ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【グラスで育てる追熟体験】今夜、私のグラスは日本の美を纏う。新宮商行『Wood CHIPS-Mizunara』

 ストレートに数滴の水を落とし、華やかなアロマをひらく。あるいは氷を溶かし、まろやかな変化を愛おしむ。 そんな風にグラスの中で自分好みの味を『育てる』時間は、何にも代えがたい贅沢です。

 もし、そのグラスに『歴史ある老舗が紡ぐ職人の技』を直接浮かべることができるとしたらどうでしょうか。

 今回ご紹介するのは、自宅にいながらわずか数分で極上の“追熟”を愉しめる逸品、株式会社新宮商行の『Wood CHIPS-Mizunara(ウッドチップス ミズナラ)』です。

 

世界が熱狂するミズナラ(ジャパニーズオーク)

 ウイスキーの熟成において、いまや世界中のブレンダーや愛好家から羨望の眼差しを向けられる木材があります。それが、日本固有の種である『ミズナラ(ジャパニーズオーク)』です。

 かつては加工の難しさから樽材には不向きとされていましたが、日本の職人たちの飽くなき挑戦により、その真価が開花しました。一般的に、ミズナラ樽で長期熟成されたお酒は、スコッチなどの伝統的なオーク樽にはない、『白檀(ビャクダン)や伽羅(キャラ)といった神社仏閣を思わせるオリエンタルな香木香』や、『ココナッツのようなほのかな甘い余韻』を纏います。この唯一無二の気品あるフレーバーこそが、世界中のウイスキーファンを虜にしている理由なのです。

 そのため、近年ではジャパニーズウイスキーだけでなく、本場スコッチでも原酒の一部にミズナラ樽を使用したボトルが数多くリリースされています。

 

 明治39年(1906年)の創業以来、北海道の広大な森と向き合い続けてきた老舗・株式会社新宮商行がこの『Wood CHIPS-Mizunara』に選んだのは、北の大地の大自然が歳月をかけてゆっくりと育て上げた、極上の天然ミズナラ無垢材です。

 精密な木製品の製造過程で生じる貴重な材を、最後の一片まで大切に活かしきりたい―そんな職人のリスペクトから生まれたこのチップには、北の森の命の記憶と、ウイスキー好きを唸らせる芳醇な香りのポテンシャルがぎゅっと凝縮されています。

 

わずか5分〜20分。目の前で変化していく『自分好みの味』

引用元:Wood CHIPS-Mizunara好評発売中です! | SHINGU SHOKO WOOD SHOP

 通常、ミズナラの独特な香りをウイスキーにしっかり染み込ませるには、樽の中で何年もの歳月が必要となります。ボトル型やスティック型の追加熟成商品でも、数日から数週間待つのが常でした。しかし、このウッドチップスはその日の気分に合わせて、その場で自分好みを創り出せます。

 浸透効率を高めた『薄い円形チップ』を採用されていることで、グラスに浮かべるだけで、わずか5分〜20分という驚異的なスピードでミズナラ特有の芳醇なフレーバーがお酒に溶け出していきます。(実際の使用レビューを次の項目で記載していますが、想像以上にしっかり変化を楽しめます)

 さらに、チップの裏面には本物のウイスキー樽と同じ、直火で焦がしを入れる『チャーリング』加工が施されています。これが、 お酒にスモーキーな深みと気品あるバニラのような甘い香りを、ダイレクトに与えてくれるのです。

 少しずつ色合いが深まり、白檀のような高貴な香りが立ち上っていくグラスを眺めながら、一口ごとに味見をします。

 

『よし、ここだ』

 

 自分好みの最高のバランスになった瞬間に、そっとチップを取り出します。そのプロセスさえも、お酒を自分の手で育てているような、高揚感に満ちる体験です。

 

レビュー(実際に試してみた感想)

※スタンドは、非売品です。
※表面には、アイヌの方々に敬意をこめて、アイヌ文様が刻印されているとのこと。とても良いデザインです。

 

 今回は、私が普段飲みとして愛用しているスコッチ『デュワーズ12年』を中心に検証を行いました。さらに、スーパーやコンビニでも手軽に購入できる『サントリー角』、スコッチの『ジョニーウォーカー レッドラベル』、バーボンの『I.W.ハーパー ゴールドメダル』なども用意し、浸漬時間をさまざまに変えながら合計40回ほど試作を重ねた上でのレビューとなります。

 

■ 全体評価
 想像以上にしっかりと、ミズナラ由来のお香のようなオリエンタルな味わいが付加され、後味のすっきりとしたまろやかなウイスキーへと仕上がっていきます。

 今回選定したウイスキーはいずれも、普段はハイボールで真価を発揮する銘柄ばかりで、ストレートやロックで飲むとどうしてもアルコールの角が目立ちがちです。しかし、この『Wood CHIPS-Mizunara』を浮かべることで口当たりが非常に滑らかになり、ストレートやロックでも十分に愉しめるお酒へと化けてくれます。

 さらにハイボールに仕上げた際の実力も圧倒的で、1本5,000円クラスの銘柄と比較しても遜色ないレベルの味わいを堪能させてくれます。

 

■カテゴリー別評価

●スコッチ

 スコッチ全般においては、味わいに心地よい立体感と深みが加わると感じました。特に、私が普段から愛飲している『デュワーズ12年』との相性は抜群で、元々持っているポテンシャルをこれ以上ないほど見事に引き出してくれます。

 華やかでフルーティーなスペイサイドやハイランド系はもちろんですが、個人的な発見だったのはピート香の強いアイラ系(ボウモアやカリラなど)との組み合わせです。スモーキーな個性がミズナラの香りと調和することで、後味がすっきりと洗練され、新たな一面を覗かせてくれます。

 自分だけの好みのバランスを探求する愉しみがあるのも、このチップならではの魅力ですね。

 

●ジャパニーズ

 スコッチ同様、こちらも味わいに心地よい立体感と深みが加わると感じました。さまざまな銘柄で試す価値があり、中には『良い意味で予想を裏切るほど激変するボトル』に出会えるおもしろさがあります。

 たとえば、馴染み深い『サントリー角』。元々ハイボールとして完成された銘柄ですが、このチップを通すことで味わいがワンランク上へと見事に昇華します。ただ、正直なところを言えば、『サントリー角』に限ってはストレートでじっくり愉しむには、あともう一歩だけ何かが物足りない……という印象も残りました。

 

●バーボン

 『I.W.ハーパー ゴールドメダル』で検証を行いました。こちらはバーボンの中でも比較的穏やかな味わいの銘柄ですが、結果としては『少しミズナラの雰囲気があるな?』と、絶妙な変化にとどまりました。

 元々、バーボンは内側を強く焦がした新樽(ヘビーチャー樽)で熟成されるため、バニラやキャラメルのような濃淡のはっきりした個性を持ちます。それゆえに、ミズナラが持つ繊細な香りが入り込む余地は、どうしても少なくなってしまうのは仕方のないことかもしれません。

 ただ、ここで終わらないのがこのチップの愉しいところです。浸漬時間を20分程度まで少し長めに延ばしてみると、後味がすっきりと落ち着き、心地よい『変化球』のような愉しみ方ができるようになります。味わいの濃い銘柄が多い、クラフトバーボンは少し厳しいかもしれません。

 

■使用時のコツと注意点

 全体として、ミズナラファンを間違いなく唸らせるポテンシャルを秘めた、非常に完成度の高い商品だと感じました。しっかりとミズナラの気品ある味わいが付加されるからこそ、この魅力を100%引き出すためのポイントをいくつかまとめてみました。

  • スコッチ・ジャパニーズは『10分』を基準に まずは『10分』の浸漬時間をベースにするのがおすすめです。その前後で少しずつ味見をしながら、ご自身の好みのバランスを探っていくのがこの上ない愉しみになります。

  • バーボン系は『20分近く』じっくりと 先述の通り、力強い個性を持つバーボンに合わせる場合は、20分近くしっかりと浸漬させることで、心地よいすっきりとした変化球を感じられるようになります。

  • 美味しく愉しめる回数は『3回』、工夫次第でそれ以上も メーカー推奨通り、本製品の瑞々しいパフォーマンスを最大限に発揮できるのは『3回』程度までです。ただ、実際に試してみると5〜6回ほどは十分に活躍してくれました。その場合は、回数を重ねるごとに少し長めに浸漬させるのが、香りと味わいを引き出すコツです。また、ストレート以外で愉しむ場合も、まずはストレートで浸漬させてから、アレンジすると効果的です。

 

まとめ:あなたのグラスに、北の森の恵みを

引用元:Wood CHIPS-Mizunara好評発売中です! | SHINGU SHOKO WOOD SHOP

 『Wood CHIPS-Mizunara』は、手にした瞬間からあなたの五感を刺激する、体験型の贅沢です。

 普段の飲み慣れたウイスキーにミズナラ特有の気品ある香りを加えるもよし、少し背伸びした贅沢なウイスキーに浮かべるもよし。グラスの中に自分だけの味を育てる愉しみを、ぜひ今夜から始めてみてはいかがでしょうか。きっと、あなたの夜が、少し特別に満ちた時間になるはずです。

 用途や好みに合わせて選べるラインナップが用意されていますので、まずは手軽にその変化を試してみてください。

 

▼『Wood CHIPS-Mizunara』で、自宅での追熟体験を始める

購入はこちらのサイトから。Amazon Payで購入できますので、購入もスムーズにできます。(外部リンクとなります)

shingushoko.theshop.jp

 

■本製品のプロデューサー

・現代アーティスト「Kei Arabuna」氏

 1987年東京都出身。幼少期を北海道の自然に囲まれて過ごす。自然素材の特性を引き出し、人間と自然の共生を表現する現代アーティスト。「もったいない」を起点に、地域資源や伝統工芸を活かしたアート作品を制作。そのメッセージを製品やプロジェクトに落とし込み、企業や自治体のプロデュースも手掛ける。

※関連ホームページ:Kei Arabuna Art Studio

 

●主なご略歴

・2011年  金沢美術工芸大学美術科彫刻専攻卒業

・2016年 「アートフェア」パリ・ルーブル美術館

・2022年 「いのアートミーティング」招聘(高知県立美術館主催)

・2023年 「金沢城・兼六園大茶会」石川県知事賞受賞

・2024年 「奈良県宇陀市毛皮革産業」アートディレクター 等