【1】ベイゼル ヘイデンがどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
本日はビームサントリー社が手掛けるクラフトバーボンの一つ、『ベイゼル ヘイデン』について見て飲んでいきます。ライの香ばしさやスパイシーさを感じつつ、上品な甘みと口当たりを感じる、上質なバーボンです。
ベイゼル ヘイデンについて
ベイゼル ヘイデンはビームサントリー社が手掛けるクラフトバーボンの一つになります。また、バーボンを代表する銘柄の一つであるオールドグランダッドの実質上位銘柄になります。
クラフトバーボンは概ね、濃くて甘めのテイストとアルコール度数を高めた厚みのあるボディが多いですが、本銘柄は比較的対極にポジショニングされます。アルコール度数は40%とバーボンにしては、低めに設定されています。更に、原材料にライ麦を多く使用し、温度変化の少ない熟成棚の最下段にて、8年以上の長い年数をかけてゆっくり熟成がされます。
比較的穏やかな環境で熟成されることで、ライ麦のドライでスパイシーなテイストを感じながらも、口当たりは滑らか且つ、華やかです。アルコール度数が低めに設定されているので、初心者にも飲みやすいという見方もできますが、私はある程度のバーボンを飲んできた方向けの銘柄としてお勧めします。
一般的にバーボンの入り口は、力強さと甘みを備えた銘柄になると思います。そしてそれらの傾向を好む方にとっては、本銘柄は個性が弱く、物足りなさを感じてしまいます。
しかし、ある程度バーボン経験値が蓄積されてくると、バーボンにも広い個性があり、穏やかな銘柄もあるのだと分かるようになってきます。その段階で、本銘柄を飲んでみると、極めて良質な銘柄であることが分かると思います。詳しくはテイスティングにてご紹介します。
ジムビーム蒸留所について
引用元:Jim Beam Distillery - Whisky.com
おそらく多くの方が一度は聞いたことがるウイスキーであり、蒸留所名にもなっている『ジムビーム』。バーボンウイスキー世界売上No1.であり2014年にサントリーホールディングスが1兆7千億円弱で買収したニュースは当時大きく取り上げられました。流石サントリー。ジャパニーズ、スコッチ、アリッシュ、そしてバーボンと幅広く勢力を拡大しています。
サントリーが現代的なCMを沢山放映しているので、比較的新しい蒸留所なのかな?と思われる方も多いかも知れませんが、本蒸留所の歴史は古く、200年以上前の1795年頃にはウイスキー造りを既に行っていたと言われています。本蒸留所はアメリカ最古の蒸留所である『バッファロートレース蒸留所』と共に、バーボンウイスキーの基礎を作ってきたと言っても過言ではありません。
創業者は18世紀にドイツからアメリカに移住したヨハネス・ヤーコブ・ベーム氏です。本蒸留所からリリースされるウイスキーブランド名には蒸留所歴代オーナーの名前が採用されるケースが多く、例えば、4代目のジェームス・B・ビーム氏から、『ジムビーム』。6代目のブッカー・ノー氏から『ブッカーズ』と名付けられました。
テイスティング
どの飲み方でもそれぞれに個性があって甲乙つけ難いです。特にお勧めの飲み方は少量の加水、ハイボールです。
■ストレート
まず、香りについては、上品に穏やかに香ってきます。メインはナッツの様な木の実が優勢であり、そこにバーボンらしいハチミツ、バニラ、樽香等になります。全体的にバーボンとしては穏やかな香り立ちです。
テイストについては、ライ麦比率は高いですが甘みが口に広がります。柔らかい口当たりであり、クリアな余韻です。後半から余韻はスパイシーでありライの影響を多分にうけていそうです。その他、柑橘系のさっぱりさと苦味もありそうです。ストレートでも比較的飲みやすいです。
■少量の加水
加水する事で、より楽しめるのも本銘柄の魅力です。加水する事で、ストレートと比較して香り立ちが良くなるので、楽しめる幅が広がる傾向にあります。公式でも加水はお勧めの飲み方として推されています。
■トワイスアップ
ここまで加水しても、美味しいです。ライ麦らしいドライ&スパイシーが目立つようになるので、ストレートとはまた違った味わいを楽しめます。
■ロック
冷静に、ライのスパイシーさと本銘柄の甘みを味わえます。はっきりとスパイシーさと甘みの境界が分かるように感じます。
■ハイボール
すごく美味しいです。ライ系ウイスキーはハイボールにすることでキレが良くなるのでシーンを選ばず飲める傾向にあります。また、優しい甘みと香りが口いっぱいにゆったりと広がっていきます。