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-CHIKURYA WHISKY-

【スコッチ】アードベッグ ウィー・ビースティー5年を飲む・特徴と各種飲み方・評価について

【1】アードベッグ ウィー・ビースティー5年がどのようなウイスキーか理解できる

【2】各種飲み方でのレビューが分かる

 

 世界中に熱狂的なファンを持つ『アードベッグ』。本シリーズの銘柄はどれも個性豊かで特徴的ですが、本銘柄も負けない魅力と個性を持っています。本日はそんなスコットランドの小さなモンスター、『アードベッグ ウィー・ビースティー5年』について見て飲んでいきたいと思います。

 

アードベッグ ウィー・ビースティー5年について

アードベッグ ウィー ビースティー 5年 700ml[ シングルモルト ウイスキー ]

 通常ラインアップ『アードベッグTEN』、『アードベッグ ウーガダール』、『アードベッグ コリーヴレッカン』に加わった本銘柄『アードベッグ ウィー・ビースティー5年』。本銘柄は、熟成時にバーボン樽とオロロソシェリー樽を使用しております。オロロソシェリー樽はシェリーの中でもスパイシーでドライさの要素を加える傾向にあり5年の熟成の浅さと相まってどのよようなテイストになっているのか非常に気になります。

 実際に飲んで見るとそこまでパンチの効きまくった1本というよりは、ライトでフルーティーさもある煙たいウイスキーといった具合で飲みやすい印象を持ちます。アードベッグシリーズの中でも、シェリー感を感じ、ボディが重めの『アードベッグウーガダール』と比較してかなりライトな飲み口となっている為、ウーガダールを愛して止まない方は、本銘柄は物足りないと感じる可能性があります。

 一方で、重めのシェリー感を求めないのであれば、本銘柄は合致すると思います。『アードベッグTEN』と比較して少々荒々しさがあるので、人によってはマイナスポイントとなる可能性がありますが、価格を考慮すると十分許容範囲であり、アードベックの要素は十分保有しています。

 バーボン樽が主体となっているので、バーボン由来の甘さもあり、加水することでより開花する為、是非加水で飲んで見るのも面白いかも知れません。

 

アードベッグ蒸留所について

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引用元:https://www.whisky.com/whisky-database/distilleries/details/ardbeg.html

 アイラ島の最南端に、アードベッグ蒸留所、ラガヴーリン蒸留所、ラフロイグ蒸留所の3蒸留所が並ぶように建設されています。そしてこれら3蒸留所は教会の教区が同じことから『キルダルトン3兄弟』と良く呼ばれます。

 アードベッグ蒸留所は1815年に建設され、1973年まではマクドゥーガル家によって経営されてきました。その後、カナダのハイラムウォーカー社とDCL社に買収されます。

 『キルダルトン3兄弟』の中でも本蒸留所は、その後の経営が非常に苦しく、ウイスキー不況も相まって1981年に一度閉鎖されてしまいます。その後も再建しようと試みられますが、上手くいきませんでした。その背景にはウイスキーの需要の問題だけでなく、当時のオーナーであるアライド社は、ラフロイグ蒸留所も保有しており、2つの蒸留所は必要でなく、設備の老朽化が進んでいたアードベッグ蒸留所は不要と判断されたそうです。そして、なんとたったの約13億円未満で売りに出され、購入したのがグレンモーレンジー社になります。グレンモーレンジー社のウイスキーのノウハウと、そのオーナーであるルイヴィトン社によってブランディングのテコ入れが行われ、当時では考えられない位の躍進を遂げる事となります。現在ではウイスキー界での革命児といっても過言ではありません。

 

テイスティング

 どの飲み方でも美味しいですが、少量の加水が個人的には香りも開いて好きです。人によってはストレート等では若さが目立ってしまう可能性はあります。

 

■ストレート

 5年なので、もっとアルコールのきつい香りがするのかと思いましたが、そんなことはないです。安定したスモーキーさと正露丸の香りです。ボディもそこまで重くなく飲みやすいです。スパイシーで甘く正露丸。しっかりアードベッグらしさがあります。バーボンの甘さがしっかり楽しめます。

 

■少量の加水

 香りが立ち、甘さとヨード感が強くなり、味に深みが出ました。ストレートも美味しいのですが、加水するとテイストの幅が広がり本銘柄の良さがわかります。

 

■トワイスアップ

 より潮感があります。これもいいです。

 

■ロック

 香りのフルーティーさが増します。テイストも大分、フルーティーになります。

 

■ハイボール

 スモーキー!!。この銘柄の牙が見えた気がします。そして、フルーティーさもありとても美味しいですね。贅沢なハイボールです。

 

 以上、本日は『アードベッグ ウィー・ビースティー5年』でした。しっかりとしたスモーキーさの中に甘さとフルーティーさを存分に楽しめる、楽しい銘柄でした。