【1】クラウン ローヤルがどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
本日は、カナディアンのプレミアムウイスキーの一つである、『クラウン ローヤル』になります。イギリス女王に献上された、格式高いウイスキーです。
クラウン ローヤルについて
ボトルは王冠の形をしており、当時のイギリス国王であった、ジョージ6世の妻であるエリザベス女王に献上されたのが本銘柄です。
カナダは、歴史的にもイギリスとの関係は深く、君主制を採用しており、現在もイギリス連邦の加盟国の一つとなります。つまり、カナダの君主は、イギリス国王となります。
1939年に当時のイギリス国王、ジョージ6世がカナダを訪問する際、献上酒として、カナダの大手シーグラム社が威信をかけて造ったウイスキーです。当時600~700種類ものブレンドを試作し最終的に本銘柄が誕生したと言われています。今となっては、広く販売されていますが、当時はごく少量生産で、限られたV.I.Pのみ嗜む事ができたそうです。
テイストについては、流石献上されたウイスキーと言った具合です。カナディアンらしい、ライの素朴でドライな印象を受けつつ、大麦のふくよかな甘みとオレンジピールのビターさ、上品な柔らかい樽の甘みが広がっていきます。
時代の流行に合わせるのではなく、どれだけ月日が経過しても、良いウイスキーと思われるように、当時試行錯誤され、完成したのかなと想像します。ウイスキー好きの方に、一度は味わって頂きたい銘柄の一つです。
ギムリ蒸留所について
引用元:Gimli Distillery - Whisky.com
現在、ディアジオ社が所有する蒸留所であり、カナディアンのベースとなる多種多様なウイスキーの製造が本蒸留所にて行われています。
操業は1968年となり、それ以前は別の蒸留所で製造されていましたが、ウイスキー需要の増加を受けて新たに製造された蒸留所です。写真の見た目から分かるように、蒸留所というよりも、工業プラントに近い建物で、24時間稼働できるキャパシティを保有しています。また、製造されるウイスキーの大半がクラウンローヤル用として使用されます。多くの種類のベースウイスキーを生産できるキャパがあるからこそ、クラウン ローヤルは深い上品な味わいを持っているのではないでしょうか。
テイスティング
オールラウンドで楽しめるので、どの飲み方が良いかを選べません。突出して良いのは、ロックでしょうか。上品さと飲みやすさを特に兼ね備えています。
■ストレート
香りはカナディアンらしい、気取らない良さがあります。大麦の柔らかい甘みを含んだ素朴さの中に、ライ麦のツンとした刺激と香ばしさがあります。全体的にマイルドです。
テイストについては、ダークなオレンジピールの苦味と共に、素材の穀物な甘みを緩やかに感じます。素朴な要素がメインですが、その中に微かに、樽の甘みやカスタードの様な雰囲気も上品に感じる事ができます。飲み始めは、格式の高さが分かりにくいのですが、じっくり味わっていくと上品な要素が垣間見えてきます。流石、王冠を背負う銘柄です。
■少量の加水
基本ストレートと同じ感じですが、ライのカナディアンらしさが強調されてくるように思います。ストレートか加水かは好み次第でしょう。私は甲乙つけがたいです。
■トワイスアップ
ライの荒い感じも見えてきます。この、荒さが好きなんだよ!と言う方もおられるのでそのような方には向いている飲み方です。私は、美味しく楽しめます。
■ロック
ストレートと基本同じ要素ですが、より複雑さが増します。これは、特に美味しいです。素朴でもあり、格式高くもある。飲み手次第で印象はがらりと変わりそうです。私は国王になった気分で、『苦しゅうない』と言ってしまいそうな位、満足です。(笑)
■ハイボール
素材の良さも分かる、キレの良いハイボールです。優しい甘みも感じます。気取る事がない、まっすぐに良いお酒です。