【1】バッファロートレースがどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
パッケージに描かれている、力強いバッファローの絵とは対照的に、中身はまろやかでスムーズな飲み口の『バッファロートレース』。本日は、少量生産(スモールバッチ)の本銘柄について、見て飲んでいきたいと思います。
バッファロートレースについて
バーボンでは珍しく、8年~12年長期熟成させた原酒の中から厳選してボトリングされた『バッファロートレース』。原材料の構成比率(マッシュビル)としては、コーン80%、ライ麦10%、大麦モルト10%程度となっており、他のバーボンと比較してコーンの割合が高くなっています。つまり、甘みとまろやかさが特に楽しめる銘柄という事になります。
また、熟成に使用される樽は他のバーボン同様、比較的へビリーチャー(良く焦がされた)樽が使用されており、本銘柄のビターさに繋がっていると思われます。一方で、バーボン!!というような主張はそれほど強くなく、コーンの甘さとまろやかさを上手く活かしながら完成されたプレミアムな銘柄です。バーボン感が強いのは苦手という方でも、本銘柄を飲んで頂くとバーボンに対する印象が変わる可能性を秘めている銘柄です。
本銘柄を口に含むとまずは、バニラ感や黒糖感を感じることができます。その後、かすかなミント感の後、ビターさがやってくるように感じます。まろやかさと複雑さと多重層感があって、なお価格は比較的リーズナブルという優秀な銘柄です。ロック~ハイボールがおすすめかなと思います。
バッファロートレース蒸留所について
引用元:The Chuck Cowdery Blog: Buffalo Trace Distillery Breaks Tourism Record, Launches New Web Site
バッファロートレース蒸留所は、アメリカで稼働する蒸留所の中では最古の蒸留所の一つであり、詳しい創業年数は明確になっていないですが、少なくとも1775年にはウイスキー造りは実施されていました。
本蒸留所の規模は大きく、本銘柄以外にも有名な銘柄と多数製造しています。有名どころをご紹介すると、『ブラントン』、『エンシェント』、『イーグルレア』等があり、どれも人気の高い銘柄です。規模が大きい為、原料の組み合わせのノウハウや、多種多様の原酒から選別や組み合わせる事が可能となっており、他の蒸留所では真似できないような、深みのあるプレミアムなバーボンを世に多く送り出しています。
余談ですが、ウイスキーはかつて医薬品として使用されていた経緯があります。アメリカ南北戦争時代には、消毒液や麻酔薬の代わりとして、禁酒法時代には心身症の症状を抑える為に、医師から処方されていたとか。特に禁酒法時代には、政府から指定された蒸留所のみ医薬品目的での製造が認められており、その一つが本蒸留所でした。
蒸留所見学では、医薬品で造れるライセンスを取得できた点を何度もガイドさんが説明されていて、『そこより推すポイントいっぱいあるのでは、、、』と心の中で思っていたのを思い出します。
テイスティング
■ストレート
香りはバーボンの香りです。当たり前ですが。しかし、他のバーボンと比較してバニラと甘さがあるように感じます。テイストとしては、少しアルコールのアタックが目立ちますが、バニラ感、コーンの甘さの後に、ミントの爽やかさ、そしてビター。深いです。少し渋さがあります。
■少量の加水
香りはより広がり、バニラと木の香りが出てきました。テイストは少しビターさが強調された印象です。僕は好きです。
■トワイスアップ
プレミアムなだけあり、トワイスアップでもバランスが崩れません。甘さも増しました。
■ロック
甘い!とろっとまろやかで美味しいです。この価格帯でこの味を提供できるのはすごいです。甘いですが、食事中にも合う自然な甘さです。
■ハイボール
爽やかで穀物の甘さもあり良い!これ以上余計に語ることはありません。
以上、本日は近年バーボンの価格も上がってきている中、品質が良く値段も比較的リーズナブルな『バッファロートレース』について見て飲んで見ました。コスパ良き、銘柄です。