【1】ウッドフォードリザーブ ダブルオークドがどのようなウイスキーか理解できる
【2】各種飲み方でのレビューが分かる
本日は、プレミアムの中でもプレミアムで有名な『ウッドフォードリザーブ』の更に大人な味わいが詰め込まれた『ウッドフォードリザーブ ダブルオークド』について見て、飲んでいきます。このトースト感、癖になります。
ウッドフォードリザーブ ダブルオークドについて
『ウッドフォードリザーブ』はアメリカケンタッキー州ウッドフォードで製造されているバーボンウイスキーであり、バーボンでありながら、単式蒸留器(ポットスチル)を用いて、しかも3回蒸留されます。その為、雑味がとれたまろやかな仕上がりであり、更に原料本来の味が凝縮されている感じを存分に味わえます。
そして、そのスタンダードの『ウッドフォードリザーブ』原酒を更に、じっくり焼いた新樽に移し替えて1年間追加で熟成させたのが本銘柄になります。ご想像の通り、更にバーボンの新樽で熟成させている為、トーストされた木のテイストが凝縮されており、『ウッドフォードリザーブ』が持つまろやかでハチミツやバニラ、柑橘、チョコレート等のテイストに大人の苦味や渋みが加わっています。
香りは、通常の『ウッドフォードリザーブ』を踏襲しており、前述の通り、バーボン樽由来のバニラやハチミツ、柑橘やダークチョコレート等がフレッシュ感と共に感じる事ができます。どれかの香りの主張が強い訳ではなく、これらの香りがバランス良く共存している感じに思います。その後、本銘柄の特徴である、木の香りとトースティーな感じがやってきます。通常銘柄よりバーボンであるという主張を感じます。
テイストに関しては、香りから受けるものとほぼイコールのように感じますが、樽による苦味、渋みの主張が想像以上に強く、非常に大人な味わいの一杯となっています。
あまりバーボンに馴染みのない方が本銘柄を飲むと、想像以上のトースト感に戸惑う方もおられるかもしれません。まずは、通常の『ウッドフォードリザーブ』を試して頂き、美味しいと思えるのであれば、本銘柄を試して頂くのが無難かと思います。ただ、本銘柄の魔力はすごく、ついつい飲みすぎてしまいます。
●まずは、通常品がお勧め!
ウッドフォードリザーブ蒸留所について
引用元:Woodford Reserve Distillery in Versailles, Kentucky - Encircle Photos
アメリカケンタッキー州に位置する蒸留所であり、蒸留所自体が国の歴史的建造物に指定されています。蒸留所の前身に当たる『オールド・オスカー・ペッパー蒸留所』は1812年に創業を開始しました。そして禁酒法時代の苦しい時代を何とか乗り切り、1941年にジャックダニエルのオーナーであるブラウン・フォーマン社がオーナーとなり勢いづいていきます。
しかし、1972年のバーボン不況等により需要が激減し、一度は蒸留所閉鎖まで追い込まれてしまいます。その後、1994年に蒸留所の稼働が再開されることとなりますが、その際に導入されたのがスコットランドのポットスチルであり、バーボンでありながら、その他の工程含めアイルランド風方式で製造されることが決定されました。まさしく、生き残りと差別化を掛けたチャレンジでした。
また、バーボンでは初の試みである3回蒸留をおこなうことで、『バーボンの特徴×まろやかな味わい』といった今までにないプレミアムウイスキーを造り上げます。
更に、樽については底板と天板までしっかり焼いた樽を使用し、温度変化の少ない構造の熟成庫でじっくり熟成をさせる等の、細部までこだわりに溢れた蒸留所です。本蒸留所が造るウイスキーは丁寧に手作りされた、プレミアムの中のプレミアムであることが伺えます。
テイスティング
甲乙を付けるのが難しいですが、ストレートまたは、ロック(氷を1個浮かべる程度)が本銘柄の大人な味わいを楽しめるのではないかと思います。
■ストレート
香りは、通常の『ウッドフォードリザーブ』を踏襲しており、フレッシュな軽めの柑橘系と共に、バニラ、ハチミツ、ダークチョコレートを感じます。違う点は、木の香りとトースト感を強めに感じ、力強さが伝わってきます。
テイストは、透き通るようなハチミツやバニラの甘さがあった後に、後半に苦味、渋みがぐっと押し寄せてきます。少しの酸味も感じます。飲み進めていくと、中間あたりにバターのような濃厚さも感じてくるようになってきました。ここまで大人な味わいのバーボンは珍しい。
■少量の加水
まずは、前半の甘みの幅が深くなりました。バター感も気持ち強くなったきがきます。後半の苦味と酸味も強調され、個性が強くなりました。私は好きですが、好き嫌いははっきりと分かれそうです。少量の加水でここまで印象が変わるとは...
■トワイスアップ
ここまで加水をすると、ハチミツの甘さが中心となります。苦味等が和らぐので、とてもスムーズで飲みやすく、後半の苦味が良いアクセントになっています。トワイスアップ好きは試す価値ありかもですね。
■ロック
前半の甘みが弱く、且つ短くなり、後半の苦味や渋みが強く、長くなります。最後に辛さも追加されました。良く言えば、本銘柄のコンセプトである、ダブルオークドが良く理解できる一杯です。悪い見方をすると、『樽間違って焦がしすぎたんちゃうかー?』と突っ込みを入れたくなります。
■ハイボール
普通に美味しいです。甘みが中心ですが、最後に軽めの苦味がある為、すっきりとした味わいとなっています。
以上、本日はバーボンの中でもスムーズな味わいで有名な『ウッドフォードリザーブ』の尖った銘柄、『ウッドフォードリザーブ ダブルオークド』について、見て飲んで見ました。大人の味わいが詰まった他では味わえない魅力的な銘柄です。