ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【ジャパニーズ】ローヤルを飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】ローヤルがどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 本日はジャパニーズを代表する銘柄、『ローヤル』について見て飲んでいきます。日本人の為に造られた銘柄であり、情緒豊かで、リッチな味わいです。ボトルを見たことはあっても、飲んだ事が無い方も意外と多いのではないでしょうか。是非この機会に味わってみてください。

 

ローヤルについて

サントリー ローヤルカートン付 [ ウイスキー 日本 700ml ]

 サントリーローヤルは、サントリーの創業者である鳥井信治郎氏が手掛けた最後の銘柄になります。1960年の発売以降、高級ジャパニーズウイスキーの代名詞として認知され、高級クラブ等を中心に愛されてきたブレンデッドウイスキーです。

 位置づけとしては、丸いフォルムがかわいい、『サントリーオールド』の上位モデルとされ、今となっては、ある程度購入しやすい価格帯ですが、当時は相当高価なボトルでした。

 発売してからの年数が長く、ウイスキーが売れない時代からブームになっている時代までを歩んできた銘柄です。ウイスキーが売れない時代には長期熟成された原酒が使用されたりもしてきました。その為、年代別のオールドボトルを購入し、テイストの違いを楽しめるのも本銘柄の醍醐味だと思います。特に1990年代頃からは長期熟成の原酒が使用されている為、より深みのある味わいです。

 しかし、年代による差はあれど、一貫していることはリッチで濃厚なドライフルーツと青りんご系の華やかな香り、バランスがよい甘みとドライフルーツのテイストです。特に上品な甘みが特徴です。香りだけでも『良いウイスキー』と感じると思います。

 現在は、山崎蒸留所、白州蒸留所、知多蒸留所の原酒がブレンドされていますが、山崎蒸留所の原酒の影響が強いです。鳥井信治郎氏が本銘柄をブレンドする際、『桜が舞い散る』様子をイメージされたと言われています。情緒豊かで、リッチな味わい。日本人の心に染みる唯一無二な銘柄です。

 

上記のボトルがローヤルを象徴するものですが、スリムボトルも用意されています。

 

山崎蒸留所について

引用元:Basic Information|Suntory Yamazaki Distillery

 ウイスキー好きにとっては聖地と言える場所になります。JRの車窓から本蒸留所が見えた際には、ほっとした気持ちになります。

 本蒸留所は、1923年に建設を着手し、翌年の1924年に完成します。そして、1924年11月11日に蒸留を開始しました(所謂、日本のウイスキー元年)。スコットランドのハイランド地方の蒸留所をベンチマークにしている為、概ねハイランドの蒸留所と類似していたようです。その後、拡張や再設計が実施され、現在へと繋がっていきます。

 現在においては、蒸留所と街が一体化しており、どういった理由でこの地に蒸留所が建設されたのか疑問に思われる方も多いと思いますが、ウイスキー造りに適した気候(木津川、宇治川、桂川があり程よい湿気がある等)と上質な水があったからと言われています。特に水においては、千利休が山崎屋敷をかまえて、豊臣秀吉の為にお茶を点てたのが、この山崎の水でした。また、この水は当時のスコットランドからもお墨付きを得た品質でした。

 これらの上質な環境下で、発酵槽から、ポットスチル、蒸留形式も異なる方法を多数組み合わせて世界に類がない程の、多彩な原酒造りを行っています。そしてこの原酒が複雑なテイストを生み出していきます。


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テイスティング

 

■ストレート

 ストレートで飲むことを想定されていないかもしれませんが、十分なリッチ感と奥行きがあり楽しめます。香りはレーズンやベリーのようなニュアンスが主体ですが、青りんご系のフレッシュさもあります。

 テイストについては、ラムレーズン系のとろっとした甘みが主体であり、後半はほんの少し、軽い渋みとレーズンの余韻があります。飲みやすく、とてもリッチです。

 

■少量の加水

 それほどストレートからの変化は無い様に思います。 

 

■トワイスアップ

 甘みの部分が全体的ふわっと広がるので、飲みやすいです。氷を入れても常温でも美味しく飲めると思います。食事にも合わせやすいと思います。

 

■ロック

 冷やすと甘みは少し落ち着いてくるのですが、バーボン樽系の甘みも感じるようになります。ローヤルはおそらく発売した時代背景的に、ロックや水割りで飲むことを想定していたと思われます。その期待を裏切らない安定さがあります。食中よりかは、食後に味わう方がお勧めです。

 

■ハイボール

 合います。華やかさとレーズン系のフルーティさ等があります。ロック同様、しっかりとした甘みがあるので食後に飲むのがメインになると思います。

 

 以上、本日はジャパニーズの誇るべき銘柄『ローヤル』でした。昔バーでご年配の方から『ローヤルだけは家に置いておけよ』と言われたのを思い出します。当時は理解できなかったのですが、今ならその意味が少しは分かる気がします。

 


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※当時の時代的表現が含まれます。

 

 
 ローヤルが好みの場合は、次はバランタイン17年やシーバスリーガル18年あたりを試してみると良いかと思います。少し系統は異なりますが、幅が広がると思いますし、楽しめると思います。