【1】カナディアンクラブ12年がどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
カナディアンの最も有名な銘柄であり、国内でも『C.C(シーシー)』と呼ばれて昔から愛されている『カナディアンクラブ』。そのシリーズの中でも、本日はリッチでボディに厚みがあるのに、お手頃な価格で購入できる『カナディアンクラブ12年』になります。カナディアン入門には最適な1本です。
カナディアンクラブ12年について
『C.C(シーシー)』の愛称で呼ばれることが多く、それ位国内でも愛されている銘柄になります。カナディアンクラブシリーズは、ライ麦、ライ麦麦芽、大麦麦芽を原料毎に、別々に蒸留したフレーバリングウイスキーと、トウモロコシを主な原料として造られたベースウイスキーを熟成前にブレンドし、熟成庫で熟成して完成します。
本銘柄は12年以上オーク樽を使用して熟成されております。最初の6年間はカナディアンクラブのオーソドックスな方法で熟成され、残りの6年程はボディに厚みやリッチさを加える手法で実施されるそうです。おそらく、後半の6年においては、前半の熟成と比較して樽の焦がし具合を高めた樽を使用しているのではないかと思われます。
カナディアンクラブのスタンダートシリーズでは、アルコールの押し出しの強さがあったりしますが、本銘柄は大分ソフトに仕上がっており、アルコール感はあまり感じません。
また、樽由来であろう、砂糖を焦がした甘みや、バターを思わせるニュアンスがあります。ボトルにも、『with hints of BUTTERSCOTCH』と記載されています。しかし、最後はカナディアンであるという事を思い出させてくれるライのスパイシーで締まっていきます。
しっかりとした熟成感とリッチ感がありながら、3千円以内で購入する事ができる極めてポテンシャルの高い銘柄です。カナディアン好きはもちろん、バーボン好きからも支持されるであろう銘柄です。
ハイラム・ウォーカー蒸留所について
引用元:製品一覧 | カナディアンクラブ サントリー (suntory.co.jp)
1856年にハイラム・ウォーカーによって蒸留所が建設され、1958年より創業を開始します。ハイラム・ウォーカーは元々デトロイトで食料品店を経営していましたが、アメリカで禁酒法が施行されるのをチャンスと捉えてウイスキー造りに投資をした背景があります。カナディアン自体が禁酒法によって繁栄してきたのですが、その中でもいち早く行動にでたハイラム・ウォーカーの先見の明により現在の『カナディアンクラブ』の地位があります。
また、原材料がライ麦のウイスキーは、荒々しい印象が持たれていましたが、本銘柄は今までにない軽い飲み口で、且つ粗悪品しか出回っていないアメリカ市場において高品質な銘柄であり、瞬く間に支持されることとなります。当時はジェントルマンが集うクラブで最も支持されている銘柄の一つであり『クラブウイスキー』と呼ばれていました。しかし、アメリカの各種ウイスキー関係者の抗議等により、産地が明確に分かるようにするようにとの圧力がかかり、『カナディアンクラブ』と名称を変更しています。
日本に初めて輸入されたのが1909年(明治42)とのことで、比較的早い段階で輸入されている銘柄です。
テイスティング
どの飲み方でも美味しいですが、ストレート、ロック辺りが本銘柄が持つボディの厚みを楽しめると思います。
■ストレート
香りについては、軽やかであり、穀物系の香りは薄いように思います。オーク樽由来であろう、砂糖を焦がした甘みや、若干のバターを思わせるニュアンスがあり、バーボン系の要素も一部あります。
テイストについても香りから受ける印象と大きくずれはないです。トフィーを思わせる甘みとバーボン的なバニラ感。ライのキレもあり飲み飽きないです。良く出来ています。
■少量の加水
ストレートと比較して、オレンジの様な香りも追加されてきます。テイストについては、ほんの少し辛味が出てくるように感じます。
■トワイスアップ
香りが少し物足りなくはなりますが、総じて気軽に飲める印象です。ストレートをベースに柔らかくした味わいになります。食事と合わせやすい。
■ロック
焦がした砂糖の甘みと同時に、ライのドライさも強調されるので、テイストにより立体感がでてきます。
■ハイボール
美味しい!バーボンとは違った甘みを感じるハイボールです。キレも良いので、するする飲めてしまいます。
以上、本日はリッチでボディに厚みがあるのに、お手頃な価格で購入できる『カナディアンクラブ12年』でした。テイストはもちろん、価格も納得できる、良く出来た銘柄です。