ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【スコッチ】オールドプルトニー12年を飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】オールドプルトニー12年がどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 海の幸と合わせて飲むと、最高においしい『オールドプルトニー12年』。スイートでスムーズでそして潮気を感じる個性的な本銘柄。それでは、見て飲んでいきましょう。

 

オールドプルトニー12年について

オールドプルトニー12年 700ml 40% [並行輸入品]

 

 『海の幸と合わせて飲む際に、おすすめのスコッチは?』と聞かれると、『オールドプルトニー12年』と答えます。スイートでスムーズ、でもオイリーで、且つ爽快な潮気を感じる事ができます。

 蒸留所の場所は、ハイランド地方の北端に位置し、かつて漁業(ニシン漁業)が盛んな地域でした。その為、海の幸と合わせる事を前提に造られており、ストレートで飲んでも、加水しても、そしてハイボールでも良く合います。特にハイボールにする事で、ドライな飲み口になり、そして甘みと潮気は良い具合で存在するので海鮮系の食事との相性が抜群です。

 香りは青りんごのような華やかな中に、潮気と若干のバニラ香があります。そして、加水をしていくと徐々にバニラやメープルシロップの香りが開いてスイートに傾斜していきます。

 一方、テイストについては、香りから受ける印象よりはビターであり、口に含むとふわっとフレッシュな甘さが一瞬広がった後、ビターとスパイシーさが強くなり、最後に潮気をぐっと感じます。他の、ウイスキーでも潮気を感じる事はできますが、本銘柄のオイリーさと相まって、潮気は言葉での表現は難しいですが特有かつ、飲んだ人を魅了するものになっています。

 

プルトニー蒸留所について

引用元:Old Pulteney Distillery – The Scotch Malt Whisky Society Australia (smws.com.au)

 ブリテン島の北端に位置する蒸留所であり、創業は1826年になります。本蒸留所があるウィック地域はウイスキーとニシンで成り立っていると言われる程、ウイスキー造りとニシン漁が盛んな地域でした。

 しかし、人が多くなるにつれて、飲酒に絡む犯罪やアルコール中毒者が増え、ウィック地域で独自に禁酒法が約25年間施行されます。(1922年~1947年) 産業の柱であるウイスキーがその地域で消費できないとなると、当然、プルトニー蒸留所の経営も厳しくなり操業停止に追い込まれます。その後、親会社がバランタイン、そして現在のインバーハウスとなっています。

 

引用元:Old Pulteney Distillery – The Scotch Malt Whisky Society Australia (smws.com.au)

 本蒸留所の際立った特徴は、ポットスチルの面白い形状にあります。まず、本銘柄のボトルデザインにもなっている釜部分のくびれがはっきりとあるポットを採用しています。

 そして、ラインアームと呼ばれる蒸気を冷却器に送る、ポットスチルの上段部分が他の蒸留所では無いような形状、具体的には横についている事が上記写真から分かります。これは、注文したポットスチルが建物の高さに合わず、途中で切断して横に溶接して付けたことによります。

 日本人からすると、『そんなことある?!』と思ってしまいますが、計算ミスのおかげで、オイリーでスイートでそして潮気を感じる美味しい本銘柄と出会えているので、ウイスキー造りとは面白いものです。

 

テイスティング

 食事に合わせるのであれば、ハイボール。食後に楽しむのであれば、ストレートか少量の加水がおすすめです。私はもっぱらお刺身とハイボールで楽しみます。

■ストレート

 香りは青りんご系のフレッシュさがあります。潮の香りも感じ取れます。一方、口に含むとスイートさよりは、ビターさスパイシーさ、潮気を長く感じます。香りから受ける印象よりはスパイシーよりですが、オイリーなウイスキーな為、飲みにくい感じは全くないです。奥に樽由来のバニラもかすかに感じますね。

 

■少量の加水

 ストレートと基本的に大きな変化はないですが、バニラやメープルシロップの香りが強くなります。そしてより、潮気を感じる事ができるので、口の中での味の変化を存分に味わいたい方は、ストレートよりもおすすめです。

 

■トワイスアップ

 ウイスキーが加水に耐えられなかった印象です。潮気も非常に中途半端です。

 

■ロック

 青りんごのようなフレッシュなフルーティーさが強調されました。スペイサイドの華やかなウイスキーを若干ビターにして潮気を足した感じです。食事よりはデザートと合うんじゃないでしょうか。 

 

■ハイボール

 香りは優しいフレッシュさ、テイストは若干ビターな中に、特有の潮気を感じれます。食事の邪魔をせず、でもハイボール単体でも楽しめる最高の1杯です。今日の晩御飯は本ハイボールと、鯛の刺身にしようと思います。

 

 以上、本日は海の幸と合わせて飲むと美味しい銘柄、『オールドプルトニー12年』について、見て飲んでみました。個性的ですが、多くの方に好かれるであろう銘柄です。