ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【アイリッシュ】レッドブレスト12年を飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】レッドブレスト12年がどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 伝統的なアイリッシュの製法で製造された、アイリッシュ・シングルポットスチルウイスキーの『レッドブレスト12年』。滑らかな舌触りと、シェリー樽由来の香り、スパイスさが優秀です。これぞ、アイリッシュウイスキーと言える、アイリッシュの特徴が詰まった銘柄です。それでは、飲んでいきましょう。

 

レッドブレスト12年について

レッドブレスト 12年 [ ウイスキー アイルランド 700ml ] [並行輸入品]

 アイリッシュの中でも、『シングルポットスチルウイスキー』に分類される銘柄です。シングルポットスチルとは、原料の一部に未発芽の大麦を使用することで、製造工程の発酵時に、発酵スピードを遅らせ、独特のオイリーな舌触りとテイストを生み出します。

 また、スコッチと比較して、酒質を軽くするため、大きなポットスチルを用いて、通常2回が一般的な蒸留工程を3回実施することで、アルコール純度を一旦上げて、雑味を取り除きます。

 本銘柄は、これらの伝統的な工程を堅実に実施している、正真正銘のシングルポットスチルウイスキーであり、滑らかな舌触りと、原料の雑味が殆ど無い分、熟成樽のオロロソシェリー樽の要素を純粋に楽しめる魅力があります。

 熟成樽にはシェリー樽以外に、バーボン樽も使用しており、上品なバニラエッセンスの様な香り、テイストも飲み方によって楽します。

 本銘柄を最大限に楽しむ方法として、開封して2か月程おいて置くと良いと、個人的には思います。開封してすぐの場合、硬い印象を受け、『値段と釣りあわないかな』と思うのですが、時間が経つにつれて魅力を発揮してくれます。値段は決して安くないですが、本格的なアイリッシュを体感したい方は是非どうぞ。

ミドルトン蒸留所について

引用元:Jameson Distillery Midleton - All You Need to Know BEFORE You Go (tripadvisor.com)

 1966年にジェムソン社とその他2社が合併して造られたのが本蒸留所です。流石、アイリッシュのグローバルシェアが70%を超えているだけあり、非常に規模が大きいことでも有名です。

 割りと最近に建てられた蒸留所なのかと思われるかもしれませんが、本蒸留所の前身は1825年に創業を開始した旧ミドルトン蒸留所であり、現在は博物館として使用されています。(上記の写真)また、周辺も観光地化しており楽しめる街並みとなっています。

 本蒸留所はアイリッシュの伝統をどの蒸留所よりも大切にしており、アイリッシュ特有のオイリーさと酒質の軽さを追求した『シングルポットスチルウイスキー』を丁寧に製造しています。

 本蒸留所が造るウイスキーとしては、知名度の高い『ジェムソン』はもちろんの事、『レッドブレスト』や『グリーンスポット』等があり、国内においては決して知名度は高くないですが、堅実で伝統的なウイスキーの製造をされています。

 

テイスティング

 ストレートが、本銘柄の特徴である『シングルポットスチル』、『オロロソシェリー樽』の良さが良くわかります。バランスと上品さが一級です。

 開封したては、香り、テイスト共にあまり開いていないので、2か月位寝かせて飲むのが、より楽しむポイントです。

 

■ストレート

 香りはオイリーさの中に、オロロソシェリー樽の、ドライフルーツや、ナッツと、若干のスパイシーさを感じます。バニラよりは、バニラエッセンスのような香りもします。非常にシンプルでシェリーとは何ぞやを知るには、とても分かりやすいかもしれません。

 テイストは、シェリー由来の甘さと、スパイシーさの塩梅がどのシェリー系ウイスキーよりも良いと思います。贅沢です。

 

■少量の加水

 加水する事で、香り、テイスト共に、バーボン要素が顔を出してきます。後半にはオロロソシェリー樽由来のスパイシーさが結構強調されるので、飲みごたえがあります。十分美味しく飲めます。

 

■トワイスアップ

 トワイスアップでも十分耐えられるボディです。開封したての場合は加水で香りを開くことがお勧めですが、2か月位すれば、加水なしでストレートの方が、本銘柄の持つ良さが良く分かると思います。

 

■ロック

 冷やすと、シェリー樽のタンニン系のえぐみが出てくるので、多くの人にとってはあまり良い評価にならないと思います。

 

■ハイボール

 シェリー系をハイボールにするとゴムのような要素が目立つ銘柄は多いですが、本銘柄はそんな事は無いです。ただ、一般的なシェリー系のハイボールの為、特段本銘柄でないといけない要素は少ないかもしれません。

 

 以上、本日はシングルポットスチルウイスキーでは一番の完成度といっても過言ではない銘柄、『レッドブレスト12年』を飲んでみました。

 開封して時間が経つことで、香り、テイスト共に深みが出てくる銘柄ですの、ゆっくり育てながら飲む、大人の楽しみ方はいかがでしょうか。