【1】白州がどのようなウイスキーか理解できる
『ウイスキーは重厚で、夜の書斎で静かに飲むもの』という固定観念を、その圧倒的な爽快感で鮮やかに覆した銘柄がある。それが、日本の“森の蒸留所”が生んだ傑作『白州』です。
グラスを満たす、まるで新緑の森を吹き抜ける風のようなみずみずしい香り。しかし、その奥には繊細で奥深いスモーキーな余韻が潜んでいる。
今回は、世界を驚かせ続けるこの『新緑の息吹』の魅力や蒸留所のこだわり、そして日本の食卓(和食)のポテンシャルを引き出すペアリングをご紹介します。
世界が羨む『森の蒸留所』と奇跡の水

引用元:白州の森に佇み、肌で感じてこそ育まれたウイスキーの真の味わいがわかる | AdvancedTime
白州の故郷は、山梨県北杜市、南アルプスの甲斐駒ヶ岳の麓に位置するサントリーの『白州蒸留所』です。1973年、山崎蒸留所の開設から50周年を迎えたサントリーが、次なる理想の原酒を求めて辿り着いたのが、標高約700mの広大な森の中でした。世界でも類を見ない『森の蒸留所』です。
ここで使われる仕込み水は、周囲の豊かな森に降った雨雪が、数十年という気の遠くなるような歳月をかけて花崗岩層で磨かれた南アルプスの天然水です。硬度約30の世界的にも稀な『軟水』であり、この清らかでキレの良い水がベースにあるからこそ、原酒は雑味なく、繊細かつクリアに育ちます。
日本の豊かな『名水』と、山崎とはまた異なる『森の冷涼な気候』がもたらす四季の寒暖差。これらが揃って初めて、白州特有の軽快でクリーンなスタイルが生まれるのです。
職人たちのこだわりが生む『多彩な原酒造り』
白州蒸留所の最大の特徴は、一つの蒸留所の中で多種多様な原酒を造り分けている点にあります。
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木製発酵槽へのこだわり 現在では手間の観点からステンレス製が増える中、白州では伝統的な『木製発酵槽』を使い続けています。これによって蒸留所内に息づく乳酸菌などの微生物が働き、原酒に豊かなコクと複雑なエッセンスを与えます。
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形状の異なる蒸留器(ポットスチル) 大きさや形状が異なる様々な蒸留器を使い分けることで、軽快な原酒から力強い原酒までを柔軟に生み出します。
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緻密なピートコントロール 白州の爽やかさを支えているのが、ピーテッド麦芽(泥炭で乾燥させた麦芽)から造られる原酒の存在です。けっして前面に出過ぎず、しかし全体の骨格を支えるようにそっと寄り添う『微かなスモーキーフレーバー』は、ブレンダーの緻密なブレンド技術の賜物です。
この『爽やかさ(クリーン)』と『複雑なコク(ディープ)』こそが、世界中のウイスキーファンを魅了してやまない最大の秘密です。
白州の個性を愉しむラインナップ
現在、白州ブランドで展開されている主要な銘柄をご紹介します。それぞれが異なる森の表情を見せてくれます。
- 白州(ノンヴィンテージ) みずみずしく軽快な清涼感が特徴の、現在のスタンダードボトル。すだちや青リンゴ、ミントのような爽やかさが弾け、ハイボールにするとその魅力が爆発します。
- 白州12年 酒齢12年以上のモルト原酒を吟味して造られる、ジャパニーズウイスキーの至宝。爽やかな新緑の香りはそのままに、長期熟成ならではの甘やかなバニラ香や香ばしいクッキーのような風味が重なり、奥行きのある味わいが楽しめます。
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白州18年 18年以上の歳月が育んだ、深く濃密な一本。熟した果実やスモーキーな深い余韻が心地よく絡み合い、深く静かな『夜の森』を連想させる圧倒的な完成度を誇ります。
『和食』とのペアリング:緑の風が食卓を包む
白州の持つ『若葉のような清涼感』と『キレのある酸味』は、素材の味を活かす和食と完璧にシンクロします。特にソーダで割った『森香るハイボール』は、繊細な和食の味を邪魔しません。
山菜や旬の野菜の天ぷら(塩で) 白州の持つ青リンゴのような爽やかさと微かな苦味が、天ぷらの油っぽさを綺麗に切り、素材の持つ心地よい苦味や旨味を引き立てます。
お刺身(白身魚やイカを塩とカボスで) 醤油ではなく、塩と柑橘でいただく繊細なお刺身に、白州のクリーンな酸味がこれ以上なく寄り添います。
さいごに:日常の食卓を, 少し贅沢な『森』にする
白州が私達にもたらしてくれるのは、日々の喧騒を忘れさせてくれるような『静かで洗練された癒やし』です。
ハイボールグラスに氷をたっぷりと満たし、白州を注ぎ、炭酸をそっと滑り込ませる。仕上げにミントの葉をパチンと叩いて浮かべれば、自宅の食卓が一瞬にして南アルプスの深い森へと繋がります。
今夜の和食のお供に、ぜひこの心地よい『森の清涼感』を試してみてはいかがでしょうか。