ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【スコッチ】オールドプルトニー シングルカスクを飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】オールドプルトニー シングルカスクがどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 スイートでスムーズでそして潮気を感じる個性的な銘柄『オールドプルトニー』。海の幸と合わせて飲むと、より楽しめる銘柄です。今回はそのシングルカスクバージョンであり、状態のよい樽(カスク)からボトリングされた銘柄です。それでは、見て飲んでいきましょう。

 

オールドプルトニー シングルカスクについて

 プルトニー蒸留所が製造している、『オールドプルトニー シングルカスク』。基本的な香り・テイストはオールドプルトニー12年と同様の特徴となっています。本銘柄を詳しく知りたい方は以下を参照ください。

chikurya-whisky-tokidokiwasyoku.com

 その為、香りは青りんごのような華やかな中に、潮気と若干のバニラ香があります。バニラ香はバーボン樽由来のものです。そして、加水をしていくと徐々にバニラやメープルシロップの香りが開いてスイートに傾斜していきます。

 一方、テイストについては、香りから受ける印象よりはビターであり、口に含むとふわっとカスタードのような甘さが一瞬広がった後、ビターとスパイシーさが強くなり、最後に潮気をぐっと感じます。

 通常の銘柄とこのシングルカスクのテイストに関する一番違いは、潮気の前に来る甘さの種類だと思います。(これは個人的感想も大いに含んでいます) 通常銘柄は、フレッシュな青りんごの様な甘さなのに対して、本銘柄の『オールドプルトニー シングルカスク』はカスタードのような濃厚な甘さを感じます。その為、濃厚な甘さから潮気のギャップが大きくなる為、テイストの濃淡がはっきりし、これを口に含むと、それが脳で大量のドーパミンが放出されるという訳です。一種の麻薬の様です。ストレートでも加水でも、ハイボールでも美味しいです。

 ただ、本銘柄は誰にでも良さが分かる銘柄というよりは、少なくとも『オールドプルトニー』シリーズを愛して止まない方向けの銘柄と思います。本ボトルは頂きものでしたが、美味しくて自分でも購入してしまいました。選んで頂き、プレゼント頂いた方に感謝です。流通量が限られているので、興味がある方は是非。

※数量が少ない為、売り切れていると表示されない可能性があります。その際は『オールドプルトニー シングルカスク2006』と検索してみください。
 

プルトニー蒸留所について

引用元:Old Pulteney Distillery – The Scotch Malt Whisky Society Australia (smws.com.au)

 ブリテン島の北端に位置する蒸留所であり、創業は1826年になります。本蒸留所があるウィック地域はウイスキーとニシンで成り立っていると言われる程、ウイスキー造りとニシン漁が盛んな地域でした。

 しかし、人が多くなるにつれて、飲酒に絡む犯罪やアルコール中毒者が増え、ウィック地域で独自に禁酒法が約25年間施行されます。(1922年~1947年) 産業の柱であるウイスキーがその地域で消費できないとなると、当然、プルトニー蒸留所の経営も厳しくなり操業停止に追い込まれます。その後、親会社がバランタイン、そして現在のインバーハウスとなっています。

 

引用元:Old Pulteney Distillery – The Scotch Malt Whisky Society Australia (smws.com.au)

 本蒸留所の際立った特徴は、ポットスチルの面白い形状にあります。まず、本銘柄のボトルデザインにもなっている釜部分のくびれがはっきりとあるポットを採用しています。

 そして、ラインアームと呼ばれる蒸気を冷却器に送る、ポットスチルの上段部分が他の蒸留所では無いような形状、具体的には横についている事が上記写真から分かります。これは、注文したポットスチルが建物の高さに合わず、途中で切断して横に溶接して付けたことによります。

 日本人からすると、『そんなことある?!』と思ってしまいますが、計算ミスのおかげで、オイリーでスイートでそして潮気を感じる美味しい本銘柄と出会えているので、ウイスキー造りとは面白いものです。

 

テイスティング

 ストレート~加水の味の変化を楽しむ、またはハイボールが良いです。本日は金曜日ですが、1週間の仕事終わりにふさわしい味わいです。

■ストレート

 香りはフレッシュさとオイリーさと時々、潮気です。口に含むと、濃厚なカスタードに近い甘さから潮気へいっきにスプラッシュ!!このギャップ。ドーパミンぷしゅー--!!!

 

■少量の加水

 甘さと潮気にエッジが効きました。辛さも潮気の前に追加されたので、ドーパミンがリズムを刻みます。

 

■トワイスアップ

 潮気のある、軽いけれどでもなんとなく濃厚なウイスキーです。アルコール度数が53%あるのも楽しめる要素ですね。

 

■ロック

 この飲み方は『オールドプルトニー12年』に近い味わいになります。ただ、12年よりは潮気の余韻が長いように感じます。(飲み比べていないので気のせいかも)

 

■ハイボール

 白州が『森薫るハイボール』と言うのであれば、こちらは『潮風薫るハイボール』です。優しく、でもしっかりと印象は残していく上品なハイボールです。セロトニンが出ているのが分かります。

 

 以上、本日は『オールドプルトニー シングルカスク』を飲むでした。もう1本購入しようか悩んでいます。安くはないので、1時間程度悩んでみます。

※数量が少ない為、売り切れていると表示されない可能性があります。その際は『オールドプルトニー シングルカスク2006』と検索してみください。