ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【スコッチ】ディンプル12年を飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】ディンプル12年がどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 本日は、スコッチブレンデッドウイスキーの草分け的存在の『ディンプル12年』について見ていきます。このお酒に行き着いたあなたは、ウイスキー通と思います。

 

ディンプル12年について

Bell's(ベル) ディンプル 12年 ブレンデッド・スコッチウィスキー [ ウイスキー イギリス 700ml ]

 ビジュアルからは少し古いイメージを持ってしまいがちですが、侮ってはいけないのが『ディンプル12年』です。本銘柄は、スコッチブレンデッドウイスキーに分類され、1890年から販売されている歴史が深い銘柄です。ブレンデッドの草分け的な存在です。

 キーモルトは、ローランド地方のグレンキンチー蒸留所の原酒になります。ローランド地方のウイスキーは繊細なものが多く、あまりキーモルトとして使用されるケースはないのですが、グレンキンチーをキーモルトとしているあたりが、すごくセンスがあると思います。12年熟成ウイスキーとしての世界販売数量も上位に位置しているのも頷けます。

 テイストについては、穏やかですが個性も光っています。ローランドらしい洗練された印象を受けつつ、グレンキンチーらしい柔らかい甘みとドライイチジクやビターチョコのような深み、そして他のハイランド系の軽いピート感が心地よいです。ブレンダーの主張を抑えて、各銘柄を穏やかに掛け合わせたナチュラルで歴史ある上質さを持っています。

 歴史は、ボトルからも感じる事ができます。ボトルに金属のネットが巻かれていますが、当時栓にコルクを使用していた際の、抜け防止として採用されており、現在まで続いています。

 現在では、歴史ある銘柄を、お手頃価格で購入できます。理屈や他人の評価は一旦おいて置いて、是非自身の舌で、本銘柄を楽しんでみるのをお勧めします。遅かれ早かれ、程度の差はあれど、何かしらの良さを認識できると思います。

 

グレンキンチー蒸留所について

引用元:Glenkinchie Distillery - Hidden Scotland

 グレンキンチー蒸留所はローランド地方と呼ばれる、比較的都会なエジンバラに近い場所に位置する蒸留所になります。操業開始した年は明確ではないですが、蒸留所自体は1825年頃に建設されており、1837年にグレンキンチー蒸留所として正式に操業を行っております。

 シングルモルトとしては、グレンキンチー12年等が販売されていますが、大半はブレンデッド用に造られており、スコッチの中でもかなり大きなポットスチルを用いて蒸留されます。

 ローランド地方のウイスキーは気候や製造方法の影響からライトで繊細な特徴を有する傾向にあり、本銘柄も同様の特徴を持っています。一方、他のローランドウイスキーよりもしっかりと芯があるように感じます。その一つの理由として使用される水の硬度が高く、仕上がりとしてフローラルで繊細な味わいに芯のあるすっきりさ&ドライさを与えています。その為、ブレンダーからは高く評価されており、好んで使用されていると思われます。


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テイスティング

 最もお勧めの飲み方はハイボールです。その他、ストレート、ロックも素敵です。

 

■ストレート

 香りについては、少し地味でシンプルな内容であり、易しいピート感があります。一方、テイストについてはドライな印象を受けつつ、グレンキンチーらしい柔らかい甘みとドライイチジクやビターチョコのような深み、そして他のハイランドの軽いピート感が心地よいです。わざとらしい要素がなく、ナチュラルに良いウイスキーである感じがします。

 

■少量の加水

 アルコールの刺激ではなく、スパイシーなピリピリ感が増してきます。飲みやすさで言えばストレートの方が良いかもしれません。

 

■トワイスアップ

 少量の加水と同様の傾向です。加水しても耐えられるボディではあります。

 

■ロック

 ストレートと並んで良さが良くわかります。ストレートの味わいをベースに、より穏やかな味わいです。

 

■ハイボール

 とても美味しいです。麦の優しい甘み、深みのあるカラメルの様な風味が広がります。穏やかですが、芯があり、個性もあります。