を失うということは少ない人口を更に流出させることを意味しています。そこで、島民の雇用を守る為、ジュラ島の地主3名によって建設されたのが、現在の『アイル・オブ・ジュラ蒸留所』となっています。
酒質を決定する上でのコンセプトは『アイラモルトと差別化できるウイスキー』であり、軽く飲みやすい酒質を目指して製造されました。その為、ポットスチルのヘッドはグレンモーレンジィ蒸留所までは長くないものの、非常に長い形状となっています。
テイスティング
特にハイボールが美味しい銘柄です。加水量が多いと、軽い酒質の分バランスが崩れます。少量の加水は香りが華やかになります。ストレートもオイリーで香りも高く飲みやすいです。要は、加水量だけ気を付ければ、どのような飲み方でも美味しいです。
■ストレート
香りは非常にフローラルで良いです。若干オイリーで滑らかです。スイートですが潮気やスパイシーさを感じます。島民の努力を深く感じる高い品質です。酒質が軽く飲みやすいです。
■少量の加水
香りがより良くなりました。テイストも甘さがより増しました。100点!
■トワイスアップ
んー、バランスが崩れました。加水する場合は少量に留める必要がありそうですね。
■ロック
香りは控えめになり、スパイスな感じがぐっと全面にきました。後味は華やかです。良いです。スパイシーさがあまり好きでない方は、本飲み方は微妙かもしれません。
ロックよりも香りが良くなり、かつ爽やかでフローラルです。美味しい。夏には何杯でもいけそうです。
以上、本日はジュラ島唯一の蒸留所で造られる、『ジュラ12年』について見て飲んで見ました。昔のジュラよりも個性も魅力も増しています。常備していて損はない銘柄です。