【1】ジャパニーズ・ウイスキーの特徴が理解できる
【2】ジャパニーズ・ウイスキーの主な種類について理解できる
【3】ジャパニーズ・ウイスキーの主な蒸留所/銘柄について理解できる
近年、グローバルで非常に需要が高まっているジャパニーズ・ウイスキーですが、どのような特徴があり、どのような銘柄があるのでしょうか。見ていきたいと思います。
ジャパニーズ・ウイスキーの特徴と種類について
ジャパニーズ・ウイスキーの誕生は20世紀以降であり、5大ウイスキーの中では最も歴史が浅いウイスキーとなります。しかし、繊細さと飲みやすさのバランスが良く、世界的に認めらてきており、年々その地位は確かなものとなっております。
ジャパニーズ・ウイスキーのお手本はスコッチであり、影響を多分に受けています。その為、種類や大まかな作りはスコッチと似ております。一方、スコッチをそのまま模倣するだけでは、和食文化に根付かなかった背景もあり、日本食・日本文化に合うように様々な試行錯誤がされてきました。さらに、豊かな四季・自然の恵みをふんだんに取り入れて発展してきました。それが、ジャパニーズ・ウイスキーであり、人気である所以であります。
日本ではウイスキー原酒の売買は行われておらず、各メーカーが複数の原酒を製造し、ブレンドしています。その為、多種多様な原酒を製造する技術が特に高い傾向にあります。
それでは、ジャパニーズ・ウイスキーの主な種類について見ていきます。大きく分けて4種類に分類されます。(原則スコッチと同じです)
シングルモルトウイスキー
単一蒸留所で製造した複数の樽のモルトウイスキーを瓶詰した製品。スコッチ同様、その中で、1つの樽(カスク)からのみ瓶詰した製品をシングルカスクウイスキーと呼ぶ。
シングルグレーンウイスキー
単一蒸留所で製造したグレーンウイスキーを複数の樽から瓶詰した製品。
ブレンデッドモルトウイスキー(ピュアモルト)
複数の蒸留所で製造したモルトウイスキーを混ぜて瓶詰した製品
ブレンデッドウイスキー
モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜて瓶詰した製品。
ジャパニーズ・ウイスキーの歴史を作ったサントリーについて
ジャパニーズ・ウイスキーの歴史を作ってきたのは、間違いなく『サントリー』です。1923年に鳥井信治郎さんが山崎蒸留所の建設に着手し、その6年後に『サントリーウヰスキー(白札)』を発売します。しかし、スコッチを模倣して造られており、ピートの効いたスモークさは日本文化と合わずに、普及しませんでした。ここを契機にサントリーの日本人に合う、繊細なウイスキー造りの探索が始まり、そこからの努力に努力を重ねられ『角瓶』『だるま』『トリス』等を生み出すこととなります。詳細は別途解説いたします。
引用元:90th Aniversary HISTORY サントリー (suntory.co.jp)
ジャパニーズ・ウイスキーの主な蒸留所について
【サントリー】
・白州蒸留所
・山崎蒸留所
【ニッカウヰスキー】
・余市蒸留所
・宮城峡蒸留所
【キリンビール】
・富士御殿場蒸留所
【ベンチャーウイスキー】
・秩父蒸留所
【江井ヶ嶋酒造】
ホワイトオーク蒸留所
ジャパニーズ・ウイスキーの主な銘柄について
語りだしたらキリがないですが、代表銘柄を紹介します。
■白州
白州蒸留所はサントリーウイスキー造り50周年を記念に設立された、山崎とは全く違うタイプの原酒を製造している。爽やかで、フルーティーで切れの良さが特徴。軽くピートも焚かれており、かすかなスモーキーさを持つ。ハイボールがとにかく合う。
■山崎
山崎蒸留所には、多種多様なポットスチルや熟成樽があり、モルト原酒の作り分けが行われている。その中でも『山崎』はワイン樽とミズナラ樽で熟成されたモルトをベースにヴァッティングした銘柄。プラムや梅酒のような香りを持ち非常にフルーティーでボディはリッチ。上品な甘さがあり、日本料理にもよく合う。
■響
日本のブレンド力の高さを存分に味わえる銘柄。芳醇で華やかな香りが広がり、優雅さを感じる。テイストも後味の良いスイートさと白木が余韻として残る。どのような飲み方にも対応できる、非常に優れた銘柄。
■余市
香りはフルーティーでリッチ。奥にはスモークさを感じる。一方テイストはスパイシーさがぐっと広がりピートを感じる。ニッカウヰスキー創業時の『本場のスコッチに負けないウイスキーを』という言葉が体現されている銘柄。
■竹鶴
日本を代表するブレンデッドモルトウイスキー。響同様、どのような飲み方でも味や香りが崩れない。非常にフルーティーで果実の甘酸っぱい香りが立つ。テイストについてはスイートの中にピートを感じ、メリハリがある。個人的にはハイボールで飲むのが気に入っている。
■イチローズモルト
期待のクラフトディスティラシー。樽だけでなく、発酵槽にもミズナラを使用しており、本銘柄の特徴である爽やかさを生み出している。香りはユーカリ油やハーブを感じ、テイストはシェリー樽の甘さとミズナラ樽の爽やかさが調和している。
以上、本日はジャパニーズ・ウイスキーについて見てきました。ジャパニーズが世界から注目されており、日本人としてはうれしい限りです。