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-CHIKURYA WHISKY-

【スコッチ】グレンフィディック パーペチュアルコレクション VAT01 スムース&メロウを飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】グレンフィディック パーペチュアルコレクション VAT01 スムース&メロウがどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 本日は、皆大好き『グレンフィディック』の中でも、免税店向けにリリースされているシリーズ、『グレンフィディック パーペチュアルコレクションVAT01 スムース&メロウ』について見ていきます。シルクの様な滑らかな味わいと、複雑さが特徴です。

 

グレンフィディック パーペチュアルコレクション VAT01 スムース&メロウについて

グレンフィディック パーペチュアル コレクション VAT01 スムース&メロウ [並行輸入品]

 グレンフィディックは、スコッチの聖地と言われるスペイサイド地方で造られており、世界中で愛されるウイスキーになります。スペイサイドらしいフルーティーで華やかな味わいは、ウイスキー初心者から玄人まで幅広い層に支持されています。

 今回ご紹介する銘柄は、免税店向けにリリースされている『パーペチュアルコレクション』シリーズとなります。VAT01~04まで種類があり、免税店向けですが、グローバル化している現在においては、並行輸入等で購入する事も可能です。

 パーペチュアル(Perpetual)とは、直訳では『絶え間なく続く』等の意味になりますが、本シリーズはその名の通り、継ぎ足し方式によって永続的に造られているのが特徴です。

 専門的には、ソレラ方式と呼ばれる、元々はワインで用いられていた熟成プロセスであり、ウイスキーの一定量を別の樽に詰め替えて、空いたスペースに新しいウイスキーを充填する事を階層的に行う方法です。これにより、多層的な味わいを生み出すことができるとされています。詳しく知りたい方は、以下を参照してみて下さい。

whiskymag.jp

 パーペチュアルコレクションシリーズは、ソレラ方式が効いているので、VAT01~04のどの銘柄を味わっても、深みと多層感があるように思います。

 その中でもVAT01は『スムース&メロウ』という名前であり、バーボン樽と赤ワイン樽で熟成された内容となっています。バーボンが主体だと思いますが、特に香りにおいてはグレンフィディックの華やかな要素の中に、赤ワインが垣間見え、程よいスパイシーさとシルクの様な柔らかい甘みが絶妙です。

 そこにソレラ方式の階層感が追加されているので、少し価格は高いですが、納得できる内容ではないかと想定します。ただ、グレンフィディック12年の分かりやすい味わいと比較すると、結構複雑な部類に当てはまるので、ある程度ウイスキー経験がある方向けの銘柄だと思います。また、飲み方も基本はストレートになると想定します。

 とはいえ、本シリーズの中でVAT01が一番、理解しやすく飲みやすいのではないかと思います。是非、VAT01からパーペチュアルライフを!

 

 まだ、グレンフィディックシリーズを飲んだ事が無い方は、まずは『グレンフィディック12年』を飲んでみる事をお勧めします。シングルモルトとしては比較的購入しやすい価格帯であり、華やかなウイスキーを知る上で最適な銘柄です。女性にも大人気です。

 

グレンフィディック蒸留所について

引用元:Glenfiddich Distillery - The Distilleries of Scotland - scotchwhisky.net

 1887年にウィリアム・グラントによって創業を開始しました。ダフタウンの貧しい仕立て屋の息子として生まれたウィリアムは、蒸留所建設に向けてコツコツと資金を蓄え、ダフタウンの外れに念願の土地を購入します。しかし、蒸留所を建設する資金はなく、家族総出で蒸留所建設を開始します。なんと建設にかかった日数は371日だったとか。

 当然、ウイスキー造りで必要となるポットスチルやマッシュタンを新調する資金は無い状況でした。しかし、自身で蒸留所を建設しようとする熱意に惚れた、カードゥ蒸留所のオーナーが古くなったスチルを2基安く譲りました。まさしく、グレンフィディック蒸留所が誕生した瞬間です。そして、翌年のクリスマスの日に初めて蒸留されます。

 以下の写真はグレンフィディック蒸留所のポットスチルですが、様々な種類のものが設置されていることが分かります。これは、色々な場所から中古品を買い集めたことによるものです。

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引用元:2022年 グレンフィディック蒸留所 - 行く前に!見どころをチェック - トリップアドバイザー (tripadvisor.jp)

 

テイスティング

 基本的に、ストレート1択の銘柄かなと思います。ストレートでは相当な実力を発揮します。その他の飲み方では好き嫌いがある程度はっきり分かれるように思います。ウイスキーはストレートという方は、トライする価値はかなりあります。

 

■ストレート

 香り、テイスト共にとても柔らかく、マイルドに仕上がっています。その中に、多数の複雑な要素が絡み合っており、ユニークです。

 香りについては、マイルドなハチミツ、熟したリンゴ、そして後半の一部にクローブと胡椒等の様に思います。一部赤ワインの風味も感じます。スムース&メロウです。

 テイストについては香りと概ねイコールですが、より滑らかで、より複雑です。柔らかい甘みとスパイシーさのバランスが良く、交互にそれらの要素を感じる事ができる楽しい銘柄です。

 

■少量の加水

 ストレートと比較しそこまで大きな変化は無いですが、若干スパイシーさが強調されるように感じます。

 

■トワイスアップ

 あまり好みではないです。タンニンの渋み等が目立つ味わいとなりそうです。

 

■ロック

 ストレートと比較して、結構複数のスパイシーさが強調されます。グレンフィディックの華やかな味わいが好きな方からすると、あまり合わないかもしれません。人生とウイスキーはスパイシーさが大切!みたいな方は好みと思います。スパイシーとは言えど、飲み口はスムース&メロウです。

 

■ハイボール

 ハチミツとリンゴが香るハイボールで、後半はオークの要素も感じます。正直にレビューすると、ハイボールはグレンフィディック12年の方が断然分かりやすくて美味しいです。

 

 
 グレンフィディック12年は名作です。本銘柄がどれだけのウイスキーファインを創ってきたことやら。飲んだ事がある方も、初めて飲む方も、自身を持ってお勧めします。