【1】ウイスキー造りの工程である、『マッシング(糖化)』について理解できる
【2】『マッシング(糖化)』の工程について理解できる
ウイスキー造りにおいて、『モルティング(製麦)』の次の工程になる『マッシング(糖化)』。本日は本工程がどのようなものなのかについて詳しく見ていきたいと思います。
『モルティング(製麦)』について詳しく知りたい方は以下リンクを参照ください。
chikurya-whisky-tokidokiwasyoku.com
ウイスキーの主な製造工程について
ウイスキーは世界中で製造されていますが、どのような種類のウイスキーであっても”ウイスキー”と名前が付いているものは、以下の工程を経て造られます。
・糖化(マッシング)
・発酵
・蒸留
・熟成
工程をより細分化することは可能ですが、まずは上記の各工程を理解することでウイスキーの楽しみ方に深みがでると思います。好きな銘柄が上記工程でどのような工夫やこだわりを持っているのかを知れば、きっと今まで以上にお気に入りの銘柄をより好きになれると思いますよ。本日は上記工程の中でも『マッシング(糖化)』について詳しく見ていきたいと思います。
『マッシング(糖化)』について
引用元:Mash Tun, Ardbeg Distillery | Mash Tun, Ardbeg Distillery | Flickr
『マッシング(糖化)』とは、モルト(大麦麦芽)のデンプンを糖に変化させ、ウォート(麦汁)を抽出する工程の事を言います。この工程により、アルコール発酵を行う上で必要となる糖を生成でき、酵母はこの糖を食べて、アルコールと二酸化炭素を生み出します。現在は、ウイスキー造りにフォーカスを当てておりますが、基本的にビール造りもほぼ同じ工程となります。
『マッシング(糖化)』の工程について
②マッシュの製造 :約70℃の温水を混合し、マッシュの製造
③糖化 :攪拌(かくはん)しデンプンを糖に変化
④濾過(ろか) :ウォート(麦汁)の生成
①モルトの粉砕
まず、モルトに含まれるゴミ等を取り除き、モルトミルという機械を用いて3種類の大きさに粉砕します。3種類に粉砕したモルトにはそれぞれ名称があります。大きい順に以下の名称で区別され、通常は2:7:1程の割合で使用されます。
・ハスク
・グリッツ
・フラワー
上記の3種類に挽き分けられたこれらのモルトは『グリスト』と総称されます。
引用元:Mash Tun, Ardbeg Distillery | Mash Tun, Ardbeg Distillery | Flickr
②マッシュの製造
3種類のグリストを配合した後、約70℃のお湯を混ぜ合わせます。混ぜ合わせる事で、『マッシュ』と呼ばれるお粥状の液体となります。
引用元:ビールづくりの流れ | ビアトレ (beer-workout.com)
③糖化
マッシュを『マッシュタン』と呼ばれる糖化槽に投入し、糖化酵素の働きが活発になる約65℃を保ちながら攪拌をします。攪拌する事で、デンプンが糖に分解されます。
④濾過
③の工程で糖化できたマッシュを濾し出していきます。濾し出していくと、糖度が約20%前後の液体が採取できます。この液体こそ、良くビールのCM等で耳にする『一番麦汁』です。次にマッシュタンに70℃ほどのお湯を注ぎ、濾し出したのを『二番麦汁』と呼び、糖度は約5%程度です。同様に3回目も行いますが、『三番麦汁』は糖度がかなり低い為、次の工程である発酵では使用せず、次回のマッシングの仕込み水として使用されるケースが多いです。
以上本日はウイスキー造りの工程である、『マッシング(糖化)』について見てきました。最近毎日大量のウイスキーを飲んでおり、肝臓がやられている為、1週間ほど休肝日としています。しかし、飲みたい欲は抑えられない為、大麦を食べて偶然体内でお酒が生成されないかなぁと淡い期待をしています。