【1】アイラミスト8年がどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
ラフロイグをキーモルトとして、ブレンドされた『アイラミスト8年』。しっかりとラフロイグの魅力を引継ぎながら、飲みやすくブレンドされており、価格帯も魅力的です。本日は、アイラ系のウイスキーを好まれる方必見、『アイラミスト8年』を見て、飲んでいきます。
アイラミスト8年について
アイラ・シングルモルトのラフロイグをキーモルトとし、多くの方にとって飲みやすいようにブレンドされたスコッチ・ブレンデッドウイスキーになります。
ラフロイグ以外にブレンドされている主な銘柄は、香りが良いグレンリベット、グレン・グラント等になります。とは言っても、一口飲めば、『キーモルトはラフロイグだな!』と分かる位には、ラフロイグの存在感を感じます。
ラフロイグ好きの方が飲まれる場合が多いと思いますので、ラフロイグ10年と比較すると、本銘柄はラフロイグよりもボディーは軽めで、ピート・ヨードの存在感は60%程度と感じます。その為、ストレートや加水では特に飲みやすく、価格帯を考えると常用しやすい銘柄です。また、アイラ系ファンでなくても、飲みやすいグレンリベットがブレンドされているので、ウイスキーに華やかさを求める方でも、飲み方次第では十分楽しめると思います。
ラフロイグ蒸留所について
引用元:Vinspire (vinspireuk.com)
ラフロイグ蒸留所はアイラ島の南に位置し、アードベッグ蒸留所、ラガヴーリン蒸留所が近くにあります。
蒸留所の建物もそこから見える景色も美しく、将来はこの地でのんびりウイスキー片手に読書して過ごしたいなぁと思える位です。フロアモルティングを行う数少ない蒸留所の一つであり、その光景もまた情緒的です。
蒸留所は1815年にドナルドとアレクサンダーの兄弟によって設立され1954年までファミリー経営がされていました。1954年頃、ラフロイグの販売権はラガヴーリン蒸留所に勤めるピーターが持っていましたが、一族の最後の末裔であるイアンが販権を無理やり奪取します。怒ったピーターは、『ラフロイグと同じウイスキーを造ってやる』と蒸留所を設立します。これが、モルトミル蒸留所です。※モルトミル蒸留所は1962年に閉鎖
イアンの死後、ラフロイグ蒸留所は彼の右腕的存在のベッシーに引き継がれます。当時では珍しい、女性蒸留所所長でこの当時にラフロイグは大きく飛躍します。そして、その後様々なオーナーを経て、現在はビームサントリーがオーナーとなっています。
テイスティング
ラフロイグの特徴を持ち、グレンリベットの香りも楽しめる飲みやすい銘柄になります。ストレート~少量の加水が、香り・テイスト共に特に楽しめると思います。
■ストレート
ラフロイグ特有のヨード香を感じつつ、グレンリベット、グレン・グラントの上品で軽めの華やかな香りも奥で感じます。アルコールの刺激は大分抑えられているので純粋に香りを存分に楽しめます。
口に含むと、テイストはスペイサイド系の華やかな洋ナシや青りんごがベースですが、ラフロイグがふわっと通り過ぎていきます。そして最後はすっきりしたスモークさで締まります。ストレートでも飲みやすいです。
■少量の加水
少量の加水を行う事で、ヨード感が若干ですが強調されるようになりました。アイラ系が好きな方はこの飲み方が好まれるかもしれません。
■トワイスアップ
ここまで加水すると、次はスペイサイドの特性が強調されてきました。香りは青りんごのようで、テイストはハチミツのような自然な甘さが緩やかに顔を出してきました。
■ロック
かなりグレンリベットに近づいていきます。余韻は軽いラフロイグです。
■ハイボール
香りが華やかなスペイサイドハイボールです。ヨード感、ピート感はほぼ薄れてしまいます。
以上、本日は『ラフロイグ』をベースに、飲みやすくした『アイラミスト8年』を見て飲んでみました。飲み方次第で、スペイサイドの特徴もアイラの特徴も顔を出す、楽しいブレンデッドウイスキーです。