【1】カナディアンクラブ ブラックラベルがどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
カナディアンの最も有名な銘柄であり、国内でも『C.C(シーシー)』と呼ばれて昔から愛されている『カナディアンクラブ』。そのシリーズの中でも、日本向けに造られた銘柄『カナディアンクラブ ブラックラベル』について飲んでいきます。和食を中心とした繊細な食事と合わせる事を前提に造られており、水割りやハイボールが特に美味しいです。
カナディアンクラブ ブラックラベルについて
『C.C(シーシー)』の愛称で呼ばれることが多く、それ位国内でも愛されている銘柄になります。カナディアンクラブシリーズは、ライ麦、ライ麦麦芽、大麦麦芽を原料毎に、別々に蒸留したフレーバリングウイスキーと、トウモロコシを主な原料として造られたベースウイスキーを熟成前にブレンドし、熟成庫で熟成して完成します。
カナディアンクラブシリーズの中でも、本銘柄は和食を中心とした繊細な食事と合わせる事を前提に造られた銘柄であり、水割りやハイボールで飲んだ際に、本領を発揮できるようにチューニングされていると想定します。
原材料は、オーソドックスなカナディアンウイスキー銘柄同様、ライ比率が高く、ライ麦特有の『ピリッ』した爽快感の中にバニラや柑橘系の甘さもあり調和が取れております。熟成の年数表記はないですが、8年以上オーク樽で熟成されており、通常のカナディアンクラブと比較して熟成期間が2年程長いことになります。その為、通常銘柄と比較してコクと奥深さが増しています。
今流行りの、分かりやすい華やかさや強烈な個性を持った銘柄ではないですが、安定して食事と合わせて楽しめる落ち着いた銘柄です。キレもよいので、ハイボールでは特に映えると思います。
ハイラム・ウォーカー蒸留所について
引用元:製品一覧 | カナディアンクラブ サントリー (suntory.co.jp)
1856年にハイラム・ウォーカーによって蒸留所が建設され、1958年より創業を開始します。ハイラム・ウォーカーは元々デトロイトで食料品店を経営していましたが、アメリカで禁酒法が施行されるのをチャンスと捉えてウイスキー造りに投資をした背景があります。カナディアン自体が禁酒法によって繁栄してきたのですが、その中でもいち早く行動にでたハイラム・ウォーカーの先見の明により現在の『カナディアンクラブ』の地位があります。
また、原材料がライ麦のウイスキーは、荒々しい印象が持たれていましたが、本銘柄は今までにない軽い飲み口で、且つ粗悪品しか出回っていないアメリカ市場において高品質な銘柄であり、瞬く間に支持されることとなります。当時はジェントルマンが集うクラブで最も支持されている銘柄の一つであり『クラブウイスキー』と呼ばれていました。しかし、アメリカの各種ウイスキー関係者の抗議等により、産地が明確に分かるようにするようにとの圧力がかかり、『カナディアンクラブ』と名称を変更しています。
日本に初めて輸入されたのが1909年(明治42)とのことで、比較的早い段階で輸入されている銘柄です。
テイスティング
カナディアンクラブシリーズは、水割り、炭酸水割りで本領を発揮すると思います。食事のお供に是非。落ち着いた上品な味わいです。
■ストレート
香りについてはカナディアンクラブらしい、バニラ系の甘みとオレンジ系の柑橘です。年数表記はない銘柄ですが、8年以上熟成された原酒が使用されている為、通常のカナディアンクラブと比較して落ち着きがあります。
テイストは、全体的に通常銘柄と比較してボディの厚み、コクが足されており、飲みごたえが増していますが、ライのキレも効いているので、さらっと飲める印象です。甘味と口当たりのバランスが良いです。
■少量の加水
香り、テイスト共に幅が広がっていきます。柑橘要素も広がるので、ストレートと比較して、より楽しめるように感じます。少し、アルコール感は目立ってきます。
■トワイスアップ
本領を発揮してきます。カナディアンクラブ銘柄自体が、水や炭酸水で割る事を想定して造られているので、映えます。優しく自然な穀物の甘みも出てくるので、食事と合わせやすそうです。常温水でも、氷を入れて冷やしてもGood!
■ロック
カナディアンですが、ボディはしっかり厚みが出てきます。また、樽の甘みをより感じます。しかし、全体的にライトな口当たりで、ライのキレがしっかり効いているので、気軽に飲み進められます。
■ハイボール
ふくよかな甘みとオレンジ香る、ハイボール。華やかでキレが良いです。飲みやすくて、心地よいです。
以上、本日はカナディアンクラブの中でも、日本向けに造られた銘柄『カナディアンクラブ ブラックラベル』を飲んでみました。しっかりと上品さと飲みやすさを兼ね備えたバランスに優れた銘柄です。