ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【スコッチ】グレンファークラス12年を飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】グレンファークラス12年がどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 シェリーの魅力が詰め込まれた、『グレンファークラスシリーズ』。本蒸留所のウイスキーは全て、シェリー樽で熟成されます。それでは、比較的リーズナブル且つ、本格的なシェリー系のスタンダード銘柄『グレンファークラス12年』を見て、飲んでいきましょう。

 

グレンファークラス12年について

グレンファークラス 12年 [ ウイスキー イギリス 700ml ]

 本銘柄は、華やかな銘柄が多いスペイサイドで造られるウイスキーになります。スペイサイド出身らしく、柑橘系のフルーティーさを持ち合わせていると同時に、スペイン産のシェリー樽でじっくり熟成されており、シェリーの特徴も存分に楽しめます。

 シェリー系ウイスキーで特に有名なのはマッカランですが、マッカランと比較してフルーティーさに加え、バニラの微かで優しい甘さがあり、親しみやすく感じます。

 べースの味わいは上記の通りですが、そう単純に表現できる銘柄ではないです。かなり多数のテイストが折り重なっており、多彩かつそして繊細です。シェリー樽由来のスパイシーさもあれば、軽いピート、麦のやさしい風味や、ベリーの酸味等が優しく舌にタッチしてくれます。

 多彩なのはテイストだけでなく、ラインアップも多彩です。全てシェリー系ではありますが、10年、12年、15年、18年、21年、25年、30年、40年、50年、105等ここでは記載しきれない程あり、且つすべての銘柄毎に特徴があって楽しめます。

 今回は12年ですが、本銘柄を試してみて美味しいと感じた方は是非15年を飲んで、比べて見て下さい。12年は若干若さも感じますが、その若さが無くなり、多彩なテイストがより落ち着いて共存しています。それぞれの銘柄にそれぞれの良さがあることに気づき、『グレンファークラスシリーズ』をより好きになる事でしょう。

グレンファークラス蒸留所について

引用元:www.bing.com
 今でも家族経営を続けている老舗の蒸留所の一つであり、伝統を大切にしている蒸留所になります。蒸留所はスペイサイドに位置し、グレンファークラスはゲール語で『一面緑の草原の谷間』を意味し、その名の通り、蒸留所から見える風景を表しています。
 創業は1836年であり、本格的には1865年からグランド家によって代々経営をされます。家族経営蒸留所として、スプリングバンクに次ぐ歴史を誇ります。
 樽へのこだわりを大切にしている蒸留所ですが、それは樽の材質だけでなく、使用方法からも見て取れます。多くの蒸留所がセカンドフィルまでの使用が一般的なのに対して、本蒸留所ではフォースフィル、つまり4回に渡ってカスクを使い回します。これはコストを抑えるために、無理に使用しているわけではなく、樽を大切に扱いメンテナンスしているからできる手法です。その為、出来上がったウイスキーもシェリーをしっかり深みと共に感じる事ができます。
 

テイスティング

 本銘柄はストレートが一番よいと思います。また、ハイボールにするとスペイサイド要素が強くなり、華やかで飲みやすいです。

 一方で、加水では若干バランスを崩す傾向にあるので、水割りを好む方には少々不向きかもしれません。

 

■ストレート

 柑橘系のフローラルな香りがします。若干オイリーで、奥の方にバニラの様な甘さも感じます。テイストは前半に短めのシェリーと穀物由来の甘さがあった後に、即オロロソシェリー樽由来のスパイシーさがビターな柑橘系のテイストと共にやってきます。余韻もしっかりそして長めです。軽いピートも感じます。その他のテイストも折り重なっており、しっかり味わうには気力と体力を使います。でもとても満足感の高い1杯です。

 

■少量の加水

 少量の加水であれば、香りが立ち、ボディーがそこまで崩れる事もないです。しかし、複雑さが若干減衰している感はあります。

 

■トワイスアップ

 飲み物としては美味しいですが、良さは大分減衰してしまっています。持ち前の複雑さも、甘さも、スパイシーさも、どれをとっても中途半端な感じが否めないように感じます。

 

■ロック

 スパイシーさの割合が高くなるので、本銘柄の良さでもある、柑橘系の華やかさはあまり感じ取れなくなります。また、氷が解けてくる後半は、若干ボディーが崩れてきます。

 

■ハイボール

 華やかさが強調されるので、飲みやすく美味しいです。私は好きです。

 

 以上、本日はシェリー系の華やか且つ複雑系銘柄、『グレンファークラス12年』を見て飲んでみました。近年、シェリー系の価格が特に高騰している中、比較的リーズナブルな価格帯で供給してくれる本シリーズには感謝です。