ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【アイリッシュ】ジェムソン IPAエディションを飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】ジェムソン IPAエディションがどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 アイリッシュでは圧倒的知名度を誇る、ジェムソンシリーズ。その中でも、特にクラフトビール好きから支持されている『ジェムソン IPAエディション』を飲んでいきます。IPAを熟成させた樽を一部熟成時に使用しており、ホップの要素を味わえます。

 

ジェムソン IPAエディションについて

アイリッシュウイスキー ジェムソン カスクメイツ IPAカスク 700ml 40度 正規品 アイルランド アイリッシュ ブレンデッド ウイスキー

 アイリッシュで最も知名度がある『ジェムソンシリーズ』の中でも、IPA(ペールエール)の樽でジェムソンをフィニッシュさせた銘柄になります。

 IPAとは、ホップを沢山使用したビールであり、ホップのフルーティーさと爽快感、そして強い苦みがあるのが特徴です。(最近は色々なクラフトビールがあるので、特徴は一言で表現できなくなってはいますが。)

 本銘柄は、アイルランドのクラフトビール蒸留所とコラボし、ジェムソンを熟成した樽で、IPAを熟成させ、更にその樽でジェムソンを熟成(フィニッシュ)させています。ちなみに、一般的にIPAは18世紀にイギリスからインドに持ち込まれた『India Pale Ale』を意味すことが多いですが、本銘柄のIPAは『Irish Pale Ale』を意味します。ここからも、プライドを感じます。

 あくまでフィニッシュのみにIPAの熟成樽を使用しているので、メインは通常銘柄のジェムソン・スタンダードの特徴を踏襲しています。

 香りはアイリッシュらしいユーカリ油等のオイリーさがあり、ホップの成分がある分、スタンダードよりもフルーティーさを感じるように思います。シトラス、グレープフルーツ、ホップの華やかさがあります。ホップの苦味の要素は私は少ししか感じないです。

 テイストもジェムソンらしいグレープフルーツ系と軽いカスタード等がベースになっていますが、香り以上にホップの要素を感じる事ができます。香りでは感じ取りにくかったホップの苦味もジェムソンのオイリーに乗ってやってきます。

 あまり注目されていない銘柄ですが、価格は妥当であり、楽しめる銘柄だと思います。ただし、注意点としてビールのIPA(強烈な苦味)をイメージしていると外れと感じる場合がありますので、あくまでもジェムソンがベースであることを理解したうえで購入することをお勧めします。

ミドルトン蒸留所について

引用元:Jameson Distillery Midleton - All You Need to Know BEFORE You Go (tripadvisor.com)

 1966年にジェムソン社とその他2社が合併して造られたのが本蒸留所です。流石、アイリッシュのグローバルシェアが70%を超えているだけあり、非常に規模が大きいことでも有名です。

 割りと最近に建てられた蒸留所なのかと思われるかもしれませんが、本蒸留所の前身は1825年に創業を開始した旧ミドルトン蒸留所であり、現在は博物館として使用されています。(上記の写真)また、周辺も観光地化しており楽しめる街並みとなっています。

 本蒸留所はアイリッシュの伝統をどの蒸留所よりも大切にしており、アイリッシュ特有のオイリーさと酒質の軽さを追求した『シングルポットスチルウイスキー』を丁寧に製造しています。

 本蒸留所が造るウイスキーとしては、今回の主題になっている『ジェムソン』はもちろんの事、『レッドブレスト』や『グリーンスポット』等があり、国内においては決して知名度は高くないですが、堅実で伝統的なウイスキーの製造をされています。以下、参考にリンクを添付します。

 

テイスティング

 他のジェムソン同様、加水することで、個性が出てくる傾向にありそうです。個人的にはロック、またはハイボールが好みです。

 

■ストレート

 香りは、ユーカリ油等のオイリーさがあり、ジェムソンらしい、シトラス、グレープフルーツ、そして本銘柄特有のホップの華やかさがあります。ホップの苦味は、ほんのかすかに感じるか感じないか程度です。

 テイストは香りよりもIPAの要素が感じられます。ジェムソンらしい、グレープフルーツ、少量のクリーム要素、シトラス、そしてホップのフルーティーさと若干の苦味。コンテンツは豊富です。少しアルコールの粗い刺激はあります。

  ジェムソンらしさを維持したまま、ホップの要素が組み込まれているのが本銘柄の魅力ではないかと感じます。これよりもホップ要素が多いとジェムソンとしてのバランスが崩れるのかな?と想像します。

 

■少量の加水

 加水すると、ホップの苦味をより感じるようになります。まったりはしますが、苦味が強くなるので、飲みやすいというよりかは、より個性が出てきた、といった印象を持ちます。本銘柄の特徴を楽しむには良い飲み方に思います。

 

■トワイスアップ

 悪くはないのですが、IPAエディションの特徴を感じたいと思った場合には、気の抜けた、薄いビールを私はイメージしてしまいました。

 

■ロック

 飲み口はストレートと比較して、ドライになるように思います。そして余韻にホップらしい要素が分かりやすく出てきます。アイリッシュのとろっとした感じも出てくるので、この飲み方が私は一番気に入ってます。ジェムソンらしい、アルコールの粗い刺激は少しはあります。それが飲みごたえがあるという見方もできます。

 

■ハイボール

 ジェムソンのハイボールとしてのポテンシャルの高さを維持しつつ、ビールの後味があり、とても美味しいです。IPAという名前がついているので、そこを意識してしまうと、苦味が弱い等のネガティブ評価になってしまいますが、ビールの要素があるウイスキーと捉えると存分に楽しめます。

 

 以上、本日はジェムソンのIPAエディションについて見てみました。今回のIPAエディション気になる方は是非。個性があってよい銘柄です。

 
 ただ、ビールの要素をより求めるのであれば、まずは『スタウトエディション』をお勧めします。こちらの銘柄の方が、よりビール感を理解しやすいです。