【1】自宅でチャコールメローイングしたウイスキーのテイストを理解できる
【2】新たな飲み方が発見できる
皆さんお馴染みの『ジャックダニエルシリーズ』はチャコールメローイングという独自の製法を行っており、すっきりした味わいを作っています。それでは、その工程を自宅で実施した場合にどのようなテイストになるのでしょうか?実際にやってみました。
チャコールメローイングについて
引用元:プロセス | Jack Daniel's (jackdaniels.com)
チャコールメローイングは、テネシーウイスキーである『ジャックダニエルシリーズ』において、実施されている製法になります。テネシーウイスキーはバーボンと法律上の規定は同じですが、『チャコールメローイング』が実施されているかどうかで区別されます。(後はテネシー州で造られているか否か)
チャコールメローイングとは、蒸留直後のスピリッツを炭(サトウカエデ)の層に通過させて濾過する製法を意味します。数滴をぽたぽたと落として8~10時間を掛けて濾過することにより、雑味を除去でき、まろやかで口当たりの良いウイスキーになります。
ジャック ダニエルと他のバーボンウイスキーを飲み比べて頂ければ実感されると思いますが、ジャック ダニエルはバーボン特有のウッディーな感じが洗練され、フルーティー且つ、ハーブのようなすっきりした味わいとなっています。
バーボンをチャコールメローイングする
本来は、蒸留直後のスピリッツをチャコールメローイングするのですが、入手する事が困難ですので、今回は販売されているバーボンを使用して、どこまでジャックダニエル風のすっきりした味わいになるかを試していきます。
■準備をする
準備物は、お酒好きでしたら誰でも保有しているであろう、物品のみで実践していきます。詳細は以下になります。
①コーヒー用のドリッパー一式
②活性炭
③分液漏斗
④バーボン
今回は、バーボンの中でもまろやか且つ、力強さを兼ね備えたウッドフォードリザーブダブルオークドを使用しました。
chikurya-whisky-tokidokiwasyoku.com
■チャコールメローイングをする
チャコールメローイングの肝は、ゆっくり液体を滴下することにありますので、毎秒1滴くらいの滴下ができるように調整し、後は炭を通過させて濾過できる装置を作りました。非常に単純な構造です。
ドリッパーの中はこんな感じです。実は、一度失敗してしまったのですが、炭はしっかりと洗浄し、炭の色がウイスキーに付かないようにしておく必要があります。そうしないと、びっくりする位黒いウイスキーが出来上がってしまいますので、実践される方は、ご注意下さい。
滴下の様子です。30分でこれ位の濾過スピードです。全部濾過を終えるのに、1時間半~2時間程度は要します。
■テイスティング
右がチャコールメローイングを実施したウイスキー、左が通常のウッドフォードリザーブダブルオークドです。若干、チャコールメローイングした方のウイスキーの色が薄くなっています。
テイストに関しては、明らかに違いがあります。目隠しで飲んでも、いずれのウイスキーかを当てれる位、ジャックダニエル化しています。ダブルオークドのトースト感等も残ってはいますが、少し丸みを帯びました。
銘柄を言われなければ、『ジャックダニエル、新しい銘柄リリースしたん?』と質問しそうです。
まとめ
既製品のバーボンでも、チャコールメローイングする事で、ジャックダニエルの様なハーブ等のすっきりした味わいと丸みを帯びさせることができる可能性が高い。また、バーボンだけでなく、シングルモルトに応用できる可能性を秘めていそうです。
以上、本日はバーボンをチャコールメローイングするでした。本日使用しました、『ウッドフォードリザーブ ダブルオークド』はまろやかさと大人な苦味等が加わった深みのある味わいですので、機会があれば是非どうぞ。