【1】ダルモア12年がどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方での筆者個人的感想が分かる
ボトルに雄鹿が大きく描かれているダルモア。その佇まいからも、『おそらく銘酒だな』と感じさせます。そんなハイランドの銘酒『ダルモア12年』について見て、飲んでいきたいと思います。
ダルモア12年について
『ダルモア』とはゲール語で”広大な草地”という意味であり、文字通りハイランドの自然豊かな土地で製造されています。ボトルに描かれている立派な角を持った雄鹿は、かつてのダルモア蒸留所のオーナーであった『マッケンジー家の紋章』になります。当時スコットランド国王であったアレキサンダー3世が、雄鹿の角で負傷した際に手助けしたのが”マッケンジー家”であり、謝意を込めてアレキサンダー3世より、この紋章を賜ったものになります。
重厚な佇まいから、味わいもかなり重く、飲む人を選ぶのではないか?といった印象を持たれる方も多いかもしれません。しかし、実際は華やかな柑橘系の香りとテイストでありそのギャップに驚かされます。香りはオレンジ系の甘い香りであり、加水することでよりふくよかで、ラムレーズンとオレンジの香りが立ってきます。ボディはリッチよりで、柑橘系とバニラの味わいがします。ただし、余韻はドライに切れる。
ダルモアシリーズの中で、一番購入しやすい価格帯、且つ北ハイランドの特徴が分かる銘柄です。
ダルモア蒸留所について
引用元:Our Collections | The Dalmore
ダルモア蒸留所は1839年に北ハイランドの地で創業されました。その後1867年にマッケンジー3兄弟によって買収され、以来同家が運営してきました。その為、ボトルにマッケンジー家の紋章である雄鹿が描かれています。19世紀中頃からホワイトマッカイの原酒で使用されるようになります。
その後第一次世界大戦により一時期は蒸留所が壊滅状態となりますが、復興を経てマッケンジー社とホワイトマッカイ社が合併します。しかし、その後1980年代に入るとオーナーが度々変わることとなります。オーナーがアメリカの会社であったり、欧州であったり、インドであったり、フィリピンであったり。その為、特に東南アジアでの売り上げが急拡大しています。日本では人気がかなりある状況ではないですが、根強いファンが多く、実際この銘酒の良さを一度知ったら離れられなくなります。
テイスティング
結論、ストレート、少量の加水が本銘柄の良さが一番理解できると思います。
■ストレート
華やかな柑橘系の香りをもっています。口に含むとオレンジとハーゲンダッツのラムレーズンのような味わいが広がります。その華やかさとは裏腹に、ボディは重く、且つ本当にアルコール度数40%かと疑う飲みごたえです。煙草や葉巻と合わしても味負けしないと思います。
■少量の加水
オレンジの香りが強くなりました。一方で、加水でまろやかになったかといえばそうではなく、すこしアルコールの辛味が強くなった気がします。ただ、ストレートと同様のテイストであり、申し分なく楽しめると思います。
■トワイスアップ
香りはあらゆる飲み方の中で一番よいのですが、テイストは国内の販売価格を加味するとダルモアじゃなくても良い気がしてしまいます。
■ロック
少し酸味が強くなり、柑橘系に加えバニラの味わいが濃くなる印象。
以上、本日はダルモアについて見てみました。葉巻、洋食等の濃いめの物と合わせても映える、安定した銘酒です。