【1】ハイランド・モルトウイスキーの特徴が理解できる。
【2】ハイランド・モルトウイスキー銘柄の一例を知れる。
スコットランド北部を占める広大な地域であり、スコットランドのウイスキー文化の発祥の地だけあって、多種多様な銘柄が多いです。
それでは、どのような特徴があり、どのような銘柄があるのでしょうか。見ていきましょう!
スコッチ6大産地について知りたい方は以下を参照下さい。
ハイランドについて
スコットランドの北の大部分を占めるエリアをハイランドと呼びます。(スペイサイドもハイランドに含まれます)自然豊かであり、山岳地帯という事もあり人口密集はしていない地域となります。あまりにも広い地域である為、東西南北に分けて、東ハイランド、西ハイランド、南ハイランド、北ハイランドで語られる事も多いです。ただ、東西南北に分けたからといって、ウイスキーの特徴を区分できる訳ではなく、それぞれの蒸留所が個性を持っているといった具合です。
ハイランドの蒸留所について
約40の蒸留所があり、どれも個性的です。ハイランドのウイスキーに『グレン』という文字が入っている場合が多いですが、『グレン』とはゲール語で『谷』という意味であり、山岳地帯で造られている事を表現しています。
■東ハイランド
・ノックドゥー
・グレンドロナック
・ロイヤルロッホナガー
■西ハイランド
・オーバン
・ベン ネヴィス
■南ハイランド
・グレンゴイン
・ブレアアソール
・アバフェルディー
・エドラダワー
■北ハイランド
・ダルモア
・プルトニー
・グレンモーレンジィ
・トマーティン
・ダルウィニー
・バルブレア
・クライヌリッシュ
ハイランド・モルトウイスキーの特徴について
前述の通り地域が広大な為、一言で特徴を説明する事は難しいですが、比較的飲みやすい銘柄が多いです。例えば、グレンモーレンジィはバランスが良くて、日本人にも比較的相性が良い銘柄かと思います。
主要な銘柄について
本日は王道の銘柄を紹介します。物足りないなと思われる方は、次回マニアックなのを紹介しますね。
■グレンモーレンジィ
この美しい輝きは人々を魅了します。ただし、見た目だけでなく中身も非常に良く、洗練されている。香りはハチミツやバニラの中にシトラスの様な爽やかも兼ね備える。テイストも滑らかで、スイートかつスムーズ。申し分ない。
簡単に蒸留所を紹介すると、本蒸留所は古いビール工場を改修して設立されました。当時は資金がなく、その工場にあった、ジン用のスチルをそのまま使用して蒸留が行われ、これが本ウイスキーの特徴を生み出す契機となります。また、熟成では多くの種類の異なる樽を使用することで有名であり、『樽のパイオニア』と呼ばれています。
■トマーティン
熟成に特にこだわりを持っており、シェリー樽、バーボン樽で熟成した後、さらに原酒をヴァッティングし8か月間シェリー樽で熟成されています。その為、シェリー系の香と味の中に、ピーティーさがあります。ドライで飲みやすいです。
※『ヴァッティング』とは複数の樽で熟成された同種類のウイスキー原酒を混ぜ合わせる事。
■アバフェルディ
もともと、『デュワーズ』の原酒を造る為に建設された経緯がある。その後、1998年にバカルディ社に買収され、『デュワーズ・ワールド・オブ・ウイスキー』をオープンさせて観光地化させた。その為、日本ではあまり馴染みがないかもですが、グローバルでは有名な銘柄です。フルーティーかつまろやかなテイストで、万人受けしやすい銘柄だと思います。
■ダルモア
ボトル正面に大きく雄鹿が描かれているのが特徴で、かつてのダルモア蒸留所のオーナーのマッケンジー家の紋章となっています。ダルモア蒸留所がある北部では、鹿狩りが現在でも盛んにおこなわれている、自然豊かな地域となっています。
香りは非常にフルーティーであり、オレンジマーマレードの中に、スパイスが効いているように感じる。その奥に、ラムレーズンのような香りもする。
ボディーは比較的しっかりしているが、スーッと飲める。柑橘系とバニラのテイストとなっている。ハイランドの方々は良く食後酒として加水してゆっくり味わうらしいです。
■オーバン
西ハイランドを代表する有名な銘柄であり、オーバンは古くから栄えた港町の名称。
レーズンやチェリーの様な香りの中に、海の香りもして、アイランズウイスキーをフルーティーにした感覚に近いかもです。そして、生姜のようなスパイシーさと、その後に木の香が口に漂います。
以上、本日はハイランド・モルトウイスキーについて見てきました。豊かな自然に育まれて、多種多様で個性豊かなウイスキーが造られています。是非、沢山の銘柄を楽しんでみてください。