【1】ザ・グレンリベット12年がどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
ついに、世界第1位のシングルモルトの販売数量の座に就いた『ザ・グレンリベット』。流石、世界1位というべき銘柄で、バランスが良く、香りも味も全て楽しめます。本日は、グレンリベットの中でもスタンダートな銘柄『ザ・グレンリベット12年』について見て飲んでいきたいと思います。
ザ・グレンリベット12年について
世界で最も飲まれているシングルモルトの『ザ・グレンリベット』。その中でも『ザ・グレンリベット12年』は最もスタンダートな銘柄であり、多くの人に愛されています。『ザ・グレンリベット12年』はスコッチシングルモルトに分類されれ、ハイランド地方のスペイサイドで造られています。
スペイサイドといえば、華やかでフローラルな銘柄が多いですが、本銘柄についても非常にフローラルで上品であり、香りをまず存分に楽しめるのが特徴です。
香りは柑橘系をベースとしており、その中にハチミツや梨のような上品な甘さを感じる事ができます。一方テイストは、優しい甘さだけでなく、ビターさがあり味の変化を存分に楽しませてくれます。仕込み水に、蒸留所近くのミネラルを多く含んだ硬水を使用しており、その為マイルドな飲み口となっています。
流石、世界から支持されているだけあり、どのような飲み方をしても楽しめ、バランスが崩れる事がないことも本銘柄の魅力です。
ザ・グレンリベット蒸留所について
引用元:The Glenlivet 12 – Diario del capitano
スコッチにとって17世紀~18世紀は苦悩の時代であり、スコッチウイスキーに不公平でかなり重い税金が掛けられていました。その重税を逃れる為、密造時代へと進み、1823年にようやく不公平な酒税法が改定され、密造時代が終了していきます。その際の政府公認蒸留所の第1号が、この『ザ・グレンリベット蒸留所』になります。密造時代について詳しく知りたい方は以下リンクを参照ください。
chikurya-whisky-tokidokiwasyoku.com
当時は多くの蒸留所で密造により法外な税金から逃れていたため、政府公認を取得しようとするグレンリベット蒸留所の動きは、大多数の蒸留所からは敵対視される行動でした。その為、創業者のジョージ・スミス氏は多くの人から命を狙われたそうです。その為、現在のグレンリベット蒸留所では当時、護身用で保持していた鉄砲が展示されています。
しかし、本銘柄のおいしさと品質は本物であり、一度政府公認されると、またたくまに『グレンリベット』と名乗る蒸留所が30以上出てきました。そして訴訟等により政府公認の蒸留所のみ定冠詞であるTheをつけてよい事となり、本蒸留所は『ザ・グレンリベット蒸留所』となりました。
本銘柄の最大のライバルは同じスペイサイドの『グレンフィディック』であり、オーナーであるペルノリカール社による巨額投資と主にマーケティング戦略の見直しがされ、2006年にマッカランを抜き、そして2014年には世界1位の販売数を誇るシングルモルトウイスキーとなりました。
テイスティング
結論、流石No1蒸留所が造る銘柄。どのような飲み方でもバランスが崩れません。トワイスアップでも十分楽しめる銘柄です。アロマが良いので、少量の加水が特にお勧めでしょうか。ハイボールもとても爽やかです。ロックもメリハリが明確で惹かれます。
■ストレート
みかん系の柑橘アロマの中に、梨とはちみつのような甘い香りを感じます。とてもいいです。香りだけで、満足します。テイストは、バニラとハチミツの甘い中に、柑橘系の皮のビターさがきます。ツンとデレ。使い分けが素晴らしい。後味は辛めです。
■少量の加水
香りにイチジク系が加わりました。そしてよりフローラルです。一方、テイストはほぼストレートと変化がなく甘さの中にビターさがあります。おいしいね。
■トワイスアップ
より優しい甘さになりました。食中酒としても邪魔にならない自然な甘さです。どのような樽で熟成されたのか垣間見える、樽の味もひそかにします。
■ロック
ビターさと甘さがはっきり区別されるようになりました。ビターが先に来た後、ふわっと甘さがやってきます。メリハリがあってこれも良し。グレンリベットの半分は優しさで出来ていることが明確に理解できました。
あ~!柑橘系の爽やかさがぐっときます。そしてほのかに香るハチミツ。美味しいです。上品で贅沢。
以上、本日はウイスキーを楽しむ方なら、一度は試して見たい銘柄、『グレンリベット12年』について見てみました。流石、世界1位になったシングルモルトです。是非、機会があれば試して見て下さい。