【1】カナディアン・ウイスキーの特徴が理解できる
【2】カナディアン・ウイスキーの主な種類について理解できる
【3】カナディアン・ウイスキーの主な蒸留所/銘柄について理解できる
カナディアンにはどのような種類、特徴があるのでしょうか?それでは見ていきましょう!
カナディアン・ウイスキーの特徴と種類について
カナディアン・ウイスキーの歴史はアメリカ独立宣言時代の1776年辺りから始まります。アメリカの独立に反対していた、イギリス系アメリカ人が五大湖周辺に移住したのが始まりとなります。ちなみに、五大湖の位置は以下の地図を参照ください。
五大湖の位置としては、現在のアメリカ合衆国とカナダの国境付近あたりになります。この地で当時、イギリス系アメリカ人が定住し、穀物の栽培からウイスキー造りを始め、アメリカの禁酒法時代に大きく飛躍します。
カナダは禁酒法時代にアメリカへの輸出を規制せず、アメリカに良質な大量のウイスキーを密輸して莫大な富を築きながら、アメリカ市場に深く浸透していきます。地理的にも陸続きであり、密輸が行いやすかった事も背景にあります。一方スコットランドの特にキャンベルタウンは粗悪品ばかり輸出していたので、当時はカナディアンが選ばれるような状況でした。
次にカナディアンの種類について解説します。カナディアンは3つ(①フレーバーウイスキー②ベースウイスキー③ブレンデッドウイスキー)に分類され、銘柄の殆どが①と②をブレンドした③カナディアンブレンデッド・ウイスキーです。
フレーバリングウイスキー
■原料:ライ麦、トウモロコシ、ライモルト、モルト等
■蒸留:1塔式連続式蒸留器とダブラーを使用し、64%~75%位まで蒸留
■特徴:ライ麦を多く使用する為、スパイシーでオイリー。バーボンウイスキーに類似
歴史的に見ても、アメリカへ輸出することが前提にあった為、アメリカ市場で受け入れやすいバーボンに近い味わいが多い。
ベースウイスキー
■原料:トウモロコシ等
■蒸留:連続式蒸留器を使用し、95%位まで蒸留
連続式蒸留器で95%程までアルコール度数を高める為、グレーンウイスキーに似て癖が無い。(らしい。飲んだ事無いです)
ブレンデッドウイスキー
フレーバリングウイスキーとベースウイスキーをブレンドしたもの。比率は、一般的に以下の通り。
一般的比率:フレーバリングウイスキー10%~30%、ベースウイスキー70~90%
また、9.09%まではアナダ産以外のウイスキーをブレンドする事が容認されている。
カナディアン・ウイスキーの主な蒸留所について
カナディアンの歴史は五大湖から始まっており、カナディアンの70%がアメリカで消費されている為、アメリカとの関係性が強い。その為、蒸留所の多くがアメリカ国境付近にあり、ボトリングはアメリカで実施する蒸留所もある。
引用元:カナダ - Wikipedia
【オンタリオ州】
・カナディアン ミスト
・キトリング リッジ
・ハイラム ウォーカー
【アルバータ州】
・アルバータ
・ハイウッド
・ブラックベルベット
【ケベック州】
・ヴァレーフィールド
【ノヴァスコシア州】
・グレンオラ
【マニトバ州】
・ギムリ
【ブリティッシュコロンビア州】
・ポッター
カナディアンの殆どが自国外で消費される他の要因として、カナダ国内での酒税の高さがある。ウイスキーには約83~84%の酒税がかかり、非常に高価で浸透しにくい。
カナディアン・ウイスキーの主な銘柄について
■カナディアンクラブ
『C.C(シーシー)』の愛称で呼ばれることが多く、それ位国内でも愛されている銘柄。ライ麦、ライ麦麦芽、大麦麦芽を原料毎に、別々に蒸留したフレーバリングウイスキーと、ベースウイスキーを熟成前にブレンドし、暖房の効いた熟成庫で6年以上熟成して完成する。この工程がライトで爽やかな香りと、口当たりのよい調和がとれたテイストを生み出している。価格もお手頃で、普段飲みには申し分ない。個人的にはハイボールがおすすめ。
■ブラックベルベット
カナディアンの中で断トツ『なめらかさ』を持っている銘柄と個人的には思う。なめらかさと共に素材の味を楽しめる銘柄であり、優しいココナッツのような風味が余韻として残り、楽しめる。
■シーグラムVO
ライ麦の香ばしい香りとスパイシーさをダイレクトに感じることができる銘柄であり、ボディはカナディアンの中でも軽く、さらっと飲める。個人的には濃いめのハイボールで飲むことが多い。または、アイリッシュコーヒーとはもはや言わないが、アイリッシュコーヒーのアイリッシュ・ウイスキーの代わりでよく使う。
■クラウン ローヤル
イギリス国王に献上された銘酒。カナダは歴史上イギリスと関係が深く、現在もイギリス連邦加盟国。1939年にジョージ6世がカナダを訪問した際に、この銘酒が献上された。私がこの銘柄が好きな点は、そのような格式高い銘柄であるが、3,000円以内で購入できる点である。非常にバランスも良く、複雑な味わいであるが後味はさっぱりしており、是非一度は試して頂きたい銘柄。この記事を書いていて、再度購入したくなった。