ウイスキー、時々和食

-CHIKURYA WHISKY-

【アメリカン】バーボンの特徴について

【1】バーボンの特徴について理解できる

 

 アメリカンには色々な種類がありますが、基本はバーボンの製造方法がベースとなっております。それでは、バーボンの特徴はどの様なものなのでしょうか。見ていきましょう!

 アメリカンのそれぞれの種類については、以下を参照ください。

chikurya-whisky-tokidokiwasyoku.com

 まず、バーボンの規定は以下になります。

バーボンウイスキー

■原料規定:トウモロコシを51%以上使用

■蒸留規定:80%以下で蒸留

■熟成規定:内側を焦がしたオーク樽に62.5%以下で樽詰めして熟成

 

 つまり、上記を満たせばバーボンウイスキーという事になります。一方で、実際のバーボンウイスキーは上記の規定以外に様々な工夫がされています。その点について深堀していきます。

原料について

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 バーボンの規定通り、少なくともトウモロコシを51%使用する必要がありますが、一般的にはトウモロコシを60%~70%使用されることが多いです。一般的な比率の詳細は以下です。(比率のことをマッシュビルと言います)

・トウモロコシ:60~70%、モルト:10%~15%、ライ麦/小麦等:10~15%

 基本的にトウモロコシの比率が多いと甘くまろやかに、ライ麦が多いとスパイシー、小麦が多いとマイルドでソフトなテイストとなります。コーンの比率が多いウイスキーの一例では『ブラントン』があり、ライ麦が多い一例は『ワイルドターキー』等です。

 

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仕込水について

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 スコッチでは仕込水は主に軟水が使用されるのに対し、バーボンではアルカリ性の硬水を使用することが一般的になります。ここで登場するのが『サワーマッシュ方式』です。サワーマッシュ方式とは、蒸留工程で出る酸性の蒸留廃液を仕込水に混ぜて、糖化や発酵を促進する方法になります。アルカリ性では糖化が促進されにくい為、本方式が有効になります。

蒸留について

 バーボンでは『ビアスチル』と呼ばれる1塔式の連続蒸留器と『ダブラー』と呼ばれる精留装置を使用して、蒸留を行う。ビアスチルで55~60%に蒸留し、ダブラーで精留して香りやテイストを洗練させていく。スコッチのグレーンで使用する連続式蒸留器は約90%までアルコール度数を高める為、それと比較すると風味が残った味わいとなります。非常に単式蒸留器のポットスチルに似ているが、連続蒸留を行う装置。

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引用元:バーボンの本場ケンタッキーを巡る 2. MBローランド蒸留所 | バーをこよなく愛す、バーファンのためのWEBマガジン (bar-times.com)

樽について

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 スコッチは熟成には新樽ではなく、使用済みの樽を使用するのが一般的なのに対して、バーボンでは内側を焼いた新樽の使用が法律で義務付けられています。この点が、特にバーボン特有のフレーバーと力強さを生み出します。

最後に

 メーカーズマークの以下の動画がバーボンづくりの工程を知る上で、非常に参考になります。もしお時間ありましたら是非視聴してみてください。

How the Maker's Mark Distillery Produces 24 Million Bottles of Bourbon per Year — Dan Does - YouTube

 

以上、本日はバーボンの特徴について見ていきました。