ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【ジャパニーズ】ザ・ニッカを飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】ザ・ニッカがどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 シングルモルトがその土地の風土や蒸溜所の個性をストレートに伝える『点』の存在だとするならば、ブレンデッドウイスキーは異なる個性を編み上げて一つの世界を創り出す『面』の存在と言えるかもしれません。

 今回ご紹介するのは、ニッカウヰスキーがその80年以上の歴史で培った技術と情熱を注ぎ込んだプレミアム・ブレンデッド、『ザ・ニッカ(THE NIKKA)』です。

 

ザ・ニッカについて

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 『ザ・ニッカ』は、2014年にニッカウヰスキー創業80周年を記念して誕生した、まさに同社のフラッグシップです。かつては『12年』という熟成年数が表記されていましたが、現在はあえてその枠を外し、ノンヴィンテージとして展開されています。これは品質の後退ではなく、熟成年数という記号に縛られず、ブレンダーが理想とする究極の調和を追求するために、より多様で希少な長期熟成原酒を自由に選定できるようになったことを意味しています。

 このウイスキーを象徴するのが、圧倒的なモルト原酒の配合比率の高さと、それを支える多層的な原酒構成です。中心となるのは、石炭直火蒸溜による力強く骨太な個性を放つ『余市』のヘビーピートモルト。これに、蒸気間接蒸溜による華やかでフルーティーな広がりを見せる『宮城峡』のシェリー樽原酒が重なります。

 特筆すべきは、この二つの個性を繋ぎ合わせる『カフェグレーン』の存在です。伝統的な連続式蒸溜機で作られるこのグレーンウイスキーは、原料由来の甘みが強く、モルトの個性を引き立てながら全体をまとめ上げる重要な『土台』として機能しています。

 さらに、長期間の熟成を経た『熟成モルト』がブレンドに厚みとコクを加え、一口ごとに異なる表情を見せる複雑さを生み出しています。

 この相反する要素が一つに溶け合う様子は、ボトルのデザインにも見事に表現されています。『重なり合う着物の襟元』をイメージした重厚な非対称のカッティングは、異なる個性の原酒が層を成して奏でるハーモニーを象徴しています。手に取った瞬間のずっしりとした重みと、光を受けて輝くボトルの造形は、これから始まる特別な一杯への期待を静かに高めてくれます。

 

宮城峡蒸留所について

引用元:Destilería de whisky Nikka en Miyagikyo | Travel Japan (Organización Nacional de Turismo de Japón)

 創業は1969年であり、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴氏が、スコッチの中でも華やかなウイスキーが多い、ローランドやハイランド系のウイスキーを目指して造った蒸留所になります。

 場所は宮城県仙台市に位置し、竹鶴氏が華やかで酒質の軽いウイスキー造りに適した水が確保できる場所として選定しました。既に稼働していた『余市蒸留所』は力強く、ピートの効いたウイスキーを目指して造った蒸留所に対して、宮城峡蒸留所は繊細なウイスキーを目指して造られた為、同じニッカウヰスキーが保有する蒸留所ですが、全くウイスキーの作り方が異なります。

 余市蒸留所と比較して、酒質が軽くなるように大きめのポットスチルを採用しており、繊細な味わいになるように、ポットスチルを加熱する際には、直火で行う余市蒸留所と異なる形式である、スチームで熱する間接加熱法を採用しています。是非、余市蒸留所が造るウイスキーと飲み比べて、ゆったりと大人の時間を満喫してみてください。

引用元:Destilería de whisky Nikka en Miyagikyo | Travel Japan (Organización Nacional de Turismo de Japón)

 

テイスティング

 飲み方によって、余市を感じたり、宮城峡を感じたり、ニッカらしさを感じたり。お好みの飲み方で。
 
■ストレート
 ザ・ニッカの本質を体感するなら、まずはこの飲み方で。アルコールの角が取れた円熟味と、ニッカが誇るモルト比率の高さゆえの『濃さ』を存分に味わえます。
 注ぎたては力強い樽の香りが主張しますが、時間の経過と共に、完熟した果実や蜂蜜のような甘やかな香りがゆっくりと広がってきます。変化していく重層的なグラデーションこそが、本銘柄の醍醐味です。ニッカらしい味わいです。
 
■少量の加水
 重厚なボディの裏側に隠れていたフルーティーな側面がふわっと広がります。宮城峡モルト由来の華やかなエステリー香がより鮮明に立ち上がり、まるで花が開くような変化を楽しめます。じっくりと香りの深淵を探りたい時や、食後のリラックスタイムに最適な飲み方です。
 
■トワイスアップ
 少量の加水と同じ傾向です。加水量はお好みで。
 
■ロック
 冷やされることでまず甘みが凝縮され、口当たりはより一層シルキーに変化します。氷がゆっくりと溶け出すにつれて、今度は余市モルトのピート感や樽由来のビターなコクが際立ち、味わいの輪郭が徐々に変化していく様子を体験できます。
 
■ハイボール
 炭酸の泡が弾けるたびに、閉じ込められていたピートの香りが軽やかに鼻をくすぐり、その直後にモルトの確かな甘みが追いかけてきます。炭酸で割ってもボディが痩せず、飲み応えがしっかりと残るのが特徴です。